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イーロン・マスク他、現在までの署名31,810名 AI開発半年停止を求める「Pause Giant AI Experiments: An Open Letter」を読んでみた

話題になってる「Future of Life Institute (生命の未来研究所)」に掲載されているオープンレター、「Pause Giant AI Experiments: An Open Letter」を読んでみた。

私が確認した時点で、署名は既に1,123 1,186 1,200 1,313 1,328 1,344 1,377 1,700 1,765 2,263 2,435 2,487 2,660 2,971 3,124 12,683 15,533 18,979 22,196 27,084 27,573 27,567 27,565 31,810名。
(※4月3日確認時に、既に5万人以上の署名が集まっているとの記述を発見。4月20日確認時に、既に3万人以上の署名が…に総数が減っている記述を発見。(謎)オンライン署名者をそのまま追加するのではなく、きちんと審査しているらしく、公開人数は数十、数百単位でしか増えていない模様。)

署名リストの中に日本人の方は含まれているのだろうかと、Japanをキーワードに検索したら、早稲田大学で「バイオ・ロボティクス&ヒューマン・メカトロニクス」を研究していらっしゃるという松丸教授のお名前があった。(※追記…4月1日確認(Japanをキーワードに検索)時に、日本人の方ではないけれど、日本の国立歴史民俗博物館 研究部の特任助教をされているというアルト助教授のお名前もあった。4月6日確認時には、埼玉医科大学の松田准教授のお名前も。4月9日確認時には、グローバルBiz専門職大学の渋谷教授のお名前も。また、一般の学生の方や、国名や肩書等の情報が全くない方々のお名前も増えてきました。)

AI、特にAGIの開発は、このまま無法地帯に突入してしまうのかと半ば諦めていたけれど、危機感を持って、きちんと行動を起こそうとしている専門家の方々がいらっしゃったことにホッとした。

署名リストには、イーロン・マスクさんやスティーブ・ウォズニアックさん、ユヴァル・ノア・ハラリさんといった方々の名前も含まれているので、このオープンレターをきっかけに、きちんとした議論が行われることを期待したい。

Powerful AI systems should be developed only once we are confident that their effects will be positive and their risks will be manageable.

Future of Life Institute

特に、いろいろな整備がなされていない状況で、AIに関する知識のないユーザーへの拡散が一気に進んで、世界で一斉にChatGPTが使われ始めてしまって、同様のサービス提供へ向けての各社の競争が始まって、いよいよ収拾がつかなくなってしまっていたので、その影響を確認して、管理体制を整える時間を持つことができるなら、そうすべきだと私も強く思う。

we call on all AI labs to immediately pause for at least 6 months the training of AI systems more powerful than GPT-4.

Future of Life Institute

ただ、気がかりなのは、今すぐから少なくとも半年間停止と決めたとしても、中心となる開発者・開発企業の合意が得られたとしても、必要に応じて政府が介入することになったとしても、本当にその停止協定が守られるかどうかは疑問だということだ。

ちょうど、今日、IT分野での勝ち組企業に蔓延するルールを守らない風潮について書いたけれど、ユーザーも気づかないレベルでAIをアプリやサービスに組み込むことは、既に可能なのだから、表面上は停止したように見せて、密かにユーザー実験を続ける企業があっても不思議ではない。

最後は、AIの開発やサービス提供にかかわる「人」のモラルに訴えるしかないのだろうけれど、AIだけでなく、少数とはいえ、人の中にもモラルや共感性を全く持たない人は存在するので、決定権を持つ立場にある人たちが、モラルや共感性を持っている人であることをひたすら願うばかりだ。

海外でモラルや共感性を持たない人に遭遇するたびに思うことがある。日本の小学校の道徳教育を、全世界に広めた方がいいかも知れないと。AIにも、日本の小学校の道徳教育のデータを読み込ませれば、たとえ、モラルや共感性はないとしても、統計的にモラルや共感性らしきデータを盛り込んだレスポンスを返してくれるかも知れない。


※この件について報道している英語のニュースをいくつかピックアップしてみました。興味を持った記事があれば、読んでみて下さい。


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