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小さな林業の輪をつなげる仕事さがし

厚真バイオマスCHPの熱利用先を探す旅が始まっている。

年末年始あたりはイチゴハウスの可能性を追いかけていた。ハウスの特徴は、冬季しか熱がいらないということだ。CHPは季節問わず24時間動き続ける。冬イチゴを狙うなら、夏に定植して秋ー春で収穫だが、熱の不要な期間が長い。そうなると、熱は大気放出される期間も長い。イチゴ栽培自体は楽しそうではあるけども。

今は、製材乾燥ができないか、という検討を始めている。昨日は、安平町早来から厚真町に広がる三菱マテリアルの森を見学させていただいた。その後、木の種社という中川さんご夫妻が運営している製材屋さんへ。そこに丹羽林業さんもいて、運材のお手伝いをしていた。そんな1日。

三菱マテリアルの森は、全国に1.4万ha(140km2)以上あるみたい。昨日は、同社の河合さんが説明してくれたのだけど、森づくりへの情熱がものすごい。針葉樹ではカラマツだけでなく、トドマツだけでなく、グイマツとか。初耳や。そして何より広葉樹。種類多すぎて全然わかんないんだけど。ハリギリ(え、ハラキリ?)の素敵さとか、ミズナラは北海道に多いけどコナラは厚真以南はそれなりにあるとか。そういう話が続く。

説明いただいた三菱マテリアルの河合さん

そうこうしていると、森の奥の方から黒くてでかいものがこっちにやってくる。すごい息遣いとともに。

なんだなんだ?

目を凝らすと、う、馬だわ!馬搬といって、馬で木材を道まで引っ張ってくる。西埜馬搬さんはこれまた厚真の人たち。西埜さんちで馬がゆっくりしているのは見たことあるけど、山で働いているのは初めて見た。2頭いたんだけど、「なかなか息が合わないんですよ」と西埜さん。「今日は2馬力だんだけどなあ。」確かにw。とはいえ速い。そして生き物だから疲れる。そのあと、木につながれ、干し草食べながら休憩していた。かわいい。

すごいよ、本当に活躍している!
ブレークブレーク

三菱マテリアルの森で、なぜ馬搬?そう聞くと、「実生の植物が地面にいたり、立木が周りにある。重機を入れると効率いいけど、そうした植物を傷付けたりもする。なので両方をうまくつかっています」という河合さんからの回答。なるほど。

トラクター集材もやっていた。農家が林業もやっちゃうオーストリアの片田舎みたいだ。

こうして、森の川上から川下がつながっていくわけだけど、そこに乾燥というパーツがいないそう。ほう、ではどうしているのか。お日様で乾燥させる天然乾燥、灯油などで熱を供給して乾燥の速度と安定性を確保する人工乾燥の二種類あって、後者は旭川まで持って行っているみたい。乾燥の世界もどうやら奥深くて、この広葉樹乾燥はさらに奥深く、もちろん素人が簡単に、というわけにはいかない。

丹羽林業の運材車がオシャンなんだな

そもそも乾燥にお金を払っていただけるのか。そこも知りたかった。お金を出して製材してもらうことを賃挽きというけど、賃乾燥(ちんかんそう)という言葉に出すと妙なエロワードって、そもそも存在するのかなと。どうやらあるみたいでして、金額感も教えてもらえた。

川上から川下までつながった人の出会い。こういうの大事だ。

"小さな林業"ってワードでは厚真ではよく聞くけど、かなり新しくて清々しい世界観。航空機の機内誌で出てきそう。なんだか物語感のある林業だ。そこに小さな乾燥を加えることができるかもしれない。こういう世界観をつなぐお手伝いができるかもしれない。まだまだ検討が必要なので、たくさんたくさん教えてほしいなと思っています。

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