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HIITとタバタトレーニング:差異や強度、消費カロリーなど

※ブログで書いていた記事の移植版です

社会情勢により自宅からあまり出ない生活をしている人も少なくは無いはずです(多分)。私は基本的に食料及び医薬品等の生活必需品の買い出しと気分転換の散歩、どうしても出向かないと行けない企業案件(移動は徒歩!)以外は外出を控えるようにしています。

この時点で既にお気づきかもしれませんが…結構な引きこもり気質なんですよね…

で、トレーニング類は自室で済ませる派でして、今回はその私が行っているトレーニングの1つ HIIT についての話になります。

最初に断っておくと、自室は1階にあり、階下に音が響く心配が無く激しめのトレーニングが可能という少し特殊な条件があります。

HIIT(High-intensity interval training)

高強度インターバルトレーニング(こうきょうどインターバルトレーニング、英: High-intensity interval training, HIIT, HIT)とは、インターバルトレーニングの拡張形で、不完全回復をはさみながら高強度・短時間の運動(無酸素運動)を繰り返すトレーニング方法である。高強度間欠的運動 (HIIE) や スプリントインターバルトレーニング (SIT) や VO2maxインターバルトレーニング とも呼ばれる。
高強度インターバルトレーニングは心血管運動の一種である。一般的な高強度インターバルトレーニングは合計4〜30分程度である。この短時間の負荷の高いトレーニングは運動能力を向上させ、グルコース代謝を改善し、脂肪を燃焼させる。

高強度インターバルトレーニング(Wikipedia)

テニスのトレーニングではかなり前から取り入れられており、ダッシュを繰り返したり(SIT)、30秒間の振り回しなどのインターバル・トレーニングが『ベイビーステップ』に出てくるので、割と有名かもしれません。

タバタ・トレーニングのHIITはHIIT違い?

上述のHIITは "High Intensity Interval Training" の略称なのですが、タバタ・トレーニングのHIITは "High Intensity Intermittent Training" の略らしいです。

インターバル・トレーニングとインターミッテント・トレーニング(間欠的トレーニング)の違いで…

  • インターバル・トレーニング:高負荷の運動と低〜中負荷の運動を交互に行う

  • インターミッテント・トレーニング:高負荷の運動と完全休息を交互に行う

テニスを例に挙げると、SITはインターバル・トレーニングであり、振り回しはタバタ・トレーニングになります。

どちらも略称がHIITなのがややこしいですね!
(前者がより大きい集合で、タバタ・トレーニングもインターバル・トレーニングの一種ではあるので、いずれにせよHIITと呼べる)

なお、インターバル・トレーニングが高負荷と低〜中負荷を交互にやるのは運動時間が長く、間に完全休息を挟むと高負荷の運動を再開するのが難しいため、ジョギングなど低負荷の運動で身体を動かし続けて行うからだそうです。
タバタ・トレーニングは高負荷の運動が20秒だけであるため、完全休息(10秒)を挟んでも再開ができる云々…

HIITの目的

短時間で体力をつけたい外見を若くしたいストレス解消したい生活習慣病を予防したい

タバタ式トレーニングの最低ラインは1週間に16分。それだけで体は十分に若返りますんで

ダイエット目的にはあまりオススメできません。というより、引用元でも書かれていますが、運動で痩せるのはかなり難しいですし、私が体重を落とせたのも基本的には食事制限によるものです。

メリット・ デメリット

メリット

  • 4分間ですむ

  • 有酸素運動能力と無酸素運動能力の両方に効果がある

  • 運動負荷が同程度の場合、HIITの方がより痩せる

デメリット

  • 4分とは言えかなりきつく、初心者には向かない

  • 体脂肪はある程度落ちるが、ダイエットには向いていない

  • 筋肉を大きくしたい人は筋トレを

メリットはなんと言っても4分で済むことです。
(正確には3分50秒。更に言うと本来のタバタ式トレーニングでは直前に心拍数を上げるための軽い運動が必要だったり…)

60分のエアロビクス相当とか、ランニングの6倍か9倍の効果(実際には0.5〜5倍程度とかなりバラツキがあるようですが…)、ジョギングやランニング等の普通と運動と比べ28.5%多く体脂肪が減ったという研究などがあります。

とりあえず、HIITさえしていれば日々のトレーニング、身体の維持は十分な可能性があります。

ただ…4分とは言えかなりきつい運動です。

20秒の間は最大負荷(速度)を目指して動くため、慣れによって辛さが軽減されることはありません。また、短時間で限界まで体力を追い込むため、トレーニング初心者には向きません
(短時間で体力を使い切るって結構難しいんですよね…)

たまに「毎日HIITをやって頭がスッキリ」なんて話を Twitter 等で見かけますが、私はこれをやると数時間は疲労で動けず、その後に全身の筋肉痛が来るため、1日ずっと憂鬱な気分になります…

毎日HIITやって、気分が良くなれる人はドMなのでは????

