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社員が生き生きと働くために気を付けていること~第5回 成川さんへの質問会~

2023年12月に(当時)社長の成川さんへの「何でも質問会」と題して、
アンバサダーより質問を投げかけ、ご回答(語って)いただきました。

全5回に分けて、その一部をお伝えしています。
最終回のテーマは、「社員が生き生きと働くために気を付けていること」です。

▼各回のテーマはこちら
法定の一歩先を行く障害者雇用やDEIのポイント
DEIの施策を始めるときに経営陣にアプローチする方法
会社が人を引き付けるには~吸引力の正体~
人事評価について思うこと
・社員が生き生きと働くために気を付けていること(本記事)

 (執筆:JPTアンバサダー トミー)

ーJPTの社員さんたちが、生き生きと働くために気を付けていることや、そのための接し方があれば教えてください。


やっぱりプレッシャーがある状態だと生き生きは難しい人もいると思っていて、JPTは、そういう人たちが魅力を感じてくれる会社だと僕は思うんですね。「スケジュールプレッシャーはないです」と言っているので。

なので生き生きと働くために必要なことというのは、会社のコンセプトをしっかりと決めるということと、それに合った人を集めるというのが前提条件となっていると思います。
それをやった上で、個々の従業員との付き合い方を考えていけばいいと思うんですけど、従業員と派遣の方と業務委託の方は、求めることも違うし付き合い方も全然違う。一番大事な点は、時間軸だと思っています。

従業員と結ぶ雇用契約には具体的な業務内容は書かれていなくて、まずはこの部門での業務を始めましょう、そしてその先は会社にとって良いことをお互い協力してやっていきましょうというものだと理解しています。
業務委託の方は、具体的にこの業務をお願いしますという契約、ABCがあってこれを月いくらでやってくださいという契約です。
派遣契約は、派遣元会社と派遣先会社が交わすもので、実際に働く当事者とその人を受け入れる派遣先は直接的に契約をしません。何を契約するのかというと、これぐらいのスキルを持っている人に月何時間こういう働き方で来てもらいますということです。

なので、業務委託と派遣に関しては、まさにその一瞬一瞬、週単位、月単位でしっかり約束した成果を出して貰う必要がある。そういう契約だと僕は思っています。
一方で雇用契約はもっとロングスパンなんですね。短くても5年10年のスパンで、この会社にとって良いことを今考えてやろうという契約なんで、例えば今週出来なくても来週出来ればよいし、今月出来ていなかったことが来月出来るようになっていれば、会社にとっても本人にとっても良い。だからこそ、そういう時間の使い方をしようというコミュニケーションを僕は取れると思っているんです。

だから、今出来ないことがあったり、スキルが足りなかったり、今体調が悪かったりしても全く問題がない。それは制度の許す範囲で、休んだり、時短したり、今週頑張ったりしながら調整をしていけばよくて、成果というのはずっと後で良いんだと。じっくりやろうというコミュニケーションを取っていれば、あの人にこう言ってしまったとか、寝坊しちゃったとか、目先のことは本当に僕にとっては小さなことで、くよくよする必要がなくなるんじゃないかなと思うんですよね。
これをやってしまったから評価が悪くなるみたいな心配は、横に置いておきましょうと、5年10年先を見て仕事をやるのでいい。

不注意によるミスってそのスパンで見ているとそんなに問題ないんですよ。でも、今週この仕事をやり切らないといけないとなると、不注意からミスが出てしまって達成できなけば致命傷になり得るんです。
今日ダメだったら明日やろうとか、本当に淡々といかに積み上げられるかの勝負なので、今日一段積み上げられなかったとしても、10日で8段積み上げられていたら良い。

落ち着いてコミュニケーションを取って長い目でやっていれば、短いスパンで仕事をしなければならない状態で、致命的というか、不利になるような特性があっても、全然問題はないよねというのが、僕の大きな考え方、コンセプトですね。

だから、伸び伸びやれているんじゃないかなと僕は思いますね、社員たちを見ると。
そうなってほしいと思ってこういうコンセプトの会社を作っているので。
僕は結構せっかちなので、個人的には急いだりします。そのサイクルをぐるぐるぐると回したいんですけど、好き嫌いがありますから。

ーJPTでは寛容なやり方で出来ると思うのですが、そのような考え方を取り入れるのは一般的に難しいように感じます。短期での成果を求められている気がして、やっぱり日々プレッシャーは感じます。部署の特性によるのかもしれないですが。


