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研修記録|学生の授業から高齢化した組織

今週は本業とは別になかなか濃密な時間を過ごしていた。
大学の授業を2コマとNPO法人の組織研修の講師。

木曜日は福祉系の大学1年生向けに「日常の幸福度を高める方法」というポジティブ心理学の授業を行い、その後には3年生向けに法人の人事担当者という立場で座談会をおこなった。


▽学生時代は意外と幸福度は高い。

1コマ目の授業で印象的だったこととしては、毎回授業では自分の幸福度がどのくらいかを知るという事をおこなうのだが、MAXが100点のところ80点くらいの人が結構多い結果だった。
学生の皆さんはなかなか幸福度は高い。

幸福度を測るアンケート
PERMAモデルを元にアンケート

結構有名な研究の話ではあるが、子どもの頃の笑う回数は1日に400回ほどに対して、大人になると極端に少なくなるという研究の結果がある。
なんと、大人になると1日に笑う回数は15回ほどに減ってしまうようだ。
特に23歳を境に急激に笑う回数が減るという結果になっていて、23歳というと大体の人が教育を終え、社会に出る年齢ではないだろうか。

この日、授業を受けたのは18歳から20歳の若者。
笑う回数と幸福度が関係すると考えると、社会に出る前の学生がまだ幸福度が高いということが実感できた。

▽学生が仕事を選ぶ基準は?

次のコマでは人事担当者として、3学年生との座談会をおこった。
私から学生へ問いかけた事として

「仕事をする上で(企業を選ぶ上)で何を優先しますか?」

という問いに関しては、様々な学生の考えや希望を聞くことができた。

「まだ、自分がどんな仕事に就きたいか決められていない」
「社会に出るイメージができない」

自分も大学3年の時は将来に関しては全く考えていなかったので、このような意見は少し安心した。

「誰かの役に立ちたい。そのような仕事であればどんな事でも良いと思っている」
このような人助けや社会課題に関心がある学生が多いのも印象的だった。

そして、
「どのような経験ができるか、どれだけそこで成長できるかを優先したい」

意外と自身の成長のために働くという学生が多いのも印象的だった。
他にも「一緒に働く人がどんな人か?」「家族や友人と過ごす時間」を重視するという回答をした中、「お金(給料)」と答えた人はいなかった。

▽採用に困っているNPO法人で組織研修

そんな学生との対話があった2日後の土曜日。
あるNPO法人から、職員向けの研修の依頼を頂いていた。
私が組織から研修を頼まれた際は、その組織でどんなことが課題として上がっているのかを知るためにアンケートをとっている。

今回依頼を頂いた組織は比較的年齢層の高い組織だった。

組織の年齢層

50代、60代で64%。
40代を含めると90%を超える組織だった。

ここの組織の課題としては、「人材が採用できない」「人材が育たない」「職場内で愚痴や不平不満が多くなっている」が上位を占めていた。

また、2日前の学生への質問と同様に、職員の方に「働く上で何を重視したいか?」という問いではこのような結果だった。

働く上で重視したいこと

「職場内の人間関係」を重視したい部分は、これから就職していく学生との価値観が一緒だった部分に対して、学生が重視ている「他者や社会への貢献」に関しては重視している人がほとんどいないという結果だった。
そして「お金(報酬)」と答えた人も半数ほどいた。

また、Z世代と言われているソーシャルネイティブの世代の人たちは、「自分らしさ」を大切にする傾向があり、意識を内側の自分にも向けている特徴があることに対して、世代が上になると自分の幸せに関してはあまり重視はしていないようだった。

この辺りの価値観のギャップはこれからの人を採用するという部分では大きな足枷となりそうだった。

まずは、イマドキの人の価値観を知ること。
そして、今までの当たり前を見直し、自身の価値観をアップデートし続けることの重要性を研修の中で伝えてきた。

私も、適度に学生や若者の価値観を取り入れ、自身のアップデートと組織の変化を進めていきたい。

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