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人工呼吸器体験/呼吸法コーチの視点[入院体験談①]

今回は、手術で人工呼吸器を体験した時のお話を。

左膝の半月板損傷手術のため25日間入院していた時に得た気づきや学びを綴るシリーズです。

■全身麻酔と人工呼吸器

全身麻酔で手術をした際、気管挿管をして、人工呼吸器を使用しました。

先にお伝えしておきます。
命に関わる大変なご病気や怪我などで手術をされる方や、ずっと人工呼吸器を使用されておられる方には不謹慎な発言と捉えられる箇所があるかもしれません。申し訳ありません。純粋に、どのようなものなのか、という感想として読んでいただけたらと思います。


人工呼吸器を使用したと言っても、麻酔で眠った後に気管挿管したので、使用開始の時も使用している間も意識はありませんでした。
でも手術前の説明で「管を外す時は意識が戻ってから」と聞いていて、実は入院前からとても興味があったんです。

というのも、私は呼吸法のコーチをしておりまして。
昨年末に公的機関から大きな呼吸法のお仕事をいただいた際に、担当の方と人工呼吸器のことについて触れたことがあり、以来ずっとどんなものなのか、使用するとどうなるのかと思っていて、看護師や介護士の友人に聞いたり調べたりしていました。
今回、それが体験できるとあって、すごく気になっていたんです。
もしかしてそれを体験できることによって、呼吸器を使用されている方の気持ちに少しでも寄り添うことができるかもしれないと。

私は今まで腰椎麻酔と硬膜外麻酔は経験があったのですが、全身麻酔は初めてでした。
全身麻酔では、腰椎麻酔の時には使わなかった、人工呼吸器を使います。
腰椎麻酔は意識があり、呼吸機能は低下しないから使用しません。
全身麻酔の鎮痛薬や筋弛緩薬などは強い薬なので、呼吸筋の機能が低下して自力で呼吸することが困難になってしまい、強制的に酸素を送り込む必要があるので、人工呼吸器を使用するのだそうです。
普通に寝る時も呼吸してますよね。てことは、全身麻酔は単に眠るのとは違うってことですね。

■人工呼吸器の使用感

先ほども触れたように、気管挿管して人工呼吸器を使用開始する時は無意識の状態だけど、
外す時は、意識が戻ってからと聞いていました。
だから手術前は、意識が戻っても少しの間、まだ戻ってないふりをしていようと思ってました。

実際、その瞬間がきた時のことをよく覚えています。

まず、麻酔薬が身体に入ってきた時。
左腕に刺されていた点滴から、透明なアメーバのような何かがジワジワ〜〜っと染み込んでくるような、すごく違和感のある液体が侵食してきた感じがして、
それが全身に少しずつ広がってきたなと思ったらもう、意識を失ってました。

そしてふと気づいた時、夢を見てたんです。
夢の内容はよく意味がわからない感じだったけど、なんかとても楽しい感じだったように思います。
そしたら急にどこかから「田靡さ〜ん」と私を呼ぶ声が聞こえたんです。
2〜3回聞こえたのがわかった瞬間、

あっ!!!!今手術中だった!!
じっ、人工呼吸器!!!!∑(゚Д゚)!!

と思い出して、息を吸ってみたんです。鼻からゆっくり深く。
そしたら……

吸っても吸っても、ぜんぜん吸えない!!!
えっ!? なんで!!??

鼻から吸った時のスゥ〜っと空気が通る感覚が全くなくて、少しパニックになりかけました。だって息が吸えないんだもん!
吐くのは鼻から出る感じがありました。でも入っていかない。

数回続けて吸ってて、気づいたんです。
苦しくないの。
吸えてないのに。
いや吸えてんのか?鼻どうなってんだ??

はて??(・・?)

そして、鼻から息が入る感覚が全くないのに、胸のあたりの呼吸筋が拡張して勝手に息が入っている感覚を実感しました。
人工呼吸器によって強制的に空気が入っている、というのはこういうことかと。

呼吸筋が動くことによって息をするという感覚は、この時初めてわかった気がします。
これ以来、鼻や口で吸うという感覚ではなく、自分で呼吸筋を動かして息を入れるということができるのがわかるようになりました。

今思えば、気管挿管は口にされてて直接咽頭に空気が入ってるんだから、口からも吸ってみたらよかった!
口だったらどんな感じだったんだろう🤔

■気管挿管、その後

本当はもうちょっと実感していたかったんですが、名前を呼ばれて「深く息を吸って」と言われて、数回吸ったところで
シュババババババーーー!!!!
と、あれよあれよという間に外されてしまい、人工呼吸器体験はほんの数秒で終わりました。

本当に数秒だったと思いますが、今でもよく覚えてます。あの感覚。
すごく不思議でした。
意識が戻っても少し長めにつけていて欲しかったな〜と思ってましたが、術後2〜3日経っても喉の奥が痛くて、やっぱり気管挿管のダメージをけっこう受けてるなと。
今回は救急救命士さんの実習の同意もしていたので、その影響もあったのかも?
でも救急救命士さんのお役にも立てたならありがたいことです😊

人工呼吸器を日常的に使用されている方について、肺や呼吸機能が低下していてもあんな感じで呼吸できるのだなと思いました。
同時に、呼吸が自発的にできないことのつらさ、恐怖も実感しました。
改めて、呼吸の大切さを深く感じた貴重な体験でした。

ちなみに入院中、同室の方にこの話をしたら、

手術の時に、よくそんな冷静になれるね( ̄▽ ̄;)
麻酔が醒めた直後なんてまだ朦朧としてるし、人によってはせん妄が起きることもあるのに…
本当に…、よっぽど呼吸が好きなんだねぇ…

と言われました🤣

✎︎_______

術後は、夕方まで酸素吸入が続きました。
その体験もまた次回!

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【入院で得た学びシリーズ】

1■呼吸法関連で得たこと
①人工呼吸器の体験
②酸素吸入の体験
③丹田呼吸の効果
④ミトコンドリア呼吸の効果
⑤呼吸法による痛みの緩和、動きと呼吸の連動(術後・リハビリ)

2■リハビリで得たこと
①自分の歩き方や体の使い方の癖(将来的な怪我の予防)
②自分の体の構造上の弱点
③身体の声を聞く
④息子の進路

3■病室で得たこと
①病院食(ぺスカタリアン食)
②私という存在
③本当にやりたいこと、好きなこと
④人の印象、本来の姿
⑤確固たる自信がある人


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ただ気持ちいい、それが出発点であり到達点のような気がします。

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