ファーブル婚中記

昆虫記で有名なファーブルはフランス人だ。ということは、恐らくファーブルは本場フランスのファッションから目を背け、昆虫に目を向けて生きた人だ。ファッション談義に花を咲かせているクラスメイトに交じる事なく、校庭の花壇でコオロギを突いていたのだろう。お洒落な服で着飾った青春やトレンディーな恋愛などと決別し、蟻の巣に水を流し込んだり、蝶の蛹をセロファンテープでグルグル巻きにして思春期を過ごした人なのだと思う。

・夜空の星を結び昆虫座を作って頬を赤らめた夜
・昆虫と将来の夢を熱く語り合って夜を明かした青春時代
・将来を誓った昆虫と一緒に市役所へ婚姻届を出した日
・昆虫で味噌汁の出汁をとってみた夕食
・さっとあぶった昆虫でお客をもてなしたパーティー

ファーブルと昆虫と共に過ごした素敵な思い出や、赤裸々な日々を綴ったファーブル昆虫記。笑いあり、涙あり、ちょっぴり切なくなる物語、現代の奇書の一つだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?