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不思議な出会い〜読みかけ日記「ぼけと利他」 伊藤亜紗・村瀨孝生 を兼ねて〜

  「ぼけと利他」。伊藤亜紗さんの本には注目していて、この本も読みたい本リストに入れていました。

 日頃よく行く書店には在庫なしの状態が続いていたある日、遠征の仕事の休憩中に通りかかった書店で介護の特集コーナーが組まれていて、この本が置いてあるのを見かけました。

 その時は買うことができず、気にはなったものの購入しないで通り過ぎました。

 先日、久しぶりに行った街で待ち合わせの時間には少し早かったので、通りがかりの書店に入ってみました。

 大型のチェーン店ではなく、小さなビルの2フロアではあるけれど店の中は昔は近くによくあった個人の書店のような雰囲気が残っていて、品数もそれほど多くなく、ハードカバーの本は本当に限られたスペース。欲しいものはここにはないかと諦め気味でした。

 そんな棚の一角に、大手書店ではほとんど見ないミシマ社の本を集めたコーナーが設けられていました。

 棚を眺めているとその中にあったのがこの本。待ち合わせには時間があったので、読みながら待とうと購入、喫茶店に入り、コーヒーを飲みながら読み始めました。

 最初の数ページを読んだだけで、介護をする人と介護を受ける人との関係性の見え方が変わりました。

 4月に亡くなった母のことなども思い出しながら読みました。

 待ち合わせの相手が意外に早く到着したため、その時は最初の10ページくらいを読んだだけでしたが、すごく面白いと思い、帰宅後、寝る前に取り出して読んでいました。

 用事で棚の上にちょっと本を置いておき、また元の場所に戻そうと取り上げた時、全体を掴み損ねて最後の10ページくらいのところが開いて、「声は体の生身を表現している」という言葉が目に入ってきた...ような気がしました。(...以下の理由は後で)

 これ声、呼吸、体の関係で自分が今取り組んでいる呼吸のワークで自分が求めたいと思っていたものにつながっている‼︎

 この本、やっぱり読めと言われている。そう思い、ちょっと興奮しました。

 それから読み進めていくと、一般的に「ぼけ」と言われている人の状態、介護する人との関係などから体、声、ことば、表出するものと本当に表現したいこととのズレ、そのことをどう考えるかなどについて、目を開かされることがたくさんありました。

 まだ、最後の方のページに辿り着いていないのですが、早く到着したくて最近もう一度その最後の方の言葉を読み返したくて、途中を端折ってページをめくってみたら...。見たと思っていたその言葉が見当たらないのです。

 あれほど強烈なインパクトがあったことばなのに。見間違えた?開いたページの感触を頼りに周辺を何度も読み返しましたが、見つからず。何か記憶違いだったのでしょうか?

 もう一度そこに辿り着く時はちゃんと中身を読み込んで、理解してからだよ、今はまだその時期ではないと言われているのかもしれません。

 もしかして最初の方だったのを勘違いしているのかと最初の方を読み返したら、最初に読んだ時とは気づかなかった視点に気づき、読み方がまだ浅いなと思ったこともありました。

 言葉がもう一度私の前に現れてもよいと思ってくれる時まで、ちゃんと読みながら楽しみに待とうと思います。

 その時の私には何が見えるだろう。最初に見た時とは全く違うものが見えるかもしれません。

※サムネイルのイラストはテーマとは直接関係ないのですが、「不思議」という検索ワードで出てきた中で、今日が満月なので心惹かれたにゃこぱんさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございます。


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