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ブリーダーと現実

ーメンタル・ユリのたんたんエッセイー

いきなりこのような、そもそも論を語ってしまうと皆さまからバッシングを受けそうだが、すべてのブリーダーさんが(ここでは猫ちゃんの話をします)猫好きと言えるだろうか?

このペットブームに乗って「お金になるから」それだけで猫を飼い、子猫を売っているブリーダーさんがどれほどいるだろう?ペットショップに居並ぶ子猫たち、どこから、いや、どんなところからやってきたのだろう。

ペットショップはきれいで清潔でケージに入った子猫ちゃんも無邪気におもちゃで遊んでいたり兄弟ちゃんとじゃれあったりしているが、じゃあそのお父さんとお母さんはどんな環境に置かれているか誰もしらない。

まれにではあるが劣悪な環境で「子づくりマシーン」扱いを受けていた動物が保護されたとニュースになるが、それはほんの数例であって氷山の一角。暴かれて保護されてよかったネ!では終わらないのではないだろうか。

私は産まれたときから親が猫を飼っていたという環境にいた。人生で猫がいなかったのは息子が生れたときだけだ。札幌の中島公園のそばにあるペットショップはビルごとお店というすごい規模だった。

ペットふれあいコーナーのフロアで猫ちゃんのほうにお金を払い息子と入場した。(元夫の両親と同居していたとき犬は3匹も飼っていたので)久しぶりの猫の手触り、かわいさ、ツンデレを堪能してそこを出た。

帰り道「ママー、目がかゆいよぉ。」という息子。(え!?)と思って見てみると白目が腫れあがってほとんど黒目を隠しそうになっていた。慌てて行きつけだった市立病院の救急に受け入れてもらった。

そういういきさつで代わりにチワワを飼ったのだが、息子が大きくなるまでは猫はお預けということになった。息子が高校生のときに私は用事で街に出たのだがセキセイインコが見たくてペットショップに寄った。

入った入り口の一番正面でみゃーみゃー鳴き続けていたのが家族となるマンチカンだった。母親を探す声が哀れで店員に声をかけると「今日、連れて帰ってくださるなら値引きしますよ!」という。

店員さんが言うには猫ちゃんはわんちゃんと違ってケージに入れられている期間が長ければ長いほど極度のストレスにさらされるんだという。なので本日お持ち帰りなら値引きすると...私は誘惑に負けてしまった。

買ってきたマンチカンの「グレイヴィ」が FIP(猫伝染性腹膜炎)だとわかったのはもうすぐ1歳という頃だった。お腹が以上に膨れていたので主人の「食べさせ過ぎだ。」という言葉を真に受けてしまった。

病院に連れて行ったが当時は治療法もなくただ死を待つのみ。つらい日々が訪れた。ここにガルくんという猫がいる。ご紹介させていただきたい。ガルくんはブリーダーのもとに産まれたが真菌におかされ隔離されてしまった。

真菌とはカビの仲間で原虫より小さく細菌よりは大きい。人間にも伝染るのでブリーダーはガルくんを持て余し殺処分するつもりだったという。ここにも日和見主義の金儲けの匂いのするブリーダーがいたわけだ。

人づてにその情報が今の飼い主さんのもとに入り、命からがら引き取られて幸せになるはずだったガルくんだが、不幸にも今度は私の子猫がかかったおなじ病気 FIP になってしまった。

現代では治療薬があるらしいが未だ国の無認可で治療費は大変な高額らしい。私は自分の子猫が死んだときもそうだったが、これも真実はわからないだけで近親交配などの金儲けが原因ではないかと疑っている。

世のブリーダーさんたちが猫好きで大事にしていると思いたいのは私たち猫好き側がそうあってほしい、そのはずだ、という幻想かもしれない。闇に隠された真実を知りたくないだけなのかもしれない。

しかし助けを求められない猫ちゃんたちが今日も人間の欲望のために『量産』されているのは確かなことだ。その裏側で売り物にならない子、雑種、ミックスになってしまった子たちが「死」への切符を持たされる。

すべてのブリーダーさんたちに良き飼い主であってほしい。それは幻想ではなく私たちの切望と行動でなくてはならない。

※最後まで目を通してくださりありがとうございました。エッセイの中でご紹介させていただいたガルくんはいま、大変な時期にあり、切に支援を必要としています。下記にのせておきますのでご支援頂ける方は、飼い主さんへコンタクトをよろしくお願いします。ではまた見かけたら読んでやってくださいませ。

ユリ Twitter :yuritugu_me

ガルくん(ベンガル)
飼い主さま GAL FIP 闘病中さん
Twitter : @FipGal
Instagram : galcat308
クラウドファンディング 期限2020年8月15日まで

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