四苦八苦と社会福祉士
俗に、四苦八苦といいますが…。
49歳から89歳は、苦しみの連続です。
苦しみとは、思い通りにいかないことです。当初は親のことで、やがては自分のことで。90歳を過ぎたらようやく苦しみから解放されます。
そう。その歳になったら、もう実質的に現世の人ではなくなるからです。逝ってしまうということではなく、精神状態が浮世離れするからです。
人生100年時代。それは老親リスクの時代です。このリスクは回避することができません。親を持つすべての人にやってきます。だからそなえるべきなのです。
仕事なら当然そうするはずです。でも老親リスクは、ほったらかしです。社会福祉士である私からすると、ちょっと信じられません。
だって大変な目に遭うのは、子どものほうなのですよ。不便や不利益で人生を損なうことになるのは、子どものほうなのですよ。なのにどうして先送りするのでしょう。見て見ぬフリをするのでしょう。
その答えはこうです。
面倒くさい...。
多くの子どもたちがこう言います。「親は面倒くさい」と。
親が歳をとればとるほどに、面倒くささのレベルが上がっていきます。なぜかというと、人は歳を重ねるほどに面倒くさくなるものだから。
頑固になって人の言うことを聴かなくなる。
自分のまちがいを認めなくなる。
本能だけが残って社会性がなくなる。
そういうものです。
そして、親が老い先にそなえないまま、ある日突然まさかが起きる。その結果、子どもであるあなたが大変な目に遭うわけです。
老親が扱いづらくなる理由はこうです。
老いるとは喪失のプロセスです。加齢とともにいろいろなものをなくしていきます。仕事、社会的地位、おカネ、友人、配偶者、若さと気力と健康...。
それはとてもつらいことです。とても哀しく切ないことです。でも、わかっていてもどうすることもできません。
だからもどかしいのです。腹が立つのです。そして、我が強くなるのです。
でも歳をとっても残るものがあります。最後のさいごまで残るもの。それが自尊心です。
自分は正しい。
自分は他の人とはちがう。
自分は(いざとなったら)まだまだやれる。
人は自分が大切なものを侵されると不愉快です。あなたの親も、あなたがそうしたら怒るはずです。
自尊心は地雷です。土足で踏み込んではなりません。地雷を踏まないように注意しながら匍匐(ほふく)前進するのは、とっても面倒なことです。だから進んではやりたくありません。
そう。
老親というのは、積極的には関わりたくない存在なのです。だから放っておくのです。
日々の忙しさにかまけながら、潜在的に思っています。このまま何も起きなければいいいなぁ~と。
で、いよいよその時はやってきます。これはもう、100%やってきます。
まさかは突然やってくるといいます。でも、それ以上に再認識すべきは、この老親問題という『まさか』は必ずやってくるということです。しかも、親のまさかは子の『まさか』だということです。
半世紀前。当時の親世代の夢は孫の顔を見ることでした。つまり、それが叶わないから夢見たというわけです。
でも今はどうでしょう。曽孫が生まれてもまだ健在。そんなケースも珍しくはない世の中です。
長生きはいいけれど、最後に介護を要することが殆どです。高確率で認知症も患うことになります。認知症のみならず、感染症リスクもあります。
親がそなえていなければ、子どもたちの精神的・作業的・経済的負担が大きくなります。
子どもたちの人生を損いたくないと思うなら、親は老い先にそなえるべきです。行動しない親に対しては、子どもの側から働きかける必要があります。そうしないと困るのは子ども側なのですからね。
現実には、98%の親がそなえていません。先送りしていたり、本来的な意味でそなえになっていなかったり。理屈ではわかるけど、具体的に何をどうすればいいのかがわからない人がほとんどです。
そんな人たちのために、社会福祉士は活動しています。 使える社会福祉士は、介護や医療まわりの問題解決だけでなく、老い先のリスクヘッジにおいても活躍しています。認知症予防、財産管理&財産承継、親子関係の修復、等々…。
つまり社会福祉士という国家資格は、多くの人の四苦八苦を解決し、暮らしの安定と充足を応援するワンストップ相談カウンターです。しかも必ず法律や医療や税務等々、各界のプロとのネットワークをもっていますから、ただ相談に乗って思いついたことを回答する『聞くだけ番長、言うだけ番長』ではなく、現実的なベストソリューションを用意することができます。
とっても使い勝手のいい、知らなきゃ損する社会資源なのです。
このことを知っておけば、親がかけがえのない子や孫たちに不便や不利益をかけないで済むように、銀行やら弁護士やら葬儀屋やらに高い報酬を支払うことなく、親子間の信頼関係をベースにした、親子ともどもハッピーになれる老い支度を円滑に実現できます。それは言わば、最後のさいごまで自分の人生の主役であり続けるための、永遠の親子愛で紡ぐ魔法の終活です。
これを縁あって出会ったみなさんにお届けしながら、親の目が黒いうちからそなえ、子どもたちにバトンタッチする新しい老後観を広めていく…。それが社会福祉士本来の使命です。
そなえていなかった親のために、老親問題を抱えて大変な思いをしている現役世代の人たちに、厚労省や有識者と称される人たちがすすめてくるのは、ふしぎなことに、介護休業制度であり、パソナグループ等の家事代行サービスです。これらを活用しながら、仕事と介護の両立を支援すると言うのです。チャンチャラおかしな話です。
ハッキリ言っておきましょう。
仕事と介護は、両立などできっこありません。不可能です。唯一の例外は、『仕事と家庭に支障が出てもいいのであれば』という条件つきです。この真実をしっかりと伝えないでいるから、毎年毎年、10万人超の介護離職者が止まりません。
仕事と家庭と介護の三重苦で疲弊しているビジネスケアラーの人たちには、介護休業や家事代行をオファーするのでなく、(同じく厚労省管轄の)社会福祉士という社会資源へのコンタクトをガイドすべきです。
そうすれば、速攻でビジネスケアラーを卒業させてあげられます。
体制批判になりかねないのでマスメディアは決して報道しないこの真実を、もしも読者のみなさんのまわりにビジネスケアラーを見つけたら、是非おしえてあげてください。
社会福祉士こそが、『現役世代の老親問題』と『シニアの生涯主役人生』をフルサポートできる唯一無二のベストパートナーであると、私は本気でそう認識しながら活動しています…。
いやぁ、いつになく熱くまってしまったかな…。ま、たまには、いいでしょ…。
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