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ジャバラのまど Vol.21 ジェームズ・スチュワートとアコーディオン

映画スターやミュージシャンなど、ひと昔前のセレブレティのポートレートを見ていると、意外とアコーディオンを持っているものが少なくないことに気づきます。マレーネ・ディートリッヒやグレース・ケリー、エルビス・プレスリーにジョン・レノン、はては、芸能人ではありませんがココ・シャネルまで。それぞれに、アコーディオンと共に思い思いのポーズで映っています。当人たちが弾けるのか弾けないのかは不明なれど、抱えて写ればなんとなく絵になる…アコーディオンにフォトジェニックな魅力があるということのひとつの証しですね。
そんな中にジェームズ・スチュワートがいるのを発見。意外だったのでちょっと驚きました。
私は、クリスマスの定番映画と言われる「素晴らしき哉、人生!」でその名を知ったのですが、「知りすぎていた男」や「めまい」「裏窓」など一連のヒッチコック作品の方でおなじみという人も多いでしょう。

長身で端正な往年の二枚目俳優。基本的に善人を演じることが多く、私生活もスキャンダルとは無縁で、「アメリカの良心」という異名もあるそうな。
そんな彼ですが、実はなかなかのアコーディオン好きだったらしいんですね。とはいえ、本人の演奏シーンを見られる映画はそれほど多くなく、代表的なのは1957年の「夜の道」。流しのアコーディオンで生計を立てる元鉄道員という役どころで、ダンス伴奏や弾き語りを披露しています。
ちなみにここで使われるアコーディオン、鍵盤式ではあるのですがちょっと変わっていて、ロシアのトルコ寄りの地域で使われているガルモンに似ているんですよね。鍵盤部分が小さめで、左手ボタンの並び方が直線的、など。マニアックな目線で見るとちょっと不思議なシーンではあります。(そもそも列車強盗がいるような時代のアメリカに、鍵盤式のアコーディオンや流しのアコーディオン弾きが存在したのかな?まあ、映画なので野暮なことは言いっこなし!?)

吹替なのでは・・・?という疑いもありますが、1962年の「西部開拓史」ではデビー・レイノルズがアコーディオンを弾きながら「グリーンスリーブス」を歌うシーンの演奏指導もしていますので、実際に弾ける人だったみたいです。(ちなみにこちらは、白いボディの可愛らしい小さなボタンアコ。)

さて、当のジェームズ・スチュワートのポートレートは、写真の使用料が高いためここ(注:掲載時の機関紙の誌面のこと)に載せることはできなかったのですが、「James Stewart accordion」でネット検索するといろいろと見ることができます。191cmの長身で、蛇腹をゆったりと広げた姿は素敵ですよ。

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