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今更ですが…『スリル・ミー』ライブ配信見ましたよ

2ヵ月くらいぶりの投稿になります。

前回の投稿の後くらいから徐々に体調とメンタルを崩してしまい…今までにないくらいの絶不調を味わっております(まあ遊びに行ったりもしてますが…σ(゚Д゚*))。
スマホの画面を見るのもしんどいのですが、出さなきゃ気が済まないので少しずつ書いてみました(1ヵ月以上かかってしまいましたよ…しかも思ったより長文になってしまいました)。


10月のある日、一通のメールが届きました。
『スリル・ミー』全ペア1週間配信上演決定だって!
(…1週間って短くない?)
(…全然見る暇ないけどね?))
(…メンタルダウンしてる時に見たらヤバいことになりそうだけどね?)
などと迷いながらも見ましたよ。…そりゃあもちろん見るに決まってるよね?(←全然迷ってない)
一気に見る時間はなかったので、通勤中や空き時間に細切れで見ましたが、全ペア比べながら見るのは楽しかった!
全ペア2,3回ずつ分くらいは再生したな…(*´σー`)エヘヘ
その結果、メンタルが少し回復しましたよ。
昔実際に起こった猟奇殺人を元にした作品で回復する私のメンタルってどうなんだ?と思わなくもないですが…。まあとにかく好きなものに触れるのは大事!ってことですね。

洞察力もなければ、深い考察もできない、私が感じたこと(妄想も入ってる)を勝手に書いてるだけなんで…「違うそうじゃない!」と思う方もいると思います。それにこの作品を知らない方にとっては何言ってんだか分からないでしょうが…よろしければお付き合いください。ネタバレしてます。


【尾上松也×廣瀬友祐ペア】

今年唯一観劇できたペア。その時はそれほど感じなかったけど、他と見比べてみたら愛憎強めの激しめのペアだと思いました。ドロドロです。あとなんかエロい。…いや、観に行った時にも思ったんだけど、契約書のナイフのくだりで「私」がやたら色っぽい声出してませんでした?てっきりそういう演出なのかと思っていたら他のペアは違うじゃないか…!あと“スリル・ミー”の曲で「私」の情念というか情欲丸出しだし。独占欲強めだし。でも「私」だけでなく「彼」の方もちょいちょいそういう色気が滲み出てる…ような気がする。普段は高圧的で冷たい仮面をかぶってる感じなんだけど。

前半は圧倒的に「彼」の方が強い。というか怖い。この人なら犯罪起こしてもおかしくないよねって思わせる(「ハンマーで頭を割る」の言い方がヤバすぎるだろ!…魔王ですか?)それに「私」に対するDV感がすごい。「私」のことが嫌いなわけじゃなさそうだけど、絶対優位に立ちたい、支配したいという思いの方が強そう。
それに負けてない(どころかちゃんと要求を通してる)「私」のメンタルも相当なものだけど。
幼なじみとはいえ…どうやったらこの2人が仲良くなれるんだ?

力関係が逆転する後半、警察の取調室辺りからの「彼」の豹変ぶりがこのペアの見所じゃないかと思ってるのですが…どうですか?
司法取引の取り消しを懇願する猫なで声(←優しい時のDV夫ですね!)、判決が出る前夜の独白や“九十九年”で「私」に絡め取られた時の恐怖感。「彼」の冷たい仮面がボロボロ剥がされていく様が痛々しく、可哀想ですらありますね。…でも同情はしないよ?
逆に冷静に真綿で首を絞めるようにじわじわ追い詰めていく「私」怖いよ…。殺人を犯した後に眼鏡をなくしたことに気付いた時の狼狽ぶりはどこ行った?二重人格ですか?(←眼鏡もわざと落としているわけだからそれを踏まえて見ると怖さ倍増)…2人の対比がよく出てますね!


【木村達成×前田公輝ペア】

バランスも相性も良いなと思った。
頭が良すぎて抑圧されてきた若者感のあるペア。他のペアに比べてピアノのテンポが速い気がして、より強く焦燥感を感じる。なんでこういう結末を迎えてしまったのかな…とやるせなさが残る。
冒頭の仮釈放審議委員会の場面の53歳の「私」の「何を知りたい?」が挑発的で「コイツ反省してないな」って思ったけど。
19歳の「私」は恋に盲目だけど…その割りに「彼」のこと見えてないよね?って感じがする。逆に「彼」は「私」のことをよく観察してるなと思った。この「彼」は掴みどころがないけど、割りと「私」のこと好きなんじゃないかなと感じました。意外と優しくない?(←たぶん気のせい)
この2人は結構仲良さそう。ただどちらも一方通行な感じがするかな。分かり合ってはいないな。

