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ラーメン醤油タレ、塩タレの組み立て方

タレ30ml、スープ300mlの場合
最初はこれに従って作ってみて、
慣れた後は、書いてある%などを無視して自由な発想で作りましょう。
最終的なレシピ段階に仕上げるときは、mlからgに比重に注意しながら
変換して、作ることをお勧めします。

醤油タレの場合
-How to build up Shoyu tare recipe-

メインの醤油  ____ ml 
補助の味1   ____ ml *メインの半量ぐらいを補助の総量
補助の味2   ____ ml
補助の味3   ____ ml
甘味      ____ ml 
   メインとサブの総量の5-10% スープにより
フック味    ____ ml
   メインとサブの総量の1-3%
酸味      ____ ml
   メインとサブの総量の0-3%
塩       ___ g
   塩味のない液体の大体17-19%分の塩
 
化学調味料  ___ g  無しの場合は補助に濃い出汁などで補強
*一杯あたり清湯0.5~1g, 白湯2g
________________________  
 
乾燥食材     ___ g   以上の総量の0-10% 程度
        ___ g                     
        ___g
 

 
各項目の説明
メインの味
醤油は火入れして出荷している醤油が主流ですが、さらに再度火入れするかしないかで味が違います。非加熱の醤油はもちろん香り、キレともに違います。どこの蔵の醤油をメインの味にするか選びましょう。
蔵によって火入れの温度が違いますが、60‐65℃程度が平均的です。聞くともしかすると教えてもらえるかもしれません。なるべく香りを飛ばしたくないという方はゆっくり62℃ぐらいまでガスコンロで火入れするのがおすすめです。
白湯に使う醤油ダレの場合は、キレを出すより、丸みがあったほうが合うので、醤油タレを沸騰直前まで火入れしたりします。

醤油にはそれぞれ特徴があり、素材を生かすものであったり、醤油の香りが強いものがあったりします。種類も濃口、薄口(淡口)、再仕込み、溜まり、白醤油があり、本醸造のもの、混合醤油のもの、材料も丸大豆のもの、脱脂大豆のものとあり、蔵により菌も違うので味も違います。FPRタンクで作るか、木樽で作るかでも香り変わってきます。自分の好きな味を選んでみてください。通常メインは、濃口や淡口が主流です。
 
補助の味
メインの醤油の大体半分量が補助の味の総量です。
醤油ダレの場合、メインのしょうゆと副のしょうゆをブレンドして、最終的なしょうゆの色を決定します。補助が全ての材料がしょうゆだけだと、でき上がるラーメンの色が濃くなりすぎます。なので、補助の味にに濃い出汁や、酒、ワインなど他の材料を混ぜて色を調整してください。複数の種類のしょうゆを重ねることで、しょうゆの味の幅が広がり人間脳のは深みとして認識します。可能であれば、いくつかの種類を混ぜることをお勧めします。再仕込みや溜まり醤油で旨味を足したり、薄口しょうゆで塩分足したりとコントロールできます。
 
甘味
各種の甘味の特徴を学び、好みの味覚に合わせてください。甘味料にはみりん、みりん風調味料、白砂糖、黒砂糖、果糖、ハチミツ、アガベシロップ、天然甘味料、人工甘味料等々があります。甘さの好みは地域によって異なりますが、標準はメインとサブの総量の5〜10%の間です。どの甘味料を使うかでも甘さは変わってきますが、ミリンや砂糖が一般的です。これはスープの甘さのバランスとも関係するので、最終的な味を見ながら再度甘さを調整してください。
 
フック味
魚醤、蟹醤、イカ魚醤、鶏醤、牛醤、または濃縮発酵液など、独特な香りがする発酵調味料を加えて独自の味を出してください。魚醤の場合は複数の会社の魚醤をブレンドすると風味が深まります。何か入っているけど、なんだろう?ぐらいの量です。
 
