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余所様の小説作品を読む際に特に気をつけていること

最近、今まであまり関わってこなかった小説ジャンルに進出しようと思って、この一ヶ月ほど大量にインプットをしてきました。
インプットの目的は、そのジャンルの作品=商品を作れるようになることです。

■インプットは量→やり方はAI育成と同じ

初期のインプットは、とにかく数稽古です。好きでインプットしてこなかったのですから、まずは選ばずに数を浴びなければなりません。そこがスタートラインです。

やはりそのジャンルの雰囲気とか流れとかセンスとか、そのジャンルが好きな人が何を好んでいるのか、というのは、自分も首まで浸からないと分からないだろうし、浸かってもどんだけ分かるかは未知数なわけですよ。それでも、浸からないよりは浸かった方がはるかに分かることが多い。それは間違いのない事実だと思います。

というわけで、一ヶ月で3桁は読んだんじゃなかろうか。結構な数を読んで、傾向やアイテム、キャラクター等の設定の分布をノートに書いて研究していくと、そのうちメモらなくてもだんだん分かってくるのですよね。不思議と。

結局、僕のやってることはAIの教育みたいなもんですね。膨大な量のデータを流し込んで、要素を拾って分類し、キャラクターのアーキタイプを作ったり、物語のテンプレート骨子を集めたり、ジョブや種族、アイテムなどの小物を集め、その使い方を記録したり……。


■物語の根幹は、心を動かすことなので

それでも、やっぱりというか、いくら数稽古をしたところで、そのジャンルが好き、ストライクゾーンな皆様と気持ちをひとつにするのは難しく、僕は僕で、別の部分で心動かされたとこなんかを記録するにとどまるわけであります。

僕が心を強く動かす部分とは、キャラクターの内心が変わるときです。決心したり、強い好意をいだいたり、あるいは憎んだり、といった心の動きそのものに惹かれます。まあ僕だけじゃないとは思うのですが。

あとは、物語に仕込まれた仕掛けが見事だった時。これは技能点とか芸術点にあたる部分かと思います。ミステリでもないから、ギミックを盛り込むのはちょっと面倒だし、キャラだけ追っかけたい人にはジャマな存在なので、あまりお目にかかることは少ないですが、あると大なり小なり心が動きます。

それとは逆に、あかんやろ、と思う要素がしつこく登場する場合は、ああこれがこのジャンルで好まれるアレなんだな、と丸呑みします。そういうもんだ、と感情も動かさずに飲み込むのです。必要なんだからしょうがない。自分は望んでないけど、そばにネギが入っているのは需要があるからだ、と納得するしかない、みたいなやつですね。


■というわけで結び

そっくりそのまま、そのジャンルが好きな人の作ったものは作れないかもしれませんが、劣化コピーなら作れそうな気がしています。劣化とはいっても、それなりに見える勝算はあるんですけどね。がんばります。


既刊です。KindleUnlimited対応書籍です。カンパと思って買ってください。



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