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「バスは絶対に左側に座るべきだ」 2018 2/17

バスの席に乗るときは絶対左側に座るべきだ。絶対に。間違っても右側になんて座ってはいけない。左側に座るのと右側に座るのでは天と地ほどの差があるのだ。

まずこのバスUX界をも揺るがしかねない記事は、窓際の席に座っていることを前提とする。つまり左側と言えば、バスの左側の席の窓際のことである。右も然り。この前提を理科していただいた上で読んでいただきたい。


右と左の違い

バスに乗り、椅子に座る際、左右どちらの席が空いてたら、適当にどちらかを選ぶ人が大多数だと思う。右であろうと左であろうと、座れれば良い。私もつい先日まではそう思っていた。しかし違う。何度も言うが絶対に左に座るのだ。

左と右では何が違うだろうか。席の配置はほぼ同じ。強いて言えば、優先席付近の配置が違うが、そこは対して重要ではない。運転手さんと扉の位置が違うのは、答えのヒントになる。しかし直接的な関係性はない。では何が違うのか。そうそれはバスから見える外の景色だ。

日本での交通ルール上、乗り物は左側通行をせねばならない。車は車線の左側を通るのは当たり前だ。そしてバスは人をバス停から拾うため、何車線かある大通りでも、一番左側を通らざるを得ない。そう、それによって左右の席では決定的な差が生まれてしまう。

常に車線の一番左を走るバス。そのバスの左側から見える景色は全くストレスがない。なぜならそれを阻むものがないからだ。見慣れた住宅街や馴染みのコンビニ、初めてみる店や気にもしてなかった物がノンストレスで見れる。これほど気持ちがいいものはないだろう。まるで実家のような安心感と落ち着きを左側の席は与えてくれる。

対して右側の席はどうだ。確かに窓から風景は見えるが、それは拒むものは非常に多い。まず対向車線だ。こちらが窓越しに風景を見ようとすると、いつも対向車線を走る車に邪魔される。左側の席よりも窓越しの風景に距離がある為、ゆっくりと動く街並みを見ることができる。これはこれで趣があって良い。右側にしかない特権だ。しかしこのゆっくりとした景色に対向車はビュンビュン飛ばしながら横切って行く。バスも進んでいるだけに、とても速く感じる。赤、青、黒や白、さまざまな高速で横切る色越しに風景を見るのは楽しいか。最悪である。まるで高級フランス料理を食べているのに、目の前で子供が泥団子を投げ合って遊んでいるかのような気分だ。全てが台無しである。対向車が通り過ぎるたびに、一台一台爆破させたい気持ちになる。

2車線しかない狭い道ならまだ良い。大通りになればもう救いようがない。一番左を通るバスにとって大通りは生き地獄に他ならない。たとえ2車線の次に多い4車線であっても、最大3台の走り去る車によって風景が阻害されてしまう。都会になればさらに車線の数は増えるだろう。5台、7台……もう風景を見る上でのストレスレベルではない。風景を見ることすら、彼奴らは許してくれないのだ。外道、まさに外道。バスからの景色を阻害するする車どもはもちろん死刑級の犯罪を犯している。許せん、生かしておけん。


生き地獄に生まれた席たち

バスの右側の席たちはなんとかわいそうなことか。よく揺れ、人が密集し、時間通りに来ないこともしょっちゅうなバスで、乗っている人に少しでも、少しでも楽をさせたく生まれ、景色を見せてあげようという思いがあったにもかかわらず、彼らが乗客に与えるのは、あまりにも、あまりにも圧倒的なストレスだった。人を助けようとしたのに、それが裏目に出てさらに人を苦しめなければいけないのは、どれほど辛いことか……かといってないとないでクレームが来てしまう。右側の席がある事が当たり前になってしまった現代において、右側の席たちは地獄に生まれてしまったのだ。永遠に人を苦しめる地獄に……

もう右側の席を救うことはできない。しかし、せめて、せめて彼らを少しでも楽にしてやりたいという気持ちがあるのならば、左側の席に座るべきだ。それが我々が出来る最後の助けだ。さらには我々も何にも邪魔されずに風景を楽しむ事ができる。まさにwin winだ。


お願い

この記事を読んでくださった方は、もう右側の席に座ることはないだろう。いかに右側の席に座る事が不合理で、ストレスフルである事がわかったはずだ。この問題は全世界で蔓延している。この記事が少しでもこの問題の解決につながれば良いと思う。解決には気が長くなるような時間がかかるだろう。しかしいずれ解決せねばならない。人類にとって、至上命題なのだ。

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