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週末映画批評

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週末に映画を批評します。
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記事一覧

「崖の上のポニョ」試論 ~解放と再呪縛、そして逸脱

 かなり長い間、スタジオジブリの「崖の上のポニョ」と「借りぐらしのアリエッティ」の二作は…

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「私」は証明できるのか。~「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」を…

 思っていたよりも凄い映画で、性別役割分業制の是非、フェミニズム運動のバックラッシュの問…

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「八つ(原題:Eight)」を観る

 2016年に発表されたピーター・ブラックバーン監督のオーストラリア映画。amazon primeでたま…

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「THE SACRAMENT」を観る

あらすじと感想 久々の週末映画批評。いろいろ観てたんですけどレビューを書く気になるような…

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「ウインド・リバー」を観る。

「ネイティブ」とは何か。  舞台はアメリカ、ワイオミング州ウインドリバー保留地。いわゆる…

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「かぞくのくに」を観る。

「抗わない、抗えない映画」だと思った。思った、けど。 ソンホ(井浦新)は、70年代に朝鮮総…

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「ヒトラーの忘れもの」(原題「Under sandet」)を観る。

 舞台は第二次世界大戦終了直後のデンマーク。当時のデンマーク西海岸には旧ナチスドイツ軍が連合国軍の上陸を妨げるために埋めた十万以上もの地雷が残されていた。デンマーク軍は、当時捕虜になっていたドイツ兵にその地雷撤去にあたらせた。そして、その多くは年端もいかない少年兵だった。ラスムスン軍曹率いる14人の少年ドイツ兵の小隊が担当するのは4万5千個の地雷が埋められた砂浜。初めは怒りをもって少年たちと接する軍曹だったが、次第にその二者の心理的な距離が近づいていく…。  あまぞんの予告風

「プライベート・ライアン」を観る。

「プライベート・ライアン」を見て真っ先に連想したのは若松孝二の「実録・連合赤軍」だった。…

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「葛城事件」を観る。

 この物語自体に筋も展開も存在しない。あるのは「無理想無解決」という日本文学史においては…