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【#7】35歳の子宮筋腫核出術 ~まさかの2回目手術:入院6日目~

術後経過チェックの日、朝からすこし異変が…
6時に起床してすぐ、この日は採血がありました。術後の経過チェックで午前中に内診もする予定です。いつも通り顔を洗って歯磨きして朝食を食べ、いつ内診に呼ばれるかな~と思っていたら、担当の先生が少し急いだ様子でやってきました。
私が入院していた病院は患者さん一人にお医者さん一人という個人担当はでなく、患者さん一人に複数人のお医者さんがチームを組んで担当するという医療体制で、メインの医師(診察、手術の執刀はこの先生)、サブの医師(メインの先生がお休みの時に診てくれる)、若手の医師(サポート的立ち位置っぽい)の3人がそのときどきに合わせて診てくれるというシステムでした。
この時やってきたのは若手の先生。なにやら焦っているようなので何事かと思ったら、「朝とった採血の数値がちょっとよくないので、念のためもう一度採血して検査させてもらえますか?」とのこと。私は元々貧血持ちで普段から鉄のサプリメントを摂ったりひどいときは病院で鉄剤を処方してもらうこともあるくらいで、手術直後もヘモグロビンの値が低めだったので、そこが引っかかったのかな?と思いつつ、特に気に留めませんでした。手術の1か月前からサプリメントやお薬がNGになり、このところ鉄を飲んでないからあんま上がらないのかな~くらいに思っていました。そのあと診察室へ移動して内診も受けたのですが、そこでは特に何も言われずベッドへ戻りました。

追加検査が決まり、昼食はぬきに…
内診から戻った私は『何も言われなかったし、特に体に異変も感じないし大丈夫でしょ』と昨日夫に差し入れしてもらったパックのオレンジジュースを飲みながらベッドでゴロゴロしていました。ほどなくして、先ほどの若手の先生がまたやってきました。「すみません、少しよろしいでしょうか?」となんだか神妙な面持ちです。「2度目の血液検査でも貧血の値がかなり低いです。原因を探るため詳しく検査をします。CTを取るので、これから飲食はNGでお願いします」とのこと。私は飲みかけのジュースのパックをそっとテーブルに置きました。まだ半分も残ってるのに…(;ω;)
それにしても再検査とはなんだか大事になってきたぞ?と嫌な予感がしてきます。CT検査の空きが出るまでの間に、造影剤を使うとのことで新しくルート(点滴みたいなやつ)を入れられました。これが結構痛くて、しかも私は入りにくいみたいで辛かった…。ちょうどお昼ごはんが運ばれてくる12時を過ぎたころに声がかかり、看護助手さんに車いすに乗せてもらって検査室へ向かいました。まだこの時はトイレより遠い場所に歩いていけるコンディションではなかったですね…。

CT検査の結果、判明した衝撃の事実
CT検査は特に痛みやつらさもなく終わりました。造影剤を使ったので、体の中があったかくなるような不思議な感じはありましたが…。ともあれ無事に検査が終わったので、少し遅くなったけどお昼を食べようと院内のコンビニに向かいました。検査室からの帰りに、看護助手さんに車いすで寄り道してもらう形です。まだ固形物は食べられないので、ウィダーインゼリーとかヨーグルトかな…と店内を物色していると、看護助手さんの携帯に連絡が入ります。そして「お昼を買うのはちょっと待って欲しい」と言われました。えっ。まだご飯食べちゃだめなの?検査終わったのに??とさらに膨らむ不安を抱えつつ、お水だけ買って病室に戻りました。
ベッドに転がりながら(お腹すいたなぁ…検査結果なにかあったのかなぁ…)と悶々していると、再びあの若い先生がやってきてくれました。そして開口一番にこういわれました。「ご家族の方に、すぐ連絡を取っていただけますか?」

そんなん、めっちゃもう悪い知らせやん…;ω;