それはマネジャーによると思うんですよね。
僕がね、管理される側、部下だったときに、上司とか偉い人たちに思っていたことがあって。
成川は結構せっかちなので、些細なミスをいっぱいするんですよ。「採用の内定です」と、で「こういう雇用契約になります」というのをメールで送ったりするときに、その契約内容を間違えたり。
でそれをやったときに、「とんでもないミスだよ」「取り返しのつかないミスになってたところだったよ」「今回は相手が大丈夫だったから良かったものの」みたいなことを言われるんですよ。

でも、僕にとっては、そんなもの全然致命的ではないと開き直っていたりして、それよりもあなたが取っている近視眼的な対応の方が、ずっと取り返しのつかない致命的なミスなんじゃないですかねと僕は思っていたんですよ。不注意からではなくじっくり考えた上で出した答えが間違っている、というのが僕が考える致命傷です。そもそもあなたはその権限を持つポジションにいてはならない人だ、という状態。

この一瞬一瞬でミスしたら致命的になるというのは、お医者さんとか、人の生死がかかっているようなそういう現場だったらよく分かるのですが、僕らがやっている仕事はそうではない。

だとしたら、もっと長いスパンで、自分たちはこうあるべきだという理想像を掲げて、そこからぶれないように、ちょっとした目先のミスは関係ないと、チャレンジしていこうという方針の方が、ワクワクするし、人も辞めない
結果、取り返しのつかないミス(例えば死んではいないけれど人が辞めてしまったら帰ってくるのが大変ですからね)が起こるよりも、ごめんなさいで済むミスを積み重ねて、お互い許し合いながら人が辞めない組織の方が良いんじゃないかと僕は思っていたんですよ。

JPTは、じゃあそういうスタンスの仕事の塊を作ったらどうなるのか、という実験ですね。

ーありがとうございます。復職したら今のお話を参考にして、多種多様な人が生き生きと働ける環境を整えていきたいと思います。


皆がミスに寛容だったら良いと思うんですけどね。

ーいちいち詰めることなく、「次から気をつけようね」みたいなことでしょうかね。


「仕組みで解決しよう」「君はこの仕事をしない方がいいんじゃないか?」みたいなことを明るく話せる職場だったらよくないですか。
「そうです。僕これやらない方がいいと思います」とか。

それで自分の生きる道が見つかったらハッピーじゃないですか。

ーそれをきっかけに、その人が適性を把握して、生き生きと働けるかもしれないですよね。

近視眼的になるのではなく大局観というものを大事にしたいと思います。


そうですね。それがあらゆるマネジャーたちに求められていますよね。


最終回は、社員が生き生きと働ける環境づくりのヒントをいただきました。

①まず組織のコンセプトをしっかりと決めて、それに合った人を集める
②集まった人たちとの契約関係により、求めることや付き合い方を考える
<業務委託・派遣の方>
 時間軸が明確に定まっているため、その期間で成果を出すことを求める
<雇用契約を結ぶ従業員>
 近視眼的ではなく、長いスパンで会社にとって良いことをしていくことを目標に、成果を地道に積み上げていくことを求める

こちらの従業員との接し方は、立場に関わらず、常に念頭に置いておきたい考えですし、自分自身に対しても、そのように考えることで伸び伸びと働ける気がしました。

「もっと長いスパンで、自分たちはこうあるべきだという理想像を掲げて、そこからぶれないように、ちょっとした目先のミスは関係ないとチャレンジしていこう」というのが印象的で、お話を聞いただけでも、ワクワクしてきました。

また、今回のお話は仕事面だけでなく、子育てやその他の場面でも役立ちそうです。
例えば、自分の子供に対しては、日々細かい心配事が尽きませんが、もっと長い目で成長を見守ってあげたいと思いました。

質問会では、組織づくりの場面だけでなく、生きていく中で大切にしたいことを沢山教えていただきました。
成川さん、お考えをオープンにご開示いただきありがとうございました!
新しい視点に触れられて、刺激的な時間を過ごせました。
質問会にご参加くださったアンバサダーの皆さんもありがとうございます。

教えていただいたことをヒントに、自分なりの考えも持ちながら、少しでも組織や社会が良い方向に変わっていくように微力ながら努めていきたいです。

最終回もお読みいただきありがとうございました。


#組織づくり #社員への接し方 #生き生きと働く #管理職の役割


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