JG(じぇい じー)

駆け出しの物書きです。印刷物やウェブの記事制作、コピーライティング、リライトなど手掛け…

JG(じぇい じー)

駆け出しの物書きです。印刷物やウェブの記事制作、コピーライティング、リライトなど手掛けています。マニュアル作成も可能。宇宙や天体、サイエンス関連に興味があります。当面は宇宙関連の話題を中心に、投稿していきたいと思っています。よろしくお願いいたします!

最近の記事

宇宙開発がもたらす、ささやかな希望

 先日、ヴァージン・オービット社の打ち上げ失敗&事業停止の記事を投稿しましたが、スペースX社の打ち上げ失敗に続き、iSpaseの月面着陸失敗、セレスティス/銀河ステージの宇宙葬も失敗、とこうも続くとは思いませんでした。私は宇宙開発の関係者ではありませんが、それでも少々、動揺しています。  宇宙開発に失敗はつきものですが、こういう「連鎖」が、ようやく見えてきた月面有人探査という大プロジェクトをまた無限に後退させてしまわないかと、若干不安にもなります。  そんなわけで、この悪い

    • 空中発射式宇宙葬ビジネスの破綻

       昨年のほぼ今頃に、「次の宇宙葬を予想する」という記事を書きました。そこでは、宇宙葬の2つの大きな障害である「ロケットでの打ち上げしか宇宙には届かない」「しかし、ロケットの打ち上げは天候などの影響を受けやすい」を解決するあらたな宇宙葬として「空中発射式宇宙葬」について書きました。  飛行機にロケットを搭載し空中から発射するという方式は、発射場所を選べるという点で、天候などの問題を解決するばかりでなく、利用者が望むなら世界中のどこででも行えるという点で実に画期的だったのです。

      • 次の宇宙葬を予想する

         宇宙葬を定義すると、遺灰を宇宙に送り届ける葬送ということになるかと思います。  かつて気球に遺灰ののせて空に飛ばす供養も宇宙葬と言われていた時期がありました。もっとも気球は一般的にここから上が宇宙と言われる高度である100キロメートルまで届きませんので、やはりロケットを使って打ち上げる方法のものしか宇宙葬ということはできませんでした。  しかしロケットの打ち上げはどこでもできるわけではありませんし、天候の影響で延期になることもしばしばあります(もちろん、それ以前に技術的な理

        • 日本で3番目の成功実績を持つ宇宙葬業者、SPACE NTK(スペースNTK)誕生

           前回の投稿以来、急に本業が忙しくなってしまいましてなかなか投稿できませんでしたが、ようやく再開の目処がついたので再び宇宙のことなど書こうと思っています。  とはいえ。宇宙に関してはいろいろユニークな、またためになる記事を書く方をSNSでたくさん見つけてしまいまして。今やその方々の大ファンとなってしまった私が、その方々の後追いのようなことを書いても仕方ありません。そこで今の所、ある意味宇宙でも一番興味のある分野に限ってなら何とか書けるかもしれない、と思いまして、しばらくは宇宙

        宇宙開発がもたらす、ささやかな希望

          民間企業による有人宇宙飛行への扉

           人類は待望の2ステップ目にあがりました。  民間企業による有人宇宙飛行の成功です。  人類初の民間企業による有人飛行として注目されていたアメリカの宇宙企業スペースXによる「Crew Dragon(クルードラゴン)」は、7月30日(日本では31日)に打ち上げに成功し、翌日には国際宇宙ステーションとのドッキングに成功、8月2日無事地球への帰還に成功しました。帰還時、クルードラゴンのカプセルはパラシュートを使用し、大きく減速しながらメキシコ湾のペンサコラ沖に着水しました。これ

          民間企業による有人宇宙飛行への扉

          「宇宙葬」ビジネスへの挑戦と失敗(2)

           昨年12月、宇宙葬ビジネス開始のための出資を募るクラウドファンディングがFUNDINNO(ファンディーノ)でスタートしました。資金を調達しようとしていたのは、株式会社SPACE NTK(2020年2月7日現在名称)で目標額は800万でした。  ファンディーノは、一般的な商品購入型のクラウドファンディングとは異なる、株式投資型のクラウドファンディングです。投資者は、商品やサービスなどではなく、見返りとして出資先企業の株式を取得できます。そういう特殊性もあり、ファンディーノで

