自由主義研究所

自由主義研究所は、国際標準の自由主義である「クラシカルリベラリズム」「リバタリアニズム…

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自由主義研究所は、国際標準の自由主義である「クラシカルリベラリズム」「リバタリアニズム」「オーストリア学派経済学」を広げることを目的として、2023年1月に設立した民間シンクタンクです。 【代表】藤丸【主任研究員】蔵研也

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  • 海外の自由主義系シンクタンク

    海外の自由主義系のシンクタンクの紹介や、そのシンクタンクのレポートを翻訳・意訳して紹介しています😊

  • 自由主義について

    自由主義の考えや、全体主義が危険な理由などをわかりやすく書いています。ぜひご覧ください。

  • イギリス・オランダ・アメリカの歴史

    イギリスの15世紀からの歴史を知ることは、自由主義を学ぶ上で重要です。ヘンリ8世のイングランドから、楽しく読めるように書いてみました😆 そこから一部だけオランダの歴史と、アメリカの建国からの歴史も続けて書いています。ぜひシリーズで読んでください😊

  • リバタリアン大統領!のアルゼンチン

    2023年12月、アルゼンチンにリバタリアンでオーストリア学派の経済学者でもあるハビエル・ミレイ氏が大統領に就任しました。世界中の自由主義者注目を集めるアルゼンチンについての記事をまとめています。

  • 自由主義研究所の活動報告など

    自由主義研究所の理念や活動報告などについての記事です。

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「日本経済の病」~金融緩和などの日本の経済政策について、オーストリア経済学の視点からの評価

昨年12月4日のニュースで「日銀 25年間の金融政策分析で外部有識者の討論会を初開催へ」という記事がありました。 以下、記事から一部抜粋しますが、金融緩和などの日本の政策について効果・副作用を分析するとのことです。 また、12月19日には「日銀、マイナス金利解除見送り 大規模緩和を継続」という記事がでました。 そこで今回は、自由主義の経済学であるオーストリア経済学者のヘスース・ウエルタ・デ・ソト氏による日本の経済政策についての評価を紹介しようと思います。 ちなみに、デ

    • 「自分の国のことを思うなら、ミーゼスの【自由への決断】を読もう」

      先週4月14日、とある動画がX(旧ツイッター)で拡散され話題になっていました。 アメリカのUFC(総合格闘技)ファイターのレナト・モイカノ選手が、試合後の勝利スピーチの中で次のように話したのです。 「私はアメリカを愛し、憲法を愛し......銃を持ちたい。私は私有財産を愛している。言わせてくれ。自分の国のことを思うなら、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスとオーストリア経済学派の6つの教えを読め」。 格闘技の選手が、自由主義のオーストリア学派経済学者ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス

      • 中央銀行とは何か?~政府権力と戦争との関係について歴史を検討する

        現在、円安が猛スピードで進行しています。 日本銀行は先月、マイナス金利政策を解除しましたが、それでもアメリカの金利を大きく下回っています。 また、物価高による生活必需品の高騰を受けて、一般家庭の生活は苦しくなってきています。実質賃金は23ヶ月連続マイナスの中、社会保険料などの税金は容赦なく上がっていきます。 そんな中、日本銀行政策委員会審議委員の野口旭氏は、本日4月18日、日本銀行が実現を目指してきた「賃金と物価の好循環」に向けての展望について発表しました。 ところで、

        • ミレイ大統領を攻撃する「自由主義者」について

          アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領について、自由主義者からの批判の声があります。 無政府主義寄りのリバタリアンは、ミレイの行動は妥協的だと批判します。また、リベラルに近い自由主義者は、ミレイの宗教・中絶などについての発言を批判する傾向があります。 様々な意見があることは良いことですし、むしろ個人崇拝はリバタリアニズムからは離れた考え方です。しかし、今回はあえてそれらの批判に反論したいと思います。 自由主義という大義を掲げ、具体的な政策の理想を示すことは非常に重要です。

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          緊急事態宣言の危険?~コロナ禍の反省から「緊急事態条項」を考える

          岸田文雄首相は3月27日に、憲法改正による緊急事態条項の新設に関し「首都で大きな災害が起きた場合、国会の権能を維持できるかどうかは平素から考えておくべき課題だ」と語りました。 しかし総裁任期が迫る中、改憲は難しそうです。 下記の記事によると、衆院憲法審査会は2023年6月に緊急事態条項に関する各会派の立場をまとめた論点整理にこぎ着けたものの、その後の与野党協議に具体的な進展は見られないとのことです。 岸田首相の任期内に改憲はないかもしれませんが、緊急時の権力については、個

          緊急事態宣言の危険?~コロナ禍の反省から「緊急事態条項」を考える

          「福祉国家」は不況を長引かせる?

