「あなたの夢は何ですか？」
教師や面談、雑談などなど……子供のころから聞かれることが多いこの質問。なぜだか人は確固たる信念や目標を胸に秘め、それを実現するためにブレずに生きていくことが良きことのような価値観がある。
たしかに、それ自体は素晴らしいことではある。が、この価値観に縛られて苦しむことも多いのではと思う。

仕事のキャリア形成においても、ひとつの領域でのステップアップに固執してしまい、理想と現実の自分とのギャップに悩む人もいる。そもそも、その人の「能力」は仕事環境によって相対的に変化するものなので、「能力」が成長しない、自分の力を発揮できないと思うのであれば、環境を変えてみるといいのかもしれない。

自分はというと、漠然とデザインやものづくりに関わっていたいなという夢（？）はありつつも、確固たる目標があったことはない。
現在もWebサイト構築に関わっているが、10年前はこの仕事をしているとは想像もしていなかった。そして、制作現場のリーダーになっているなんて…….。

人生は予測不可能、不確実なものだなぁと思う。
自分は明確にやりたいことがあるわけではないので、求められることは何でもやってみたのは良かったのかもしれない。得意、不得意関係無くとりあえず飛び込むことで未知の扉が開くことがあるのだなと、そんな風に思う。

自分が少し成長できたなと感じるのは、自分が「できる・得意だ」と思った領域から半歩くらい逸脱したとき。勝手に得意だと思っていたことを思い切って手放してみることで、新しい自分が発見できたりする。

自分の意思とは関係なく、流れに身をまかせることで偶然新しい自分に出会う。行き詰まったときな、意図的に流されてみることもいいかもしれない。