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Helvetica | Type Directory 日本語訳

史上最も使われている書体

スイスの書体デザイナー、マックス・ミディンガーは、ハース社の書体デザイナーでありディレクターでもあるエドゥアルド・ホフマンのディレクションのもと、おそらくあらゆる書体の中で、史上最も使われているであろうサンセリフ書体をデザインしました。

1957年にデザインされ、最初はノイエ・ハース・グロテスクと呼ばれていたが、ハース社を買収したステンペル社がライノタイプ(鋳植機)用にヘルベチカと改名し、国際的な成功を収め、各方面から支持された。

マックス・ミディンガー

ミディンガーとホフマン

1989年にベルトルド社から発売され、当時人気があったアクチデンツ・グロテスクに対抗するためのグロテスク書体をデザインするために、ハース社があるスイスのミュンヘンシュタインでマックスとエドゥアルドはタッグを組みました。二人ともヘルベチカがこんなにも大成功を収めることなど想像していませんでした。

エドゥアルド・ホフマン

ミディンガーは植字工になるために、1926年からチューリッヒにある美術大学の夜間部に通っていました。1947年から1956年の間ハース社のもとで働き、フリーランスとなったミディンガーは前の雇用主であるハース社からノイエ・ハース・グロテスクのプロジェクトの依頼を受けました。

書体の改名はハース社の親会社であるステンペル社によってなされ、スイスという言葉のラテン語であるヘルベチカが採用されました。
デザイナーの改名に対する懸念にも関わらず、販売された当時に起こっていたスイスデザイン運動に対する好意的な関心に恩恵を受け、国際的に認知され幅広い普及につながりました。

1980年に亡くなったミディンガーの遺産は、ある一つの、20世紀に最も使われた書体を作ったことでした。2007年、アメリカのフィルムメーカー、ゲーリー・ハストウィットによって50周年を祝う映画「ヘルべチカ」が上映されました。


現在Macなどに搭載されている Helvetica Neue とよく混合されますが、細かくいうとHelveticaとHelvetica Neueは別物です
Helvetica Neueはオリジナルのヘルベチカを改良し、作り直されたものであり、プロポーションや細部をより合理的、理知的に洗練した書体です。
オリジナルのHelveticaのもっていたスピリットを継承し、洗練させたNeue Haas Groteskもぜひチェックしてみてください。

あとがき

本記事は世界中の書体をまとめた一冊「Type Directory」に掲載されている有名な書体を解説をした記事の翻訳です。興味がありましたら本もぜひ買ってください。


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