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ライフキャリア - 親の引っ越し -



大晦日にだけ感じる特別な解放感が好きだ。何となくこの日だけは “どんな自分も許される感” を感じる。午後から葉加瀬太郎さんの武道館コンサート『THE SHOW TIME』(楽しかった!これバブル世代にとってもオススメ!)なんぞに行ってしまったこともあり、結局1年掛けても綺麗になることのなかったクローゼットや小さな仕事机・・まぁそれも仕方なし・・年明けに新たな気持ちでゆっくり整理しよ~!くらいのノリでダメダメな自分を許しつつ夜は更けていく。
双子娘も18歳になり過ごし方も思い思い。1号は初めて友人と年越しすると言って外出し、妻と2号の3人で見るともなしに紅白からゆく年くる年を流し見し、寝るともなしに気づいたら寝ておきる・・そんな緩い年越し。
普段京都で過ごすことが多いのだが、今回は妻も私も親が少し元気のない状態だったので久し振りに自宅で迎えた新年。
午後の穏やかな陽気の中近くの氏神様に初詣をしていたところ、隣り合わせた品の良いおばさまから能登半島の震災を知らされ、その後の羽田空港の事故と重々しいニュースでスタートした2024年。本当にいつ誰に何が起こるのか分からないのだ。

2023年も私にとってはこれまでになく介護と向き合った年だった。
2月に父が入院し認知症が判明、腰の曲がった母との二人暮らしは困難と感じることが多くなり、いよいよ介護付き老人ホームを真剣に探すことに。一番近くでサポートしてきた私は夏頃からいくつかのホームの下見をし始めた。初めて見学を申し込んだのは武蔵小杉の某ホーム。日当たりが良くないからか、照明を暗めにした古い病院のような雰囲気で正直「えっ・・こんなところで暮らすの・・💦」と思ったのを覚えている。

まずは一括サイトで資料請求し、親や私にとって馴染みのある街、私の自宅近く、私と姉の家の中間地点などいくつかのエリアで複数のブランドを見比べてみたがやはりパンフレットと実物の印象はかなり違うので、多少時間を掛けてでも実際に見に行くしかない。そして「これならアリ!?」と思える物件には本人達も連れて行く、なんてことを2か月くらいやっただろうか。ここかなぁでももうひとつかなぁ・・と決めかねていたところ、あるブランドの営業マンから9月末までのキャンペーンについて説明を受けた。コロナ禍以降空室が多くなった物件の幾つかで入居一時金を半額にしているという。それが我が家からほど近くしかも築浅でなかなか美しい佇まいのホームも対象になっているということで早速本人も含めたランチ付きの見学を申し込んだ。内装もこれまでの中で最も瀟洒で、肝心の食事もレパートリー多く味も一番。食に端を発した今のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)への不満もこれなら大きく改善され、落ち着いた日々が想像出来そうだ。本人達も勿論だし、一緒に見に行ってくれた妻もここなら良いと賛成してくれた。半額と言っても元がそこそこデカいからそれなりの一時金を用意することになるが、ここなら出そうと思え、そうと決まれば9月末までに申し込みと振込をしてしまわなければならない。母も昨今の銀行の不便さに憤りを見せつつ、営業マンと連携し何とか手続きを完了、そして実際の入居は10月末とした。

営業マンはやっぱり営業・・

一月弱で引っ越し準備を完了させる必要がある。しかも今回は私が多くのことをしなければならない。今のサ高住への引っ越しはほぼノータッチだったのだが今回は引越から廃棄や買取業者まで全て手配や合い見積もりをしたし、本人達ではほぼ進捗が見られない荷造りも私や姉兄が行った。親といえども他人の引っ越しを自分のようにやるのは結構しんどいものだった。もうやりたくないなぁ。。(^^;)

荷造りって大変・・

ホームとの契約から引っ越し=入居までの間に一度ケアマネージャーが本人達のヒアリングに来たのだが、これには驚いた。
1時間程度の現状ヒアリングと聞いていたが、これが父母の幼少期から今現在に至るまでを事細かく聴いてくれたのだ。ケアプランを立てるためというが、まさかこんなに丁寧に入居者の「人となり」に関心を持ってくれるのか、介護付き付き老人ホームってこんなに人を大切にしてくれるの?!と思いこれからの生活に凄く期待が持てたのだ。そして殺し文句(?)は「入居される方にいかに穏やかにゆったりと生活して頂けるか、私たちはそれだけを考えています」的な発言で、これには母もいたく感激していた。

ところが~!

これが後に波紋を呼ぶのである・・それはまた次の機会に。。
これからホームを探す方がいたら是非薦めたいのは短期の体験入居だ。

人生の終わりはどんなところに住みたい?

引っ越し当日は兄と手分けをして何とか無事に親の新たな生活をスタートさせることが出来た。
この数カ月何度親の元に通っただろう。暑くなった時期にホームを探し始め、2023年の夏は引っ越しに纏わる思い出が全てと言っても過言ではない?
我々の選択が間違いでなく、両親の終の棲家が穏やかで温かい居心地の良い場所になりますように。。


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