はじめてのビブリオバトル

 12/4、ビブリオバトルに参加した。ZOOMを使って、各地の大学生4人で争ったわけなのだが、噛み噛みで早口のプレゼンだったにも関わらず私の紹介した本がチャンプ本に選ばれたので、せっかくだからこの貴重な体験を書いてみようと思う。

 そもそもなぜビブリオバトルに参加したのかというと、何か大学生っぽいことをしたかったから。高校生のときにはパソコンも持っておらず、時間もなく、興味はあったができなかったであろうビブリオバトル。参加してみませんかというお知らせがちょうどFacebookに流れてきたので、思い切って参加のメールを送った。

 しかし、メールに一向に返信がなかったため、人数制限に引っかかったか何かでだめだったのだろうと、1ヶ月ほどその存在を忘れていた。そして約1週間前、紹介する本の著者名とタイトルを教えてほしいというメールが来て1ヶ月ぶりにビブリオバトルの存在を思い出したのだ。

 慌てて手元にあった「クワイエットルームにようこそ」を書いて送ったが、その時点でその本をはまだ真面目に読んではいなかった。なぜなら、その映画をより楽しむための、副教材的な感じで原作を買って読んだから。

 普通1週間前にまだ本を読んでいない状態なら焦って読み始めるはずだが、私にはもっと焦るべき大学の課題が2つあって、そちらに取り組んでいる最中だったので、最終的に読み始めたのは昨日になった。つまりバトルの前日。しかも20時。

 その時間になった時点で正直、原稿が明日までに書き上がればいいなという気持ちだった。結果は二の次三の次。まぁ本のページ数が少なく、話自体は映画を見て知っているため、なんとか読み、原稿を書き始めた(22時)。

 5分間でプレゼンしなければいけないため、1500字は必要になる。そして小説を紹介するため、ネタバレにならないギリギリのラインを攻めながら面白みを紹介しなければいけない。しかし物語の醍醐味は伏線が回収されるカタルシスにあると思っているため、ネタバレギリギリを攻めても果たして面白く伝わるのかどうかわからない。悩む。初めてのビブリオバトルに小説を持ってきたことを後悔したが、やるしかないと腹を括って、書きたいことから書き始めた。

 書いているうちに、読むだけでは気づかなかった本の面白さが見えてきたので、まぁまぁ納得の行く文は書けた。問題は時間。読むスピードや言い回しを調節するために何度も読んだ。(疲れて声がハスキーになった。)

 そしてなんとかその日のうちに原稿を書き上げ、迎えたバトル。自分の家から発表、人の目は画面にしかない、ということが功を奏し、緊張はしなかったが、本番特有のパフォーマンス能力の低下により噛んだり早口になったりした。しかし、あの短時間でやりきったよ自分、偉い偉いと褒めておくことにした。

 他のバトラーのプレゼンは、私なんかよりも遥かに理路整然としていて、完全に負けたと思いながら聞いていた。

 嬉しいことに勝たせてもらったが、勝った経験よりも、新しい本とその本を愛する人のプレゼンが聞けたことが私にとってとても意味のある経験になっている。本には、日々ネット記事などを読んでいても、おすすめとして紹介されるのでよく出会うが、その本を推す人のその本に対する価値観を覗けることって滅多にない貴重な機会だなと思った。

勝ちたいとは思っていたし、勝てたら嬉しいだろうなと思っていた。しかし勝つこと以上に有意義な体験をさせてもらえて、とても満足している。

 ありがちな体験記だが、自分から挑戦して、今できるベストを尽くしたことは、必ず想像以上の経験が返ってくるのかなと思った。

 さあ、今からまだ一文字も書いていない6000字レポートを木曜日までに書くぞ☆(※ギリギリでいつも生きていたい訳ではない)

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