とにかく「彼」のことが大好きで、「彼」のためならなんでもする「私」が健気だなと思った(でもちょっとストーカー気質だよなとも思う)。…もちろんこの後の展開も、脅迫状を書いてる時点で「私」はすでに「彼」を手に入れる計画を立ててることも知ってるけどね!(脅迫状を書いてる時の「完璧だ」のところ企んでる顔してるよ…全然健気じゃないよ)
それでも「彼」から司法取引を取り消すように頼まれた時の「いいよ」がなんだか切なかった。
…と感じさせておいてからの、護送車の場面の「私」のイカれっぷりが怖すぎる!
“九十九年”を歌う「私」の笑顔がもはやホラーでしたよ。恍惚の表情を浮かべてるよ…。
その前の判決前夜の「彼」の独白を目を見開いて聞いてるのも不気味でした。それにラストシーンの「スリル・ミー」と歌った後の笑顔からの無表情に狂気を感じて震え上がりましたよ…。
このペアの見所は「私」の壊れっぷりだと思うのですが…いかがでしょう?


【松岡広大×山崎大輝ペア】

身長差バンザイ!な2人(なんじゃそりゃ?)。
身長に差があるのって良いよね(なにが?)。
アンバランスで危うげな部分と普通の若者っぽさが同居していると思ったペア。
あと離れられない2人という印象も受けたかな?
…なんでそう感じたのかというと「彼」の態度からだと思うのですが。「私」のことはあんまり好きじゃなさそうに見えます。めっちゃ苛ついてて、飴と鞭感が強いよ(殺人計画を練っている時の表情の歪み具合が壊れてるなぁと思った)。
それでも「私」のことは認めているし、結局離れる気も手放す気もないんだろうな…なんて思いました。あと声はセクシーですね(好きです←急にどうした?)。
そして「私」の方もそこを分かってるような、なんだかんだ「彼」は自分の元に戻ってくるという自信ありげなところが垣間見える。強気だね!対等であろうとしてるけど…子犬がじゃれてるように見えてしまったよ。やっぱり身長差バンザイ∩( ´∀`)∩
こちらの「私」はちょっとあどけなさもあり、小動物的な感じもあってなんだかかわいいぞ?ちょっといじわるしたくなるぞ?

普通っぽさがあるからなのか…“九十九年”でも「彼」を追い詰めていく「私」の怖さというよりも切ない恋の歌に聞こえました(…あれっ?)全てが覆った時の意外性がこの曲の醍醐味だと思っていたんですが…(まあ歌詞を聞いてるとヤバい人間だということに変わりないけどね!)。
でもどれだけ策を弄しても、本当のところ「私」は「彼」を手に入れられなかったよな…と感じてなんだか寂しい気持ちになりました。
そして釈放された時、この「私」は生きてはいられないのではないかと感じました。…他のペアの「私」は図太く生き残りそうなんですけどね。
このペアだけは再演なんですね(前のと比べてみたかったな)。意外とラブストーリーだな…と思いました(←たぶん錯覚ですね)。



それぞれのペアごとに思ったことを書いてみましたが(しつこいですが…私の勝手な感想です)、同じ話なのに気になるポイントが違ったり、全然違う感情が湧いたり…なかなか面白い体験でした!

10年前に観た時も、今年観劇した時も、語り手の「私」に注目していましたが、今回のライブ配信では「彼」の方に目が行ってしまいましたよ。
ツッコミどころ満載ですし、情緒のアップダウンも激しすぎたりで気になる…(とりあえず「弁護士になりたいなら犯罪はダメだろ」と言いたい)。
ちなみに作中で私が一番好きな歌は“超人たち”なんですが…「彼」めっちゃ楽しそうですね!(あの高揚感が好き。歌詞の内容はひどいと思うけどね…っていうか↑で語ってる“九十九年”じゃないのか?)この時が「彼」の人生のピークだったんですよね、きっと。
そんな「彼」に比べて「私」のブレなさといったら!その強メンタルうらやましいわ…。


(…どこからどこまでが「私」の計画だったのかな?)
(…「私」が眼鏡落としたのは本当にわざとだったのかな?)
(…なんで「彼」は「私」と互いの要求を受け入れなければいけないような契約を結んだんだろうな?)
(…この契約で自分の首締めてんじゃん!それに破棄することもできたんじゃない?)
(…結局「私」と「彼」の関係ってなんだったのかな?友人も恋人もしっくりこないし「共犯者」だけでは言い表せないよな…)
…などなど私の中に残った謎と興味は尽きず。
また再演ありますよね?(待ってますよ!)
なんなら円盤でもいいですよ?(いやむしろ過去のいろんなペアのやつも見てみたいですよ(*´∀`)ノ)
…なかなか『スリル・ミー』の迷宮から抜け出すのは難しいようです(抜け出せる日はくるのだろうか?)。

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