ちなみに、肥満の人などで膝への負担が大きい人にはオススメできません。既に述べたように運動で痩せるのは非常に困難ですし、食事制限をした方がよほど効果的です。HIITは特に運動時間が短いためダイエットには向いていません。体重がある程度落ちてから健康目的のために行う運動だと言えます。

HIITは心肺機能向上の側面が強く、単純に筋肥大や筋力アップを目指している人は筋肉トレーニングを別にやった方が良いかも知れません。

運動強度の目安

HIITを行う上で大事なのは「高強度」であることです。

で、この高強度ってどこから?みたいな基準が欲しいわけですが、田畑法の場合、最大酸素摂取量(VO2max)の170%とあまりピンとこない数字になっています。

分かりやすく手っ取り早く強度を決めたい場合は最大心拍数の80~90%を目指す事になります。

最大酸素摂取量と最大心拍数の推定

  • VO2max(推定)=15*(最大心拍数/安静時心拍数)

  • 最大心拍数=208-0.7*年齢 (±10回/分)

VO2max自体は推定が難しくありませんが、その170%ってのはやはりピンときません。

ということで、最大心拍数の80~90%を目指すのが実用的です。上述の最大心拍数を求める式では±10回/分の誤差があるので、可能であれば実測値を測りたいところですが、運動場で全速力で走ったりして計測するため人によってはちょっと難しいかもしれません。運動になれてない人が最大心拍数を目指すと倒れかねませんし…とりあえずは推定値を使うのが無難です。

HIIT中は最大心拍数の80%~90%まで行かないと効果が落ちるわけですが、これがかなりシンドイのですよ…

運動中は Apple Watch や Fitbit 等の活動量計等を利用すると心拍数が確認できるので何かしら持っているとトレーニングが捗ります。用意できないとしても、とにかく20秒間は全力で動く事を意識すれば80%は超えますし、HIITはそこまで心拍数の管理をする必要がないため手軽と言えば手軽です。

※ 運動になれてない人が最大心拍数の90%近くで運動をすると短時間でも嘔吐する可能性があります。

必ずしも高強度である必要はない?

トレーニングとして最大限の効果を狙う場合は全力で行う必要がありますが、健康維持の運動としてやるのであれば6割程度の強度でも効果があるとされています。

毎日やって「頭がスッキリ!」という人たちは、この低負荷版のHIITをやっているのかも知れません。
(毎日やれている時点で高強度ではないと推測できますし、高強度で無いならHIITと呼べない問題は脇に置きます)

6割程度の強度とは

運動強度を以下の式で求めることができます。

運動強度(%)=[(運動時平均心拍数)−(安静時心拍数)] ÷ [(最大心拍数)−(安静時心拍数)]
※カルボーネン法(Karvonen Formula)

運動強度

私の場合、HIITを行うと運動強度は77~85.8%になります。で、一部の人が主張する6割程度の強度ってのが最大値の6割なのか、HIITと比べて6割なのかは不明なので2パターンを計算してみることにします。

運動強度が最大値の6割の場合:

上述の式を変形すると…以下のようになります。

運動時平均心拍数=(安静時心拍数)+(運動強度=60%)*[(最大心拍数)−(安静時心拍数)]

運動強度

これを計算すると、私の場合だと最大心拍数の約72%になるわけですが…70%超えてる時点でかなりハード!

