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恋人と別れた

恋人と別れた。

こんなに価値観が合わなかったのは初めてだと思う。「合わない方が上手くいく」なんて少し前に書いてみたけど、あまりにも合わなさすぎたのか。それとも、お金の使い方とか、自分が踏み込んで欲しくない領域に関する距離感とか、大事な価値観が合っていなかったからなのか。

申し訳ないことをした。

彼女に、僕が撮っている写真にいろいろ意見されて激昂してしまった。本人は「感想」のつもりだと言った。それでも、彼女が言ったことは僕の大切なこだわりに土足で踏み入るようなことだった。

お金に対する価値観とか、性的指向への認識とか、大切にすべき感覚が全てズレていた。こんなこと、本当に初めてだった。

僕が激昂した時、彼女は持病の発作が出て息が苦しくなってしまった。僕はどこへ怒りをぶつけていいか分からなくなり、感情は宙ぶらりんになった。

彼女は「こういう時、真っ先に心配してくれないよね。やっぱり怒ってる時は本性が出るね」と僕を責めた。

申し訳なかったと思っている。すぐに謝れなかったこと。でも、僕だって理由もなく怒った訳じゃない。

僕の写真の色味や影の傾向について意見されたのが本当に嫌だった。僕が作っているものは僕の好きにさせて欲しかった。

それを伝えたら、彼女の呼吸が苦しくなって話が中断する。これは初めてのことではなかった。

発作は可哀想だと思うけど、結局彼女は僕のこだわりに触れたことについて1度も謝らなかった。

意見された時「そういう写真が好きなら自分で撮れば?」と半分嫌味を言うと「わたしは写真撮る人じゃないし」と返された。そんなの分かってる。人にあれこれ言うなという論点の話をしていたのに、彼女の返答はズレまくっていた。

構図としては「神経質で写真に異常なまでの執着を見せる男が、発作持ちの彼女を責め立てて呼吸困難になるまで追い詰めた」ようにしか映らなかったと思う。客観的に、誰がどう見ても悪者は僕だけだった。

でも、僕の気持ちもわかって欲しい。謝ってほしい。僕は発作は出ないけど、悲しい気持ちはある。そんなことは苦しんでいる彼女の前では言えなかった。

苦しい。本当に自分の写真がこれでいいのか分からなくなった。また、彼女を責めてしまった、泣かせてしまった、苦しめてしまった罪悪感が襲ってきた。「俺だって苦しい」と言いたかった。でも、言えるわけもなかった。どうすればよかったんだろう。

また大人になれなかった。僕は実力もないくせに変に尖って余裕がない。自分がいいと思うもの、それだけを撮っていたいのに、少しのノイズでダメになる。

こういうこともある。彼女は次はもっと余裕がある人と付き合えば幸せになれると思う。彼女の幸せを願っている。それだけは本当に何回でも言いたい。




※全編通して愚痴になってしまって申し訳ありませんでした。

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