メリットだらけの演劇教育 

私は横浜市で9歳と11歳の子供を育てているシングルマザーです。

ロサンゼルス、シドニー、北京、ブダペスト、ロンドン、バンクーバーなどで生活した経験があり多様な教育環境を見てきました。色々ある中で、特に「これは経験させてあげれてよかった」と思ったこと。それはズバリ演劇教育です。

長男がロサンゼルスで通った幼稚園では、毎週Show and Tell とよばれる時間があり、子供達が家からお気に入りのおもちゃなどを持ってきて先生やお友達の前でプレゼンをする時間です。当時4歳だった息子もスターウォーズのカイロ・レンのフィギュアを持って行って「プレゼン」をしたようです。

子供達2人がハンガリーのブダペストで通ったイギリス系の幼稚園では毎朝Assembly 集会がありました。終わりには挙手をした中から数人が選ばれ「得意な事」を披露する時間がありました。当時3歳だった長女は全校生徒の前でアナ雪の「レット・イット・ゴー」を熱唱したそうです(最初から最後まで!)

上記の例のように欧米では幼少期から「人前で自分を表現をする」という事に重みが置かれています。学校では個人によるプレゼンの機会はもちろん、演劇教育も早期から取り入れられています。同時に演劇は一般的で人気がある習い事の一つでもあり、夏休みなどに短期集中的に通える Drama camp/ Drama workshop なども充実しています。それぞれの国や都市でも違ってくるかとは思いますが、私の印象では「演劇」を学ぶことは結構メジャーで4人に1人くらいは何かしらのワークショップ・キャンプや定期的な習い事として学んだことがある印象です。

ロンドンでは子供達がPERFORM という団体が主催している2週間ほどDrama Camp に通いました。最終日には保護者向けに「ピーターパン」のパフォーマンスを見せてくれました。しかし、主催者が力を入れていたのは「見事なパフォーマンス」ではなく、あくまで子供たちの発育という観点から自信を育み、集中力をあげ、達成感を高めることでした。短期間でしたがうちの子供達も毎日目を輝かせて通ってくれました。

オーストラリアのシドニーにはNational Institute of Dramatic Art (“NIDA” ) という国立の演劇学校があります。あのケイト・ブランシェットやラッセル・クロウを輩出した由緒ある学校であり競争率の高い難関校です。当校は別枠で子供や社会人が気軽に受講できる短期コースやワークショップを提供しています。私の子供達も子供向けのコースを2期受講しました。先生方は大学院の卒業生だったようですが、毎日楽しそうに通ってくれました。演技レッスンでは集中力、注意力、想像力、自発力などをゲーム形式で育みます。子供達にとっては「レッスン」というよりお友達と遊んでいる感覚でとにかく楽しかったようです。

日本に帰国してから似た形式の子供向け演劇教室を探してみましたが、なかなか見つかりませんでした。

そもそも、私は子供の頃から演劇や物語が大好きで、今は念願かなってテレビや映画制作の仕事をしております。プロの役者さんのお仕事を間近でみる機会に恵まれてきました。自分の知識、経験と人脈を活かしつつ、発育の観点から演劇教育を学び、日本の子供達に提供したいと考えています。

演劇教育の一番のメリットとは、共感力 (Empathy) ではないでしょうか。自分とは異なる人物(動物、妖怪、お化け、物、なんでもあり!)の外見と中身を想像する。その過去と現在と未来を想像する。掘り下げる。理解する。そして、表現する。伝わったこと、それは、大きな自信に繋がります。そしてその積み重ねが心の中の「引き出し」を増やします。

コロナ禍で続いたマスク生活。ネット社会が個々の繋がりにもたらす影響。
子供達の未来を考えた時に、演劇教育に一つのヒントがあると、私は考えています。

初回の投稿で長くなりましたが、お時間をありがとうございます。次回は演劇を通した英語(外国語)教育に関して考えたいと思います。




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