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「大聖堂」の読書感想文

レイモンド・カーバー著、村上春樹訳「大聖堂」を゙読みました。
登場人物は大抵は失業、離婚、アル中、等々の問題を抱えています。この短編集の特徴をよく表していると思う部分が「轡(くつわ)」にありました。

She sighs and leans back. She lets me keep the hands. "I'd say ’Dreams, you know, are what you wake up from' That's what I'd say. " She smooths the lap of her skirt.

彼女は溜め息をついて、背中をもたせかける。私に手を差し出す。「私はこう言うわ、〘夢というのはそこから覚めるためのものです〙そう答えるわね」彼女はスカートの膝のところの皺を直す。

とても現実的な言葉です。全体的にそれを体現するような物語が続きます。そこに独特のユーモアがあって最後まで飽きませんでした。
最も好きな作品は〘ビタミン〙です。
雑用係の夫と訪問販売員の妻、その妻の同僚の女性たち、ベトナムの戦場から帰還したばかりの黒人とその友人。簡単には交わらない人物たちの交わりが楽しめました。。
次に好きなのが《保存されたもの》
翻訳の村上春樹さんは改題で「話の流れが幾分分散している傾向があるように訳者は思う。」と書いてありました。私はその部分が好きです。ビートルズと同時代のクリームの音楽のように色々な要素がまざりあった作品が好きです。リンゴ・スターよりもジンジャー・ベーカーが好きです。
それでもこの作品は特に気になる短編に関してはペーパーバックを探して、原文で読みました。村上春樹さんの翻訳に完全にハマっているのだと思います。「鬼滅の刃」をはじめは面白くないと思っていました。しかし、今は手元に全巻を揃えています。翻訳にこれだけハマる村上春樹さんから作品にもハマって、読書感想文を投稿するだろうな思うぐらい楽しめる作品でした。
#読書感想文






その中にユーモアがある。重さと明るさのぜつ
失業して、無気力になった夫は動かず、語らず、彼は何もしません。その間に妻は友人から同様の状態の知人の話を聞きます。そして、も受け容れられます。

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