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ベトナム戦争の博物館が面白い【コロナ前のベトナム南部旅行①】

 第二次世界大戦や太平洋戦争に興味がある。旅行先でも戦争遺跡や関連する博物館があると足を運ぶ。2015年、ベトナム南部の拠点都市、ホーチミンシティを訪れた際は、その延長でベトナム戦争関連の博物館を訪れた。最も印象的だったのは、並べてあった戦車でも当時の写真でもない。英文の説明書きが、かの戦争を「ベトナム・アグレッション・ウォー」つまり「ベトナム侵略戦争」と表現していたことだ。

 日本語で一口にベトナム戦争、という。しかし現地の人にとっては、あるいは少なくとも政府・行政機関側にとってはアメリカによる侵略ということなのだろう。太平洋戦争に比べると経過や推移に詳しくないこともあり、ついつい展示に見入ってしまった。もう7年も前の話だけど、博物館の様子を街角の風情とともに紹介したい。


そのときの旅程はこちら。特にあてもなく、とりあえず①ホーチミンシティ行きの切符を買った。それから②カントーという町で何日か過ごして帰った。北部の首都ハノイと迷ったが、こちらは後に訪れた。


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 ベトナムへは、成田空港からベトナム航空を使った。ベトジェットというLCCもあるが、2015年はまだ就航前だったのかな。撮りがちだけどあまり見返すことのない機内食の写真。海外旅行の機会がほぼなくなった今となっては、なんでもないのにとても愛おしい。


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 タンソンニャット空港からは152番のバスがホーチミンシティ中心部までを結んでいた。料金は均一で5000ドン(約25円)、大きい荷物があると1万ドン(約50円)と聞いていた。担いでいたザックから後者の判定となったのか、運転手に1万ドンと言われた。どっちにしろ安いのでありがたい。今も同じ値段なんだろうか。


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 中心部のベンタン市場前。ランドマーク的存在である。


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 さて、博物館のこと。「ベトナム戦争証跡博物館」という。入場料は当時、1万5000ドン(約75円)だった。まず屋外に置いてある戦車などの展示が目を引く。これは米軍の戦車、M48パットン。


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 こちらはM41ウォーカーブルドッグ。朝鮮戦争でも用いられた。


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 艦上攻撃機スカイレーダー。太平洋戦争でも使われていたので、兵器としては長寿命と言える。インドシナ半島は太平洋戦争でも戦場になったが、主な戦闘はイギリスの植民地だったマレーやミャンマー方面。ベトナムはフランスの植民地だったが、本国がナチス・ドイツに敗北すると、日本軍が進駐した。


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 日本の反戦運動に関する展示もあった。私は旅行に行くにあたって開高健の『輝ける闇』などを買い込み、読んでいった。


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 米軍による枯葉剤散布の影響を伝える写真。他にも、遠慮のない遺体写真の展示もあり、迫力があった。


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 ベトナム戦争を取材したカメラマン、沢田教一の身分証明書も展示してあった。


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 同じくカメラマン、石川文洋氏が使っていたニコンF。このころはオートフォーカスもないし、自動露出はなかったか、あっても今よりずっと性能の低いものだっただろう。フィルム感度も低く、シャッターを押せばとりあえず画が映る現代と違って、まずきちんと映す技術が必要だったはずだ。カメラマンは、技術者の側面も強かったのだと思う。
 展示はまだまだたくさんあったのだが、正午で博物館は昼休みに入るとかで追い出されてしまった。残念。


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 ここからは街角の様子を。
 その辺で見かけたドラえもんの着ぐるみ。なんというかその…大変に不格好だ。ドラえもんは人気なのか、テレビでもアニメを放送していた。


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 ホーチミンシティで投宿したのはどうということのない中級ホテル。ケープタウンじゃなくて、キャプタウン?


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 ホーチミンシティの朝。路上のテーブルでもりもり朝飯を食べる人たち。こういう光景が好きである。日本にも朝飯外食文化があるといいのになー。


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 ベトナムの食で有名なのが当地風バゲットサンドの「バインミー」。かつての宗主国フランスの影響が残る。しかし、香草がはさまれ、魚醤がかけられているあたりがアジアなんだよな。端的に言ってうまい。これ、2万ドン(約100円)でした。


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 バインミーはが売っているのはこんな感じの店。街角のあちこちにある。


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 注文すると、こんな感じで卵を焼いてくれる。素手でパンをつかむおばちゃん。今だったらちょっと気にするかも。


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 これもバインミー屋。ベトナム語は文字がアルファベットを基にしているので、少なくとも読むことができるのがありがたい。


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 市場に行くと、いろんな鳥たちが売られていた。鶏はともかく、ハトやアヒルなど種類が多い。


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 高温多湿の環境に生肉。その辺の屋台や店で食べている肉もこんなところで仕入れているのかもしれないね。


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 中華街、チョロンの中国寺院。天井から吊してあった巨大渦巻き線香が目を引いた。


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 こんな感じで補充するようです。


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 お布施の額と名前を記したお札だろうか。漢字である。中国と隣接している国だから、何かと中国文化とも縁があるのかもしれない。


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※2015年9~10月の旅行です。通貨換算はおおざっぱに。
※全ての写真は筆者撮影です。カメラはニコンD700、レンズはタムロン28-75ミリF2・8

 こののちにハノイなどを訪れたときの記録はこちらです。



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