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角刈りしかできない北京の10元カットの思い出

失敗も含めて中国で暮らした時間は甘酸っぱいメモリーとして記憶されていますが、一つだけ本当に苦い思い出になってしまったのが散髪の大失敗でした。

中国も日本と同じように理容室(理发店)や美容室(美发店)の値段の相場はピンキリ。

北京留学中の同級生はみんな自分で色々探して若者の街、西单のオシャレな美容室を予約したり、日本人経営の店を探したり…少しお金をかけてでも身だしなみにこだわっていた様子でしたが、私はとにかく近場で安いところを探した結果、北京大学近くのテント作りのほぼ青空散髪に近い激安10元カットのお店に決めました。(当時のレート換算で日本円にして120円くらい)

ちょっと遊びのある短髪ソフトモヒカンみたいな髪型を当時のおぼつかない中国語で身振り手振り交えながら理容師に伝えると、散髪台?というか手術台みたいな板の上に乗せられ、頭皮に直接シャンプーらしきものをふきかけられて雑なシャワーでの洗髪から入ります。

そのあとパイプいすに座らされて、ハサミで整える前にいきなりバリカンから始めてきたのでさらに不安が増します。まあそういうセオリーもあるのかなぁ?くらいに思ってるうちになんと最後までバリカンのみで「好了(オッケー)」と終了の合図。それまで壁面ミラーすらなく、どんな状態になってるか全くわからなかったのですが、手鏡を見せられて唖然。

the角刈り!角刈りの中の角刈り出てこいやー!的な完膚なきまでの角刈り…何が好了だ
ジェラードン西本さんの写真と差し替えても一瞬迷われる自信があります。
ああ、写真に残せばよかった…あまりにも恥ずかしくて即日自分で五分刈りにしちゃいました。

それで懲りた私は少なくとも口コミぐらいは参考にして美容室を探すようになりました。北京で美容師をしていた方に聞いたんですが、安いカットだと後ろ髪をとにかくバッサリ行かれると…後ろ髪の適度な毛量調節や形調整が日本の技術の見せ所らしいです。

その後中国人のちゃんとした理髪店に変えてからは、変に注文が間違えて伝わらないように刘德华(アンディ・ラウ)の写真を見せて像这样的(こんな感じで)だけ言うようにしたところ、割とうまく行きました。

今でもあの青空10元カットは残ってるのだろうか?
絶対カットは頼まないけど思い出をありがとうとは伝えたい。

ちなみにそんなこんなで北京・角刈りとかで検索したらBBCでまさかの北京角刈りドキュメンタリーが

今は消えつつある伝統技術だった模様
これは失礼致しました。

にしても本物の角刈りって何

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