          こんにちは、自由主義研究所の藤丸です。 「福祉国家亡国論」という本があります。 著者の山本勝市氏は、元・自民党の衆議院議員であり自由主義経済学者でした。ハイエク研究の第一人者でもありました。 「福祉国家亡国論」は、簡単に言うと、 ”行き過ぎた福祉により、個人の努力による備え(自助)や家族や地域社会との助け合い(共助)の精神が失われ、重い税負担と官僚による所得再分配により国は亡国への道を歩むことになる”、という過剰な福祉への警鐘を鳴らす本です。 本が書かれたのは、今から約

          「福祉国家」は不況を長引かせる?

          食料安全保障で誤解されていること

          食料安全保障の強化を柱とする「食料・農業・農村基本法」改正案が、3月26日に衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしました。 有事の際の食料安全保障のため、食料自給率の向上を訴える声は以前から上がっていました。 しかし、国内の農業を保護し食料自給率の向上を目指すことは、食料安全保障の点で良い効果があるのでしょうか? 食料安全保障の目標は、国民の栄養要求を満たすことです。食料がどこで作られるか、その供給源は重要な問題ではありません。 自由貿易を盛んに行うことで、多くの

          食料安全保障で誤解されていること

          フランス革命勃発!ヨーロッパの混乱とアメリカ~アメリカの歴史(8)

          今回は、アメリカの歴史の8回目です。 前回はこちらです ↓ 1,ハミルトン体制の構築と第一次政党制 ワシントン政権発足以降、初代財務長官ハミルトンは、経済発展のためには、保護主義的な政策や経済環境の整備が必要として、体系的な経済・財政政策を打ち出します。 「公信用に関する報告」では、独立戦争中に積み上がった膨大の債務のうち、各州の債務も連邦政府が肩代わりして償還し、その支払のために新たに国債を発行するとしました。 しかし、すでに償還の終了している州に不公平などから、マデ

          フランス革命勃発!ヨーロッパの混乱とアメリカ~アメリカの歴史(8)

          合衆国憲法の制定!フェデラリストとアンチ・フェデラリスト~アメリカの歴史(7)

          今回は、アメリカの歴史の7回目です。 前回はこちらです ↓ 1,合衆国憲法の制定 1781年、「連合規約」にようやく全邦批准が実現し、発効しました。 連合会議は脆弱ながらも正式に各邦を束ねる中央政府のような機関となったのです。 不完全ながらも行政機能を分掌しましたが、課税権の付与は実現しませんでした。 西部領土は、各邦ではなく連合会議の管轄下に置かれました。 1785年の公有地条例では、旧北西部の公有地の測量・売却の手続きが定められました。 1787年の北西部条例では、

          合衆国憲法の制定!フェデラリストとアンチ・フェデラリスト~アメリカの歴史(7)

          アメリカ独立戦争と外交の勝利~アメリカの歴史(6)

          今回は、アメリカの歴史の6回目です。 いよいよ独立戦争が勃発します。 ※このシリーズは、歴史を学ぶことで自由主義を理解しやすくなるために書いています。そのため、実際の戦闘の様子については書きませんので、ご了承ください。 詳しくはこちらをご覧ください↓ 1,「連合規約」の制定 1777年、アメリカの大陸会議は「連合規約」を制定します。 これが最初の連邦憲法というべき存在となります。 「連合規約」は全13条からなり、第一条に「本連合の名称」を「 United States

          アメリカ独立戦争と外交の勝利~アメリカの歴史(6)

          ミレイ大統領の議会開会式の演説全文の和訳(後編)