酸味、酢
最終的なpHレベルを調整し、必要に応じてわずかに酸性にするためと、香りや旨味を加える目的で使用します。フルーツビネガー、穀物酢、米酢、バルサミコ酢などさまざまな種類の酢があります。目的に合ったお酢を使用してください。人が美味しいと感じるPHは弱酸性から少しの酸性です。ラーメンは、スープとタレ、そこに強アルカリ性のかん水で作った麺を入れます。そしてかん水は茹で水に溶けだすのですが、スープにも多少なりとも溶け出します。その際に全体のpHがアルカリ性によると、ぼんやりとした味に感じてしまいます。そのためにここで酸を入れて、味の輪郭をはっきりさせ、少し調整しようということです。タレもスープも弱酸性なのでもちろん、必要なければ加えなくとも大丈夫です。酢でなくとも、柑橘などの果物の酸味を利用する方法もあります。
 

上記の材料で塩味を含んでいないもの総量より、17-19%の醤油の塩分量より少し高いくらいの塩を加えてください。例えば、補助に酒を50ml、甘味に20mlの本みりんを使用し、そのほかは醤油、魚醤などの場合、(50+20)×17%=11.9gといった感じです。そして、最終的に合わせた後に再度塩分を調整します。醤油ラーメンの場合1.6%~1.8%が最終的な塩分濃度として一般的です。醤油は塩分が高いのに他の甘みや旨味があるため実際の塩水よりしょっぱく感じません。そのため、ラーメンの中でも一番塩分量は高くなります。

塩の種類はたくさんあります。ミネラルを含んだ塩を溶かすとややアルカリ性に傾きます。これらも考慮して酢などで調整してください。ミネラルも種類があります。主にカルシウムやマグネシウム、カリウムなどあり、それらの比率や量で感じ方も変わってきます(最終項に例を記載)。バランスをとるために数種類の違うミネラルバランスのものを混ぜるといいかもしれません。
タレは数日置くと、塩分はもちろん変わりませんが、塩味を低く感じるようになります。塩を混ぜた当日は塩味を強く感じます。これは、まだ溶けきっていない見えない程度の塩の結晶が舌に当たるためではないかと思います。スパイスにおいてブレンド効果と呼ばれますが、これと同じ考えです。緊急で塩カドを消したいときは、ニガリ(ミネラル分)を少量加えると丸みが出ます。しかしその際は最終的なキレなどPHも考えてください。
 
化学調味料MSG
通常MSGは会社により味が異なります。会社によって、グルタミン酸の量や比率、他のうまみ成分も含み旨味の相乗効果を起こすものなど様々です。なので使用の量には注意してください。より強い味を求める場合は、提供前に直接、丼の中にMSGを加えてください。溶け切っていないMSGが舌にあたり、より強く化学調味料の旨味を感じるようになります。タレにMSGを混ぜると溶け、感じ方が少し弱くなります。(スパイス効果)
化学調味料の使用量はいろいろと問題なりますが、化学調味料を入れると塩分をさらに高めに設定しないと感覚としての塩分は十分に感じません。そのためさらに塩をさらに追加してしまいます。食べた後水たくさん飲みたくなるラーメンがありますが、このためだと思います。元々ラーメンは塩分量が高い料理なので、その過剰塩分が不健康にもつながると思っています。しかし、これも作り手次第です。どの塩を選ぶか、どう作るかによって健康的なラーメンも作ることは可能です。通常の精製塩を摂取すると6割程度体に塩分が残るようですが、ミネラル分が多い塩の場合(例えばぬちまーす)、より塩分を体外に出すことが可能です。
 
乾燥食材
昆布、椎茸、干物、野菜などのさまざまな乾燥した材料で旨味を強化するものを加えます。基本的に醤油だけで構成するタレの補強のために入れるケースが多いです。しかし、乾燥食材が水分を吸収してしまい、歩留まりが悪くなります。また素材により旨味の抽出温度は材料によって異なるため、適切な温度で事前に濃い出汁を取り、補助の味として加えると最終的にできる量がコントロールしやすくなります。安価なタレの場合、出汁の素などを加えてもOKです。
 

