ナウマン

唐突だが、最近ナウマン象が気になる。自分の中でちょっとしたナウマン象ブームが来ているといってよい。氷河期くらいに日本にいた象、ナウマン象。ハインリッヒ・エドモント・ナウマンさんが化石の研究をしたことに因んで名付けられたナウマン象。現代にいなくて少し残念だ。ちょっとした気付かない日常の中に生き残りがいて欲しい。

福島県のある小さな都市の客の入らないラーメン屋。そんなラーメン屋でラーメンを注文。
「すみません、タンメン一つお願いします」
「あいよ」
と厨房から覗かせたオヤジの顔はどこかで見たことある顔。
「あっ、オヤジさん。どこかで見たことあるよ」
「いや、気のせいですよ」
「そうだ、思い出した。オヤジさん、ナウマン象でしょ」
「嫌だなあお客さん。ばれちゃったよ」
氷河期には栄えたナウマン象が、生物学界の盲点を突く。

自動車に貼ってあるのを見かけるシール。
「ナウマン象が乗ってます」
英語で書くと「Naumann in the car」。

レントゲン写真を見て唸る医者。心配そうな表情の患者。
「うーん、肺にちょっと影が見えますねえ」
「それはどうなんですか」
「これは、ナウマン象ですねえ」
「どういうことですか」
「大丈夫です。根は優しい奴ですから」
大丈夫なものか。

新橋にある老舗の寿司屋に毎年恒例の貼り紙。
「ナウマン寿司はじめました」
老舗だからこそできる業。寒い季節にナウマン寿司。身も心も温まる。これだから日本人はやめられない。

コンビニエンスストアの会計。
「852円になります」
「細かいのなくて、大きいお札ですが構いませんか」
「はい、構いませんよ」
「では、これで」
「ナウマン円札入ります」
一万円札に代わるナウマン円札。

知らない所で活躍するナウマン象。ひょっとしたら、人間はナウマン象に生かされているのかもしれない。

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