先生のお話を要約するとこうでした。
手術後に貧血の数値が出ていたが、元々貧血気味というお話もあったし、手術中に出血することで誰でも一旦そうなるものだから、数値が回復するのを待っていた。申告されていた全身状態(クラクラするとか、疲れ気味だとか)からも大きく問題はないと思っていたが、今日の血液検査で貧血がさらに進行していることが認められた。正直もう少しで輸血が必要になるくらい下がっている。原因を探したところ、CTで子宮動脈瘤が認められた。おそらくもう一度破裂していて、そこからの出血が貧血の引き金になっている。それをどうにかしないと、次に破裂したら命にも関わるかもしれない。すぐに処置が必要だから、ご家族にも説明していち早く処置を行います。

衝撃でした。い、命に関わるかもしれない…??その一言が頭から離れず、動揺しながらもとにかく夫に連絡をして、仕事を抜けて病院に来てもらうようお願いしました。詳しい話はご主人と一緒に、ということで先生は去っていったのですが、不安でなんにもできません。そうしているうちに看護師さんがやってきて、「これに着替えておいてくださいね」と手術着を置いていきました。3日前に着たばかりのそれを手に、(また手術するってこと!?!?)とさらにパニックに…。

追加手術が決定、18時から開始です
2時間後くらいに主人が来てくれて、すぐに先生から説明を受けました。子宮動脈瘤を処置するため、再度手術すること。今度の手術は開腹ではなくカテーテルで行うこと。全身麻酔ではなく局所麻酔で行うこと。手術がどれくらいの難易度かはやってみないとわからないこと。執刀医は別の先生になること。でもその先生はとても上手なベテランだから、心配はいらないこと。いきなりのことに頭が追い付いていない私に、丁寧に教えてくれました。子宮動脈瘤は、いわゆる手術の合併症の一つでした。手術をすることで、数%の確率でどうしても起こってしまうこと。殆どに人には起こらないけど、手術で血管や神経を傷つける以上、0%にはできないこと。頭では理解できても、それがまさか自分に降りかかってくるとは…。動揺する私を、看護師さんも夫も、たくさん励ましてくれました。不安がないといえばウソになる、いやむしろ不安しかない状況でしたが、このまま放置すれば命に関わるかもしれない、だとしたらやらない選択肢はない、ということで、急遽手術を受けることが決定しました。夫が病院に着いたのが17時前、手術は18時から。かなりのスピードです。説明を受けてからほどなくして、ベッドのまま手術室へと運ばれていきました。

長時間に及ぶ手術、なんとか終わる
まさか2回目の手術を受けることになるとは…。今朝採血されてから、あれよあれよというまに検査や説明が進んで手術台までやってきました。今回は局所麻酔なので、手術中ずっと意識があります。麻酔で痛くないとはいえなんだか怖いので自主的に寝てしまおうと思っていたのですが、手術中に体内の撮影を何度もする、きれいに映るようそのタイミングで息を止めなければならないという患者参加型の手術だったため、寝落ちすることは許されませんでした。ですが、執刀医の先生や麻酔担当のスタッフさん、看護師さんがほんとうに一生懸命対応してくださるのを目の当たりにし、貴重な経験になったなと今では思います。先生はお腹を切る手術をしたばかりの私のことを気にかけ、「ここは痛い?大丈夫?」「このあたり傷口だからみんな注意して」と最大限配慮してくれました。看護師さんはたびたびそばに来て「順調に進んでますからね」と教えてくれるし、麻酔担当のスタッフさんは「よくがんばってるよ~!えらいよ~!!」と手術中に何度もほめてくれました。手術時間はやってみないとわからないけれど、早くて30分・長くても1時間半と聞いていたのに、どうやらなかなかに難しい手術だったらしく、終わってみたら3時間もかかっていました。ずっと起きて、息吸ったり止めたりしていましたが、まさかそんなにかかっているとは思いませんでした。長時間ノンストップで対応してくれた手術チームの皆さんに感謝です。

病室へ戻り、朝まで安静に…
手術後はベッドのまま病室へ戻りました。病室に入る前、病棟のラウンジで待っていてくれた夫と話すことができました。無事終わったよ、お疲れ様、ありがとう、ゆっくり休んでね、と最低限のことばだけ交わして、そのまま病室に戻りました。手術で足の太い血管を刺しているので、その血管の傷が閉じるまでは絶対安静です。なんとか無事手術は終わったものの、ここから入院中に一番つらくて長い夜が始まるのでした…。

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