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自分の得意なことやできることをやっていく空間、それを肯定してくれる焚き火のような場所POOLOで見つけた自分軸【インタビュー】

豊かな人生を歩みたい、そう願う人は多くいますが、現代の「豊かさ」とは学歴や経歴・収入などで測れるものではなく生き方の多様性に象徴されるような非日常の体験や人との繋がりなど無形の中に見出すものとする傾向があります。そんな中、自分自身の人生の豊かさを考えたことがあったとしても、自分と世界を豊かにするという発想を持ったことがある人はどのくらいいるでしょうか?

豊かさを感じられる体験の一つとして旅があり、旅好きは私を含め周りにも多いですが、旅と豊かさを合わせながら長い時間をかけ仲間同士で豊かさについて考えるコミュニティーがあります。TABIPPOが主催する「POOLO」では約50-70人の多様な仲間とともに学びあい、8ヶ月間の中で自分と世界の豊かさをつくる次世代の旅人=「ニューノーマルトラベラー」が育っていくのです。

今回POOLOの魅力を探るため、POOLO3期生のノスケさんに話を伺いました。多くの卒業生がいる中でノスケさんに話を伺おうと思ったのは、「POOLOとはどんな場所?」という問いに「焚き火のような場所」と独特の表現する個性に興味をひかれたから。

現在ノスケさんはPOOLOを受講したからこそ挑戦できたというワーキングホリデーでニュージーランド(以下NZ)に滞在中。ワイン用のブドウを研究・開発する会社に勤めており、NZにきて働くのは3社目とのこと。NZでの生活のおかげで本当の自分を受け入れることができたと言います。そんなノスケさんが言う「焚き火のような 場所=POOLO」の中身を紐解いていきます。

ノスケさん(右)とPOOLOのコミュニティマネージャーをされたハヤトさん(左)

ノスケ(伊藤優乃介)

愛知県出身1997年生まれ。POOLO3期生
新卒で入社した人材会社にて新規研修教育事業を担当し2023年3月退職。その後フィリピン留学を経て現在はニュージーランドにてワーキングホリデーで滞在中。現地の様々な場所を暮らすことをモットーに土地を転々としながら複数の仕事を経験している。
帰国後は、自然の中で「才能」を通じて自分を受け入れられる場作りを企画検討中。

■ノスケさんの発信は以下からご覧いただけます
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本当に自分がやりたいこととは?POOLOに入るきっかけ

新しい繋がりが欲しかったんです。会社でも新しい出会いはたくさんあってありがたかったんですけど、社外の人との繋がりと思った時に、そういえばPOOLOってあったなと思い出して。

元々1期の募集からPOOLOの存在はなんとなく知っていたという。その時はグローバル人材の育成のような場所だと思っていたが、POOLO2期を受講した友人から話を聞くと、自分と同じような価値観の人が集まり良い関係性が築ける、新しい出会いがあると聞き興味が湧いた。3期は特に「豊かさ」にフォーカスして募集していることがわかり、感覚的にここだ!と参加することに決めた。

本当に豊かさみたいなところが惹かれたんです。ちょうど 豊かさってなんだろう…と同僚とも話をしていたタイミングで。自分の中でもホットワードだったんです。

当時、ノスケさんは人事研修部署で、若手社員に「これから自分の人生をどのように豊かに生きていくか」を考える研修を担当していた。ただ、彼らに対して自分の豊かさ求めていこうと言ってる割に、自分の豊かさとは?の答えがあまりはっきりせず自問自答していたとのこと。

「社内での答えに留まっている気がして、もう少し視野を広げたかったんです」と当時を回想しながら穏やかに話をしてくれた。

社会人3年目で「自分ってどういう人なんだろう」と、ずっと考えていて。本当にやりたいことを探す前提で生きよう!と決意したタイミングで POOLO3期の募集を見つけて。やりたいことが見つかるかもしれない、これから生き方をアップデートできるかもしれないという期待もあって飛び込みました。

前職の人事研修部時代。自分とはどんな人間なのかひたすら迷っていた


実際どんな活動をするのか?POOLOでの活動内容

そんなPOOLOは他のPOOLO3コース(POOLO NEXT,POOLO JOB,POOLO LOCAL)と比べても最長の8ヶ月のコースであり3期当時は9ヶ月だったそう。長期間の中でどんな活動をしていたのか詳しく話を聞いた。