          「宇宙葬」ビジネスへの挑戦と失敗(2)

          「宇宙葬」ビジネスへの挑戦と失敗(1)

           昨年末、クラウドファンディングのFUNDINNO(ファンディーノ)に、宇宙関連の資金調達プロジェクトが公開されました。FUNDINNOとしては初の宇宙案件で、「宇宙葬」事業実現のための出資を募る内容で目標額は800万でした。  近年、宇宙関連ビジネスとしてじわじわと広がりを見せているのが「宇宙葬」です。  「宇宙葬」は一般に宇宙空間に遺灰を散骨する葬送の総称として、定着し始めています。 宇宙葬にはいくつかの種類があり、一つは文字通り宇宙空間にロケット打ち上げ散骨するもの

          「宇宙葬」ビジネスへの挑戦と失敗(1)

          進む宇宙ロケットの民間利用

           昨年12月、JAXAは「ロケット相乗り超小型衛星打上げ機会の提供事業者」としてSpace BD株式会社と提携を結びました。Space BD社は、衛星の打上げや宇宙空間での実証実験など、宇宙利用を目指す企業や団体に向けて様々なサポートを行っていくとのこと。これまでJAXAは同制度により、32機の衛星を打ち上げてきましたが、この提携によってさらなる民間利用の促進につなげようとしています。  宇宙ビジネスにおいて、民間の活力が大きな鍵になりつつあります。  昨年7月、北海道のベン

          進む宇宙ロケットの民間利用

          ロケット打ち上げを妨げるもの

           本日27日に、種子島宇宙センターで打ち上げが予定されていたH2Aロケット(41号機)は、打ち上げが延期されました。理由は天候悪化。安全保障などに関わる政府の情報収集衛星が搭載されていたのですが、さすがに雷などが予想される中では、衛星にもどのような影響があるかわからないということのようです。打ち上げは現時点では明日28日の予定とのこと。さすがに、天気だけはどうにもなりませんよね。  今回は天候の影響でしたが、ロケットは打ち上げが延期になることが少なくありません。その主な理由

          ロケット打ち上げを妨げるもの

          締め切りまであと5日! NASAが名付け親募集

           NASA(アメリカ航空宇宙局)が今年7月に打ち上げを予定している火星探査車「Mars 2020(マーズ2020)」。なんと今、その探査車につける名称をNASAが募集しています。  その名前を募集している探査車は6輪で、車輪と本体は若干のアームで延長されて繋がり、本体にはカバーがなく機材が多数取り付けられています。本体の中央には、垂直に伸びる大きめのカメラボックスが据え付けられています。昨年末に初めての試験運転が実施され、報道陣に探査車が公開されましたが、公開されていた設計

          締め切りまであと5日! NASAが名付け親募集

          星を繋ぐもの(Starlink)

           今や宇宙開発の最先端を行く民間企業として知名度も高いSpace Exploration Technologies Corp.(以下、スペースX社)。2002年にイーロン・マスクにより設立された数あるベンチャー企業の中の一社にすぎませんでしたが、今、そのスペースX社が地上のあらゆる箇所を星で繋ごうとしています。  火星移住計画を目標に掲げて設立されたスペースX社は、当初その目標の壮大さゆえに話題性優先の事業者と思われていましたが、低廉なロケットや園周辺技術の開発で着実に実績

          星を繋ぐもの(Starlink)

          宇宙の観測はどこまで可能なのか?

           天候が悪くなければ、昼、空を見上げれば太陽があり、また夜、空を見上げると星々ともに月を見ることができます。太陽と月は、地球からとても観測しやすい天体。とりわけ月は、その表面が肉眼で観察できる唯一の天体です。  言うまでもありませんが、月は地球の衛星で、地球に最も近い天体です。その距離は36万〜40万キロメートル。地球の直径が約1万2700キロメートルなので、地球30個分も離れている計算になります。それでもあれだけ大きく見えるのは月自体が大きいため。月の直径は約3500キロメ

          宇宙の観測はどこまで可能なのか?