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「超時空薄幸児童救済基金」ひとりPBM

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奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記。少女から届いた手紙(と、それを読んだ『私』の考察)の部分が有料となっています。 1~3話のお得… もっと読む
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超時空薄幸児童救済基金・1

#小説 #連載小説 #ゲーム #伊豆平成  超時空薄幸児童救済基金――という、よくわからない団体から、寄付を募られた。  なんでも、様々な時空にいる恵まれない児童への援助を仲介している団体――らしい。って、そう説明されてもなにを言っているのやらさっぱりわからない。新手の詐欺だろうか。  そもそも、自分が生きていくのが精一杯の金欠野郎に、寄付なんかできるわけがない。そう言って断ろうとしたのだが……。 「いえいえ、金額はいくらでもかまいません。なにしろ、後見人の無償の愛

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#小説 #連載小説 #ゲーム ※このテキストは「超時空薄幸児童救済基金・1」の有料部分の続きです。詳しくはこちらを。https://note.mu/izunohiranari/n/n3349b9260eab   まだ後見人という実感はないが、少女の真摯な気持ちの伝わる手紙(訳文)をときどき読み返したり、直筆のほうの拙い文字を眺めたりしては、そんなことを考え、何日かが過ぎた。  そんなある日のこと――。あの窓口の男性がまたやってきた。なにをしに来たのだろう。手紙は「月に一

超時空薄幸児童救済基金・2

#小説 #連載小説 #ゲーム ※はじめに 【このシリーズの解説】  マガジンの初めにも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。  第一回から読む場合はこちら

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#小説 #連載小説 #ゲーム ※このテキストは「超時空薄幸児童救済基金・2」の有料部分の続きです。手前部分はこちらになります。https://note.mu/izunohiranari/n/n79d8b58d6529?magazine_key=m4e5b246a40ca  少女からの二度目の手紙が届いてから何日か過ぎたが、最初の手紙のときと違い、私はもう彼女の後見人であることを忘れたりはしなかった。  というより、連絡役の男が来るのを待ちわびていた。ようやく彼が現れたと

超時空薄幸児童救済基金・3

#小説 #連載小説 #ゲーム  マガジンの初めにも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて) ※マガジンで一覧を見たほうがわかりやすいで

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超時空薄幸児童救済基金・3のRe

#小説 #連載小説 #ゲーム ※このテキストは「超時空薄幸児童救済基金・3」の有料部分の続きです。手前部分はこちらになります。https://note.mu/izunohiranari/n/n7dd375637ada?magazine_key=m4e5b246a40ca  彼女が新しい紙に綴った長い手紙を楽しみながら、次の報告を待ってのんびりと過ごしたいところだったのだが……。  このところ仕事が忙しく、私は家にいないことも多くなっていた。  連絡係の男が「お留守のようで

超時空薄幸児童救済基金・4

#小説 #連載小説 #ゲーム (はじめに)  マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて) ※だいぶ数が多くなってきたの

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#小説 #連載小説 #ゲーム ※このテキストは「超時空薄幸児童救済基金・4」の有料部分の続きです。手前部分はこちらになります。https://note.mu/izunohiranari/n/n4103f1165ca7?magazine_key=m4e5b246a40ca --------------------------- 「どうですか? お考えいただけましたか?」  このところ連絡役の男がなかなか現れなかったので、不意に訪ねてきた彼がドアを開けるなりこう聞いてきた

超時空薄幸児童救済基金・5

#小説 #連載小説 #ゲーム (はじめに)  マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて) ※だいぶ数が多くなってきた

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#小説 #連載小説 #ゲーム ※このテキストは「超時空薄幸児童救済基金・5」の有料部分の続きです。手前部分はこちらになります。https://note.mu/izunohiranari/n/n32e4c20b1d97?magazine_key=m4e5b246a40ca 「先日は、お電話で失礼しました」  開口一番、連絡役の男はそう切り出した。  そう、もう一人の少女、メイシア・モーゲンストルの件に関して、彼は電話で連絡してきたのだ。コトイシ世界のほうは直に手紙が届くか

超時空薄幸児童救済基金・6

#小説 #連載小説 #ゲーム (はじめに)  マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記(Re)が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて) ※だいぶ数が多くな

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超時空薄幸児童救済基金・7

#小説 #連載小説 #ゲーム (はじめに)  マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記(Re)が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて)  だいぶ数が多くなっ

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超時空薄幸児童救済基金・8

#小説 #連載小説 #ゲーム (はじめに)  マガジンの冒頭でも簡潔に説明していますが、奇妙な慈善団体に寄付をし、異世界で暮らす恵まれない少女の後見人となった「私」の日記です。  私信(毎月、少女から届く手紙)と、それを読んだあとの「私」の感想部分が有料となっています。時々、次の手紙が届くまでのインターバルに、「私」が少女への短い返事を送るまでの日記(Re)が書かれることがあります。こちらは、基本的に全文が無料となります。 (バックナンバーについて)  だいぶ数が多くなっ

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超時空薄幸児童救済基金・8のRe

「やあやあ、待っていたよ」  連絡役の男を出迎えながら、私は手鏡についた木屑を払った。ついでに鹿革の眼鏡拭きで鏡面も拭き取っておく。少女の手に戻るときに、汚れていては申し訳ない。 「これ、なにかに包んだ方がいいかい?」 「いえ、結構です。あちらで適したものを用意しますので」  そうくると思った。  私が渡すと、連絡役の男は曇りのない鏡面をチラッと眺めてから「たしかにお預かりします」と言って手鏡を手提げ鞄にしまった。 「言づてはありますか?」 「もちろん。私がとって