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誤解だらけの二重国籍

先日、アベマプライムの番組(2024年4月16日放送)で二重国籍についての議論が放送されました。その議論の中で取り上げられた内容を番組中で紹介された論点スライドを見ながら、個人的な見解をまとめてみたいと思います。

グローバルな時代だし生き方も多様化している中なぜ認めないかわからない

グローバルな時代で生き方も多様化しているのは事実だと思います。なぜ認められないかについては反対派の声から色々見えてきます。

二重国籍を認めると移民みたいな人が増えて治安が悪くなりそう

これはよくありそうなコメントです。二重国籍と移民の増加は実際に『原因と結果』の関係にあるのでしょうか。そもそも移民とは例えば学生ビザ・就労ビザのような方法によって入国してくる人々全てを指します。つまり日本が誰に入国許可を与えるかの問題であり二重国籍そのものの話ではないと考えます。

外国人の政治家に日本の政治を任せていいの?

外国人の政治家とは誰のことなのでしょうか?重国籍の人ですか?日本の国籍を持っている重国籍の人は日本人でもあるので、誰のことを指しているのでしょうか。

暴動など治安が悪くなりそう

一体どういった暴動が起きるのでしょうか。そして二重国籍とどう関係があるのでしょうか。感情論だけでなく、もっと詳しい話を伺いたいです。

もし戦争になった時日本のために動くのかな

兵役のない日本において、これはもう個人の判断でしょう。仮に日本の国籍しか持っていない日本人全員が日本のために動くでしょうか。疑問です。

スパイが増えることになりそう

今存在するスパイの数を把握できない限り増える増えないの判断は不可能でしょう。また、学生ビザで入国する外国人や日本生まれの日本人はスパイになり得ないのでしょうか。

金持ちが得するだけで純粋な日本人が損する

どういった得を指しているのでしょうか。純粋な日本人とは何なのでしょうか。海外在住の日本人は純粋な現地人ではないことを理由に差別されてもいいのでしょうか。二重国籍を認めることによって金持が得するのが問題なのではなくて、金持が嫌いなだけのただの妬みなのではないでしょうか。


優秀な人材・労働力の確保→国際競争力の向上
国際的なビジネスチャンス・教育

具体的に二重国籍を認める事とどういった関係があるのかわかりませんが、例えば海外に活動の拠点がある日本人を日本が二重国籍を認めていないのを理由にその人の機会を制限してしまうことがあってはならないと思います。

人権意識の世界的な広がり

人権意識の薄い日本において、将来の発展につながると思います。

国に対する忠誠心はどうなる(兵役がある国も)

今の時代にそぐわないと思いますが、百歩譲って兵役のある国との対立があったとしても、日本ともう一方の国籍を持つ国との関係によると思います。日本と友好関係にない国との二重国籍を認めなければ良いと思います。国にはその決定をする力があるはずです。

スパイ防止法が無い→機密保持やテロ活動の危険

スパイ防止法が無いのは二重国籍以前の問題です。

移民問題(際限なく拡大?)→外国人参政権にも関係

移民問題は、国の都合によってコントロールできるものです。際限なく拡大はあり得ないでしょう。例えば、EU市民はEU内での行き来や労働が自由であるため、問題になった国がありました。しかし、これは重国籍とは関係なく、条約の問題でした。日本が誰にビザを与え、帰化を認め、入国を認めるかは、国がコントロールできる(すべき)と思います。
移民をもっと受け入れろとは誰もいっていません。また、外国人参政権も謳っていません。

日本には100万人規模の二重国籍者がいる(実は容認?)

特に生まれつき二重国籍で成人になっても国籍の選択をしない場合は、実は容認されていると思います。国際社会において、この数字が下がる可能性は低いでしょう。

最後に

内容から察する事が出来たかと思いますが、私は重国籍認めるのに賛成派です。これまででもこのような議論にはいつも違和感を覚えます。議論自体成立してない場合がほとんどです。問題点は以下の様のものがあります。

  • 移民(短期・長期・永住・帰化)の話を全て一緒くたにしている

  • 『日本人が外国籍を取得また帰化する』ケースと『外国人が日本国籍を取得また帰化する』ケースをちゃんと切り離して議論しない

  • 反対の理由はほとんどの場合感情論のみで、具体的な数字や裏付けが無い上に論点からずれている事が多い

生まれが日本で海外に住んでいる身にとって、日本人が外国に帰化しても日本国籍が保持できることを認めてほしいと願います。


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