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「相手の話を聞く」とはどういうことか(阿部)2023/09/27

Webディレクターという仕事柄、人の話を聞くことが多い。クライアントとのヒアリングや社内コミュニケーションでも会話する機会が多い。今でもなかなうまくできない「聞くこと」や「対話」について考えてみた。


閉じこもった生活でないかぎり、小さな会話であれ「相手の話を聞く」ことをしている。
友人、家族、恋人、もしかしたら街中で突然話しかけられることもあるかもしれない。その場合、相手の意図を的確に理解し、咀嚼した上で最適な答えを返す….ということができなくてもいいのかもしれない。人との関係性を円滑にするには正解や正しさをやりとりするのではなく、相槌をうち適当に話をラリーさせることの方が重要だったりする。

ただし、仕事においては別である。「相手の話を聞く」は重要なスキルであり、これができるできないが、一つのキャリア形成の壁になると言えるかもしれない。
仕事で「相手の話を聞く」はとても難しい。

自分が最近まで勘違いしていたのは、ポイントが「今相手が話している内容を集中して聞く」にあると思ってたことだ。これだと、話されている言葉の意味や真意のみを表面的に理解してしまう。
この行為の落とし穴は表面的に理解してしまうこと。つまり、本質的には相手のことが理解できる前に、勝手に自己理解で完結してしまいがちである。

やはり、集中して聞くだけでは、相手の話を聞いていることにはならない。

集中してよく聞くから、さらに一歩進めるには相手の話している背景に思いを馳せることである。
大事なのは「よく聞いた」ことで、勝手に理解できたと思わないことで、なぜ、この人はこの話をしているのか。どういう意図で話しているのかを考え続けること。

相手の文脈を想像する。その力があることで、本当に相手の言いたいことを聞くことができるのかもしれない。

一方、自分が相手に話すときに困ってしまうこともある。
「自分がこんなこと言っていいのだろうか」「気分を害すのではないだろうか」「無能だと思われるのではないか」「議論の流れを止めてしまわないか」……その場の空気を読みすぎたり、自意識が邪魔をして本来の自分の役割を見失ってしまう。

でも仕事の中で大切なのはそこではない。率直な意見や感想をポンとその場に出し、議論し、自分自身を知ってもらうことである。パーソナリティーを知ってもらうことは、その後の仕事でも役に立ちます。自己開示せず、そつなく進めるよりも強く楽しい関係性が結べるかもしれない。
仕事でも自己開示していいのだ。

話を聞き、話をする。
相手のこれまでの文脈を想像し、気負うことなく自己開示することで、いい対話が生まれるのかもしれない。

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