しょうゆタレの作り方の手順:

1.      好きな醤油をメインに選び補助の醤油や材料を決め、最初はだいたい各パーセントに従い材料を選んで量を決めていきます。
2.      メインの醤油と補助の材料とスープを入れて最終的な味としょうゆの色を決定します。
3.      さらに麺を加え、タレの塩分を味見したり数値を測って調整します。
4.      次にスープとのバランスを見ながら甘みの量を味見して調整します
  - 甘みの量や甘味の種類を変更したり、ブレンドします。
5.      同時に旨味の量を味見して調整します
  - 乾燥成分と出汁の割合、MSGの量を調整します。
  乾燥成分の量を変更する場合は、再び塩分を確認してください。
6.      最後にキレなど、pHを味見して調整します
  - 酢の量を変更したり、ブレンドします。
7.      最後に塩味を再び確認します。
8.      その他野菜などで香り、辛さや苦味を加えても大丈夫です
 

塩タレの場合
-How to build up Shio tare recipe-


塩タレとと醤油ダレ(醤油ベースのたれ)は基本的なレシピが似ています。ただし、メインの材料が異なります。大きく分け4つあります。
 
出汁ベース
7-10%の濃度の強いだし(スープ)がよく使用されます。昆布、椎茸、干し小魚、干しエビ、または干しホタテなどの材料を組み合わせて独自のだしを作ることができます。スープ自体をタレに使用すると、タレとスープの一体感が向上します。
 
アルコールベース
料理酒、白ワイン、紹興酒、ビールなどの発酵アルコールの旨味を活かします。豊かな旨味を持つ発酵アルコールを使用するのがベストです。一部のカクテルや他の種類のアルコールも苦味や香り、深みを得るために使用できます。ただし、コストが高くなる可能性があるのが欠点です。価格とスープや他の材料とのバランスを取る必要があります。
 
白いしょうゆ
“白しょうゆラーメン"の場合もあるように、多くの塩タレに発酵製品として白いしょうゆが使われます。メインとなっても色が透明なため、塩たれであり、醤油だれです。
 
その他の液体ベースのシオダレ
ジュースを含む他の液体ベースもあります。例えば、トマトジュースを主としたトマト塩タレなどがあります。
 

補助の味

塩タレの多くの場合、補助として白醤油や淡口醤油などが使われることが多いです。旨味を出汁や発酵食品で旨味を補います。


精製塩
一般的な塩で、生の塩を化学的に処理して不純物を取り除いたものです。通常は純白で均一な粒子を持っています。料理や食品保存に広く使用されています。
岩塩
ハライトとも呼ばれ、地下の岩塩鉱床から収穫される天然の塩です。一般的には灰色がかった白色で、粗い質感を持っています。ミルに使用して粉状にしたり、手作りの塩ブレンドに使用されることがあります。
海塩
海水を蒸発させ、塩結晶を残す方法で生産されます。蒸発のさせ方、作り方は様々あり、通常は食卓塩よりも精製度が低く、海の天然のミネラルや風味を一部保持しています。採取地によっては白からピンク、灰色まで様々な色があります。
湖塩
塩分の濃い湖や塩水の蒸発によって得られます。通常は食卓塩よりも精製度が低く、海塩よりも穏やかな風味があります。
 
 
ミネラル: 塩に含まれるミネラルの機能
マグネシウム(Mg2+)
苦みを抑え、塩の味をやや柔らかくし、口当たりを向上させます。
 
カリウム(K+)
カリウムイオンは食品中の酸性化合物と反応して水素イオンを放出し、それにより酸度が増加します。そのため、高いカリウム含有量の塩を使用すると、時折酸味の感知を向上させることがあります。
 
カルシウム(Ca2+)
甘さを引き立て、料理において野菜や他の食材の風味を際立たせるためによく使用されます。
 
ただし、これらの影響は単独で発生するわけではありません。食材の組み合わせや調理法など、さまざまな要因が全体の味に影響を与えることがあるので、参考までに。

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