ということで、恐らく6割程度の強度で良いと主張している方は、HIITの6割程度だと言っているのかも知れません。

運動強度がHIITの6割の場合:

運動時平均心拍数=(安静時心拍数)+0.6*(HIITの運動強度)*[(最大心拍数)−(安静時心拍数)]

運動強度

結果:最大心拍数の62~66%相当

最大心拍数の60%はランニング中に軽い会話が出来るくらいの強度です。これは有酸素運動で目標とする心拍数であり、運動初心者がトレーニングでまず目指す強度でもあります。

とりあえず、最大心拍数の60%から様子を見ながら行うと良いかも知れません。

HIITを行う頻度

週16分のHIITで体力がかなり付くようです。1回4分のタバタトレーニングであれば、週4回のペースで行うことになります。うん、シンドイ…

そんな中、色々調べてみたら、田畑法の田畑氏がインタビューで以下のように言っているのを発見しました。

田畑「アウトカムを最大酸素摂取量の増加とすると、中等度の強度の運動(速歩からジョギングなど)は1日20分以上、週3回することが推奨されています。一方、タバタ・トレーニングでは1日4分以内で週2日で最大酸素摂取量が増加します。年齢的には高血圧や心疾患などがない場合、高齢者(田畑62歳)でも可能です。これは、他の運動を始める場合と同じ程度のメディカルチェック(質問紙法)でチェックしてから始めることが大切です。ただし、80歳でタバタ・トレーニングをやって効果が出たというような文献はないので不明です」

あの達成感がたまらない「タバタ・トレーニング」の魅力とは

週2回でも効果があるようなので、私は週2〜3回を目安にしています(゚∀゚)

HIITの消費カロリーを計算する方法

HIITは動いた距離が多くありませんし、運動負荷もまちまちであるため消費カロリーが分かりにくい問題があります。

男性の消費カロリー = [(0.2017 x 年齢) + (0.6309 x 心拍数) – (0.09036 x 体重) – 55.0969] x 時間 / 4.184.女性の消費カロリー = [(0.074 x 年齢) + (0.4472 x 心拍数) – (0.05741 x 体重) – 20.4022] x 時間 / 4.184

HIITは本当にランニングの9倍も脂肪を燃やしてくれるのか?

これ、代入しても上手く値が出なかったので、別のところから公式を引っ張ってきました(゚∀゚)

消化カロリー(kcal)=[(運動時心拍数)−(安静時心拍数)]÷[(208-0.7*年齢) -(安静時心拍数)]*10*時間*体重*1.05

計算した結果、私の場合だと4分間で55kcal前後の消費になります。この値はApple Watchのワークアウトにある高強度インターバルトレーニングで計測される値とほぼ同じになります。まぁ、予想通りではありますが、HIIT自体の消費カロリーは非常に少なく、これでダイエットを行うのは困難だと言わざるを得ません…

あると便利なモノ

タバタ・トレーニングをする際に大事なのは強度と時間管理です。

活動量計

とりあえず心拍数を測れるものであれば何でも良いと思います。

私がApple Watchを使っているのは単にAppleユーザーだからです(゚∀゚)

アプリ

時間管理をするためにアプリを利用しています。

"HIIT TIMER"はタバタ・トレーニングのセットが含まれていますし、非常にシンプルである点などから気に入っています。
※最近は別のアプリを利用しています

運動環境(ヨガマットとか靴とか)

ヨガマットがあると身体へのダメージが少なくなるかと…

それと屋内用の靴があるとより捗ります。私は屋内トレーニングのためだけにKEENってメーカーの靴を買いました(゚∀゚)

まとめ

  • HIITを効果的に行う場合、最大心拍数の80~90%を目指す。

  • HIITは4分間だけならきつくても耐えられるマインドの持ち主向けの運動。

  • 初心者や健康維持が目的の場合、最大心拍数の60~70%を目安に行うと良い。

高強度インターバルトレーニングの名前の通り、高強度、つまり全力で行い短時間で体力を使い切るのが大事です。あまりにもシンドいので、ペースを週2〜3回程度に落として他の日はステッパーを使った有酸素運動にしたくらいです…(゚∀゚)

なお、今回の投稿を書いている途中で気がついたのですが…体重を管理していた表計算ソフトに入力ミスがあり、どうも毎回 HIIT を運動強度94%(最大心拍数の95%以上)で毎回やっていたようです…そりゃキツイわ…

こんなアホみたいなハードトレーニングをする必要はありませんし、心と身体の健康のためにやる方、トレーニング初心者の方は最大心拍数の60%を目安に行うと良いかも知れません。慣れてきたら徐々に上げていく方針で。

それでは目的に合わせた快適なトレーニングライフをお過ごしくださいm(_ _)m


頂いたサポートは主にカフェイン(コーヒー)とプロテイン代になります