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『公園が主役のまちづくり』を読んで

本書を読み終えて、まず感じたのは、行政にも、民間にも、最近の公園(公共空間)の利活用が気になっている方にも刺さる内容だと思った。

パブリックスペースの「質」を可視化する方法として、Contingent Valuation Method(仮想的市場評価法)が紹介されていた。p.19~

例示されていたのは、1杯のコーヒーの価格の決め方。
同じコーヒーでもシチュエーションに応じていくらまで支払えるか。言われればなんてことない手法だけれど、確かに!と共感してしまう。

事業化実現のステップ(5段階)p.35~
1.準備、2.事業発案、3.事業化検討、4.民間事業者選定、5.事業化を、4年以上かけて丁寧に行うことが書かれていた。

現況分析結果まとめ(イメージ)p.49~
マーケティング分析やジャーニーマップの作成について、既存の公園を例示して紹介。公園管理者も1公園1シート作成したいMAPなのと、すべて行政じゃなくても市民と一緒に作成していけるとより、MAPを作る過程も含めて、公園の使い方のイメージが具体的に湧いてきそうだ。

関係者ヒアリングのサンプル数の考え方p.60~
これも有効数の目標値についても、理由が書かれていて、行政担当者もとりあえずやってみたで終わらせないために、心得ておきたい。

行政と民間の役割分担、公民役割分担表p.67~
「受益者負担の原則」に立ち返り、事業手法ごとの行政と民間の負担内容を一覧表で整理し、互いに確認して取り組むことの重要性を再確認できた

やってはいけないサウンディングの一例p.76~
そして「行政側の心構え8箇条」・・・これは心に刺さります。
公民連携事業に取り組むうえで、行政が前のめりで動きすぎてもいけないが、”民間の柔軟な発想”と言いながら、自分の頭で考えず、民間のアイディア待ちの行政職員も少なくない。

そして、本書では、丁寧に「民間がほしい情報(例)」まで紹介している配慮がすごい。

公園に限らず、公民連携によるまちづくりで公共空間の使い方から再整備を検討する機会が増えている昨今の状況だからこそ、読んでほしい本。
ぜひ、おすすめです。


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