メインはオンラインで月1-2回の外部講師からの講義を受けます。豊かさにつながるような、ウェルビーイングの考え方や、内省の仕方、観光業の考え方、コミュニティと旅をどう繋げていくことなど、旅や豊かさといったキーワードに通ずる知見を持たれてる方の話を聞く時間と、他にもチーム活動というのがあって、運営からの課題をチームで取り組む。そして、実際に考えるだけじゃなく、実践する、振り返るとか、そういうことが主な内容でした。

長期の中で4タームに分かれてチーム編成が行われる。その中で、参加者主催でのオンライン企画や1on1をして活動していたそうだ。講座生は60−70名いる中でチームがタームごとに変わるのと、オンライン・オフライン共に様々な企画イベントが行われるので自然とメンバー同士の関わりが深くなる。POOLO期間中の一番の印象に残ってるエピソードを聞いた。

住んでいる場所や地元へメンバーを呼び込む「俺んとこおいで企画」があり、僕も淡路島にPOOLOメンバーを呼びました。淡路島に20人も来てくれたんです。ただ実際は台風が上陸するタイミングで開催できるかわからない…という不安との闘いで、(予定していた内容が)できないとなったら、その場で次何やる?と判断するのは大変でした。でもPOOLOのみんなは企画する楽しさ、大変さをよくわかってくれてるので、協力的で前向きに捉えてくれるんで、一緒に考えるよ!と言ってくれる仲間がたくさんいて、POOLOメンバーだったからこそ最後までやり遂げられたって思ってます。

淡路島でのイベントは、ノスケさんが元々仕事で行っていた農業を通じて人間的な部分を成長させる農業体験をしたり、浜辺での焚き火や海でのサップ、夜な夜な仲間同士で豊かさとは?を語り合うなど、日常生活では体験できない時間を過ごしたという。

そうすると「ずっと蓋をしていた自分の感情に気づけた」と言ってくれたメンバーも多かった。自分の内側に眠っている感情や捉えきれていない部分にも耳を傾け触れてもらうといった趣旨が参加者にとっても貴重な経験になったようだ。

台風上陸の中全国から20人も参加してくれた淡路島企画
内側の自分にも耳を傾けるという趣旨で企画したイベントは
参加者・主宰者どちらにも気づきがあった

この参加メンバーからの感想や自身の体験がノスケさんにとっても、自分が本当にやりたいことに気づけた瞬間になったという。POOLO卒業後にも第2回目の淡路島イベントを企画、再び淡路島にメンバーを呼んでイベント開催をした。

社会に出ると人との関わりが表面的になりがちな中で、POOLOでは長期的に大人数の仲間と濃密な時間を過ごせるのがわかる。他にもノスケさんの中で印象的だったことをあげてもらった。

POOLOはいろんな角度から学びが沢山あるんですけど、個人的に一番大きかったのは出会った人たちです。働き方にしても、過去の経験にしても自分とは違うレイヤーで生きてる人たちとの出会いによって気づくことが多かったです。

海外経験や留学話や、起業した人、フリーランス、会社員など働き方も多様で。性格もいろんな価値観を持ってる人がいて、今までもたくさんの人と関わってきたつもりでしたけど、学校や会社って、割と似通ってたコミュニティだったっていうのに気づかされました。今まで出会ったことない別幅の人たちがすごいたくさんいて。 そういう仲間と話すことで改めて自分のことを知れたり、世界基準の考え方も知れたことが1番の学びです。

様々な背景を持ったメンバーと旅をしながら対話をすることで、新しい自分に出会えた


ノスケさんは当時25歳。そんな若さでたくさんの面白い経験をしている仲間から自分の想像を超える世界が存在すること、それを既に体験した人から話を聞けるというのは羨ましい出逢いでもある。ノスケさん本人もそんな繋がりが増えたことは「最高の体験でした」と嬉しそうに話をしてくれた。この話題からPOOLOを焚き火と表現した理由が少しずつわかってきた。


自分の熱量が増していく「POOLOとは焚き火のような場所」

焚き火の空間が好きなんですよ。みんなで囲んで空間、みんなで見つめている感じも好きなんですけど、それと同じ感覚で、POOLOもみんながいてみんなで作り出すその空間が好きなんです。

