大豆やイソフラボンはテストステロンに影響は与えない可能性が高いというメタ分析

今回紹介する論文では大豆食品(豆腐、納豆、ソイプロテインなど)やイソフラボンなどのサプリメントは、男性のテストステロン値に明確な影響を与えないという結論に達しています。1日のイソフラボンの摂取量が75mg未満の場合と、1日75mg以上のイソフラボンを摂取した場合を比べても、目立った有意差は認められませんでした。

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この論文では査読済みの臨床試験41件(うち3件は除外された)をメタ分析しています。

41件の研究のうち、20件は対照試験、8件はクロスオーバー、15件はシングルアーム試験またはパラレルアーム試験を利用したものでした。

このメタ分析では「イソフラボンを1日100mgより多く摂取した場合」の実験も扱っており、この場合は、総テストステロンが5%減少し、遊離テストステロンが約6%減少したと報告したケースもあります。ただし、これらの研究は対照群を用いていないのでデータの精度は低く、さらに総テストステロンには影響がなかったと報告しています。

さて、この論文の結果は、大豆やイソフラボンの摂取は、男性の総テストステロン濃度に影響を与えないとしています。
今回の解析では、41の研究と1753人の男性が含まれていることを考慮すると、「さらなる研究によってこの結論が変わることはないだろう」と研究者らは評しています。
テストステロンに効果がないことは、試験期間とイソフラボン用量 に応じてデータをサブ解析した際も同様でした。

摂取量に関しては、日本人の高齢男性の平均イソフラボン摂取量は、一日当たり約30〜50mgです。
豆腐100gにつきイソフラボンは25mg含まれていることを踏まえるとまあ確かに日本人はそのくらいのイソフラボンを摂取しているなあ…とも思います。
まあ普通に大豆食品を摂取しているくらいなら十分安全でしょう。

前述したように「イソフラボンを1日100mgより多く摂取した場合」の実験では、総テストステロンが5%減少し、遊離テストステロンが約6%減少したという結果が出ていますが、正確な閾値はまだわかっていないです。
いずれにせよ普通に大豆食品を摂取する分にはデメリットよりもメリットの方が多いですし、大量の大豆食品を摂取しない限りは問題はないでしょう。

まとめると、過度に大豆食品を避ける必要はないですが、食べ過ぎには気をつけてください…というあまり面白くない結論に辿り着きます。
納豆大好きマンな筆者としては安心して大豆食品を摂取できるだけでも十分ですけどね。

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