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さよならの向こう側なんかない

中3の冬に一度も短くしたことのない長かった髪を切った、死ぬためだった、死ねなかった、その日のために、美しい死体のために新しい靴や服も買って出掛けたのにわたしは、わたしは、死に損ないにすらなれなかった、飛び降りることも首を吊ることも出来なかった、生きたいとは思わなかった、ああこんなものなのかと自分に落胆しながら、それでも重い足を引きずって満員電車に飛び乗って帰宅した
死ぬのに必要な言葉とはなんだろう、さよならだけじゃきっと足りなくて、好きだったは呪いになって、結局、あなたがしあわせに生きられますようにという祈りは誰にも届かないのではないか?さよならの向こう側なんかない、友達と食べたショートケーキを無様にトイレで吐きながら考えた夏だった、わたしの崇拝するだいすきなあなたは地上で唯一会える神様、来世は、来世こそはちゃんとしますだからどうか、今ここでわたしを殺してください神様、あなたの、あなたのきれいな手を汚させたい、あなたの呪いになれたならどれほどよかったか考えた冬だった

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