ノスケさんは元々焚き火好き。焚き火をしている間は自分らしくいられる気がするし、自分を曝け出して良いと思わせてくれる空間が大好きなんだそう。その感覚はPOOLOにも感じており、焚き火という表現にいたったという。好きなものを思い浮かべながら話をしてくれる優しい表情は聞いているこちらも心が暖かくなる。他にもPOOLOが焚き火であるという理由を2つあげてくれた。

焚き火という空間には無理にその場にいなくて良いのに、どの人にも勝手に役割が振られるなって。ただ火をぼーっと眺めている人、他愛もない会話をする人、薪をくべる人、火から離れる人ですら焚き火の空間として役割になる。自分がしたいことをそれぞれがしているだけなのに心地が良い。自分の得意なことやできることをやっていく空間が焚き火とPOOLOって似てるなって思ったんです。自然とそれぞれの動きを肯定してくれる雰囲気があるというか。

あとは、薪から薪をつぎたせば火が大きくなるし下の方は炭になっていく。 最終的にいい感じのクライマックスになって鎮火する。実はその鎮火してる時は焚き火って1番熱が高いんです。それもPOOLOっぽいなって。
期間を通して火が育っていくんですけど個人個人の関係値も深まってくるし、自分の中での考え方とかもアップデートもされていく。そして卒業してからも、焚き火の名残りで自分の熱量っていうのがどんどん増していく全体的な様子も似てるなと思ったんですよね。

ゆっくりと落ち着いたトーンで話す中に焚き火のような熱さを感じる説明だった。こんなに深い意味があったとは…正直なところ驚きと納得感があって受講していなくてもPOOLO=焚き火という表現が一番ぴったりあっているとさえ思えるのだった。

自身が企画した淡路島イベントでも 浜辺で焚き火をしながら「豊かさとは」を語り合った

そんな焚き火のような場所で出会った仲間には多くの刺激をもらったという。ノスケさんが生きてきた常識の中では考え付かない発想の持ち主が沢山いた。

世界1周しながら結婚式を何度もあげる計画をしている人、教員を辞めてワーホリ行く人など自分にとって規格外な仲間ばかりだった。そんなメンバーを前にすると自分もまだまだ挑戦できる年であることに気づき、むしろチャレンジした方がいいなと思わせてくれたそう。


POOLO始まって5ヶ月ごろ。瀬戸芸旅企画にて
瀬戸内芸術祭に合わせて、小豆島や直島を訪れた


人生の大きな変化。自分が変わる体験。

自分の弱いところとか、嘘ついちゃうところとか、ダメなところとかも良いところも全部自分として捉えていいんだなって受け入れられた時に自分に素直になれたんです。全部やっと受け入れて、人生が一変しました。

POOLOで刺激を受けNZにきてさらに人生観が変わったという。ビルで遮られることもない広い空や、大自然、街も圧倒的に人が少ない。自分のことを知ってる人間は誰もおらず、耳に入ってくる英語もわからないことも多い。NZにきて日本人といった特別視をされることもほとんどない。国籍にとらわれず1人の人としてしか認識されていない心地よさだった。

そもそも人が少なすぎるため周りの目や、受ける視線も少ないので自分は自分でいいんだなという感覚を受け入れられたそう。そうやって環境を整えNZでの貴重な1年間は自分の強みを生かして過ごしたいという感情になったという。

どこまでも続く広い空と大自然。ニュージーランドの環境が自分は自分で良いと思わせてくれた

そんなタイミングで出会った「才能」という言葉。才能とは天から与えられたすごい能力ということではなく、努力せずにできることやついやってしまうようなことこそ自分にとっての才能であるという考え方がしっくりきたという。

そんなタイミングでPOOLO3期の仲間がNZに遊びに来てくれた。その才能についてのPodcastを一緒に聴き、お互いの才能や強みを長い時間対話をしたという。

そこで自分にとっては欠点と思っていたことが相手にとっては努力してもできないすごい能力だったことがわかった。見栄をはったり背伸びする自分に無意識レベルで嫌悪感を感じていたとにも気づいたという。自分の外側と内側を一致させようとつっかえていた深い部分を認識したことでモヤモヤしたボトルネックが一気に晴れた。

ニュージーランドでの生活が本当の自分を認められる時間になった


POOLOに入ると得られるもの

それもPOOLOで出会った仲間がいたからこその体験だった。POOLOに入らなくてもNZにくることは人生の通過点としてあり得たかもしれないが、 POOLOに入らずして来ていた海外生活は現在と全く違った状態になっていたと思うという。そんなノスケさんがPOOLOをお勧めしたい人はこんな人だそう。

