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中国ビジネスで苦労したこと

対中貿易商社で5年間営業職で働き、ライター業に転身してからは中国エンタメ関連で色々とお仕事させて頂いていますが、その中で日本との商習慣の違いも含めてトラブルの連続!骨が折れる作業とか言いますが、複雑骨折レベルで苦労したので一部ご紹介できればと思います。あくまで

※社員もしくはフリーランスとして発注を受けて仕事に携わっている立場での感想です。

スピード感についていけない

ホップ・ステップ・ジャンプではなくいきなりジャンプ!というのが中国ビジネスの体感です。何か新しい事業を立ち上げる際に丁寧にリサーチ、関係者各所と綿密に打ち合わせをしてから、未来予想図を描いて…とやってると今どこまで進んだ?売れた?とすぐ確認が入るイメージ。

これは対中貿易商社で仕事をしていた時期には中国ビジネスに慣れてる会社だったのでそれが当たり前でしたが、逆にフリーランスになってから一般的な日本のビジネスの進め方との違いを感じるようになりました。とりあえずお金かけてやってみてからいけるかいけないか判断しましょうという試してガッテン方式。中国のクライアントの要求に応えるために日本の企業に交渉するわけですが、もちろん日本側は簡単に結論は出せないので中国側から猛プッシュがはいり、もう待てない!と打ち切りに…そんなパターンも結構ありました。お金と人材の投資の思い切りの良さと諦めの早さは明らかに日本の企業の平均値とは比較にならないと思います。

あとは中国企業の社員は一人一人の裁量が結構大きい感じがします。もちろん企業規模にもよるのでしょうが、日本のように何人もの上長のハンコがないと進められないというのは、海外から見たら異質に映るかもしれませんね。

締切にゆるい

スピード感とは真逆で、細かい締切には割と寛容…と言うかむしろ締切に厳しい日本の感覚的にはこんなにゆるゆるでいいの?と思えるほど。中国から商品を輸入する際に特に理由の説明もなく納期が遅れることが多々あり、輸入のセクションを担当していた時は仕事の半分は中国への督促連絡でした…
もちろん時間の感覚のシビアさに関しては人によるんですが、契約の際に納期遅延の違約に関する文言はあると安心かもしれません。

シンプルに正直に

もちろんビジネスで一番大切なのはパートナーとの信頼関係。嘘は絶対許されませんが、日本語というのは便利なもので即答できない事柄に対しての"ごまかし"の表現がいくらでもあります。
「前向きに検討します」「とりあえず各所に聞いてみますね」「動ける範囲で動いてみます」
もう少し時間がほしい!失礼のないように断らずにフェードアウトしたい!中国人のビジネスパートナーがそんな心の声を察してくれる事はありません。

以前、中国のSNSアイドルのプロデュース業に関わった際に、推し活をしているファンの方々がどんどん参画してきて、ファンとの間を取り持つようなポジションでの業務があったのですが、失礼のないように…という気持ちから無理なものを無理!とはっきり言わずに少し曖昧な表現で対処していたところ、大激怒されたことがあります。時には正直にキッパリ否定するということも必要だという事を嫌と言うほど思い知らされました。

といったところであくまで個人的な感想にはなってしまいますが、この辺りの経験値は着実に新たな日中ビジネスの糧になっている感じがします。あまり参考にならないかもしれませんが、中国ビジネスで壁にぶち当たった際に1ミリでもお役立ていただけたら本望です。

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