          アルゼンチン第142回通常国会開会式(2024年3月1日)におけるミレイ大統領のスピーチの全文文字起こしの和訳の後編です。 前編はこちらです ↓ 太字と(※)は筆者です。一部、意味の不明瞭な部分があります。アルゼンチンに特徴的なことなのかスペイン語独特の言い回しなのか不明ですが、ご了承ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アルゼンチン第142回通常国会開会式におけるハビエル・ミレイ大統領のスピーチ全文の和訳(後編) 私たちは常に、私たちに

          ミレイ大統領の議会開会式の演説全文の和訳(後編)

          ミレイ大統領の議会開会式の演説全文の和訳(前編)

          一昨日(3月15日)、「アルゼンチン上院、大統領の大規模経済改革案を否決」というニュースがありました。 ハビエル・ミレイ大統領は、3月1日の議会開会式のスピーチで、協力を呼びかけていますが、大きな改革は従来の利権構造を守りたい勢力からの抵抗が非常に大きく、やはり決して簡単な道ではないのでしょう。 今回は、そのアルゼンチン第142回通常国会開会式(2024年3月1日)におけるミレイ大統領のスピーチの全文文字起こしを和訳しました。 かなり長文なので、前編と後編の2回にわけて書き

          ミレイ大統領の議会開会式の演説全文の和訳(前編)

          「政府支出が経済を活性化させる」は本当か?

          政府がある産業や地域に投資することで、経済が活性化し、別の分野も巡り巡って恩恵を受ける、という意見を聞くことがあります。 本当にそうでしょうか? 政府の財政出動により景気が良くなるという積極財政の考え方は、ケインズ主義そのものです。 それが正しいのであれば、政府支出が非常に多い日本で、経済成長があまり見られず、実質賃金が下がり続けているのはなぜなのでしょうか? 今回は、このような政府支出に関する話で、アメリカの自由主義系のシンクランク「ミーゼス研究所」のHPに掲載されて

          「政府支出が経済を活性化させる」は本当か?

          自由主義と民主主義の違いとは?~なぜ自由主義の前提で民主主義を行うことが重要なのか

          こんにちは。自由主義研究所の藤丸です。 前回、アメリカの保守系政治集会CPACでの、アルゼンチン・ミレイ大統領の演説を紹介しました。 この演説の中で、「制限のない民主主義」という話がありました。 一部、引用してみます。 「4匹のオオカミ」と「1羽のニワトリ」の合計5匹がいたとして、「今夜何を食べるか」という議題について、制限のない民主主義のやり方で決定するとしたら、「ニワトリを食べる」という意見にオオカミの4票が入り、その結果、ニワトリは食べられてしまった。 という話で

          自由主義と民主主義の違いとは?~なぜ自由主義の前提で民主主義を行うことが重要なのか

          「自由のための戦いを諦めてはいけない」~ミレイ大統領CPAC演説全文

          今年11月に大統領選挙を控えるアメリカで、2月下旬、首都ワシントン近郊で保守系政治集会「保守政治行動会議(CPAC)」が開催されました。 アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領も出席し、今年1月のダボス会議での演説の「政治的見解を支えたテクニカルな基盤」について話しました。 今回は、CPACのミレイ大統領の演説全文を和訳して紹介します(太字と括弧と※注は筆者です)。 ※(3月8日追記) 演説動画に日本語の字幕テロップをつけたのはこちらです↓ こちらのダボス会議の演説のn

          「自由のための戦いを諦めてはいけない」~ミレイ大統領CPAC演説全文

          アルゼンチンのミレイ大統領が、国家財政のための資金発行を禁止する法律を発表

          今回は、「ミレイ、公共支出を賄うために紙幣を印刷した政治家を投獄へ」という2月24日の記事を、和訳・一部意訳して紹介いたします。 元の記事はこちらです ↓ ※太字と(注)は筆者です。 ミレイ、公共支出を賄うために紙幣を印刷した政治家を投獄へ アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、国家財政のための資金発行を禁止する法律を発表しました。 ミレイ大統領は、「シニョリッジ」すなわち債務の貨幣化、言い換えれば 「国家財政のための中央銀行による貨幣発行」を法律で禁止する予定です。

          アルゼンチンのミレイ大統領が、国家財政のための資金発行を禁止する法律を発表