自分ってこれでいいんだろうかって迷ったり、一体自分は何ができるんだろう、何がしたいんだろうと考えている人には、「周りにも同じように悩んでいる人がいる」と知ることができるのが大きいと思います。 いろんな人と関わることで、みんな悩みを持ちながら 一生懸命生きてるんだなって。

あとは運営してるTABIPPOの方々が本気でコミュニティを作り上げてくれるPOOLOなので、参加者同士の関係性を深めてくれるように設計してくれています。どんな人が来てもいろんな人と関われる機会があるし楽しく参加できる環境になってると思います。
自分を変えたい人、自分が変わったっていう実感を持ちたい人、自分を変えるきっかけが欲しい人には、 人生をかけてでも入る価値があると思いますね。

メンバー主催のPOOLO大運動会。本気の運動会や肝試し、アクションペイントなど本気で遊んだ photo by Sapana


いったい豊かさとは?POOLOでの時間が言葉の深みを作る

自分が豊かだなって思えることを、豊かだって周りに言える状態。

豊かさというワードは私も頻繁に使う。この意味合いに正解があるわけではないがインタビューを聴きながら自分の言葉で丁寧に体験を話してくれるノスケさんはPOOLOを「焚き火」という表現力をもち、長い時間をかけて仲間と豊かさに向き合ってきている。そんな彼はいったい豊かさをどのように表現するのかが気になった。

難しい質問ですね…でも自分を本当に受け入れてあげてるとか、信用してあげることで、自分がこの状態って豊かだって思っていいんだっていうこと。あとはそれを周りにも言っても良いという心理的安全性というか。言った言葉を受け取ってくれる人がいてやっと豊かなのかなと思ってます。

なんて美しい表現なのだろう。26歳が紡ぐ言葉にしては深すぎると思ったほど聞き惚れてしまった。POOLOを通して豊かさと向き合い、異国で生活する中で自分を見つけた人の言葉は心を動かされる奥行きがある。

あと半年で日本に帰ってくるノスケさんに今後の展望を伺った。

ニュージーランドで自分が変わるかきっかけになった「才能」と、 淡路島でやってきた自然の中で非日常の体験を通して自分とも仲間とも対話するっていう、この2つのコンテンツを掛け合わせた場所作りをやりたいなと思ってます。

半年後、26歳の青年が多くの仲間を巻き込みながら自分も世界も「豊か」にしている未来が見えた。POOLOで培った時間が卒業後も薪をくべながら炎を灯しつづけるようなライフデザインになっている。


編集後記〜選べる環境と人生において大切なこと

POOLOで得た体験・出逢いが人生を豊かにすることがよくわかるエピソードばかりだったかと思います。心に宿る焚き火の炎が卒業しても燃え上がっている。熱量の高い未来を想像できる場がPOOLOにあるんだなとインタビューを通して明確に伝わって来ました。

良い大学にいくことになんの疑問も持たずまっしぐらだった私も社会に出てみると価値観が変わりました。人生において大事なことは「誰と出逢い、誰と過ごすか」それに尽きると思っています。環境は自分で選ぶことができるし時間は有限です。その中でどんな選択と行動をするのかがこれからの未来に大きく影響します。

ノスケさんも自分に自信をつけたい人、何か今に物足りなさを感じて自分を一歩踏み出したい人、心で対話できるような新しい深い繋がりが欲しい人には特にPOOLOをお勧めしたいとのこと。

実際、これからの未来への不安や、今の生活に何か物足りなさを感じている人は多いものです。不安をわかちあえる仲間や切磋琢磨できる環境がPOOLOには用意されています。飛び込む勇気が必要な方には説明会や相談会も実施していますので、まずは話を聞きに是非参加してみてください。


〈取材・文=Jamy Ayami(@jamylamp) 写真=ノスケ/Sapana >


writer :Jamy

界観コーディネーター兼 地球を楽しむ旅人ライター。子供が1歳になったタイミングで起業。47カ国以上の渡航歴を持ち、旅を通して、役割にとらわれがちな女性の自己開放を促す、旅コミュニティ・地球クラブを主宰。合言葉は「地球のどこかで待ち合わせ」。
広島出身 鹿児島在住

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