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これを読んでいるということは。

最近、腹が立つことがある。何に腹が立つか、それは蜘蛛である。

私の三大嫌いなものは虫、飛ぶもの、めんどくさいことだ。ちなみに飛ぶものとは、鳥とか、飛行機とか、輝いた瞳をしたこれから羽ばたかんとする人とかである。まあそれは置いといて私は虫が嫌いである。

中学受験の際、第一志望を決めるために父親と色々な学校をめぐっており、野球の強い気に入った学校を見に行ったが(私は野球が好きだった)通学途中の並木道に数多の毛虫がひしめいているのを目撃し、即座に受験を諦めた。野球<虫だった。

高校生の時、自分の部屋にゴキブリが出た時、私は自分の部屋で寝ることを諦めた。そしてリビングで寝ようと思ったのだが一睡もできなかった。睡眠<虫だった。

大学生の時、壁に蜘蛛がいた。それを見つけた際、私はオナニーをしていた。私は考えた。そして、そのままオナニーをし続けた。性欲>虫だった。

しかしこの時、私は思った。蜘蛛はなぜこんなに目立つのかと。おかしい。言ってみれば蜘蛛は居候だ。この家は私の、正確には両親の家だ。その居候として、こういう態度はいかがなものか。なぜ堂々と壁の中央を歩くのか、私には全く理解できない。なぜよそよそしい態度で生活出来ないか。

もし我々が友達の家に行くとき、どうか。堂々とした態度で、お邪魔しますも言わずに勝手に入って、冷蔵庫のヨーグルトを勝手に食べたり、お風呂を勝手に追い炊きして入ったりするだろうか。しないはずなのだ。親に教育されるはずだからだ。他人には礼儀正しくしなさいと。

そして蜘蛛に至ってはそこに生死が掛かっている訳だ。絶対に宿主に失礼なことは出来ない。こういう思考になってもよさそうなものではないだろうか。

もう一つある。何故お前らは黒いのだ。我が家の壁は基本的に真っ白だ。真っ白な壁の中央に黒い点。気付くなというほうが無理だろう。私だってむやみやたらに蜘蛛を殺したいと思っている訳ではない。目立たないように、ひっそりと生活してくれれば、あるいは見つかってしまった時、お邪魔してすみませんとばかりに速やかに暗がりに退却してくれれば、私も同居人としてあなた方の生活を脅かすつもりはない。そう考えている。

君たちにも長所があることは私も存じている。君たちはゴキブリなどの害虫を駆除してくれるというメリットがあるらしいな。それに関しては非常に助かる。ありがとう。だけども、家の治安を守ってくれるとしても、そんなにあからさまに私の前に現れてしまうと、私にとっては不快極まりない。アルソックのCMの吉田沙保里でも壁の隅で見守ってたからね。それより存在感出してくるのは立場をわきまえて欲しい。

と、ここまで考えてふと思った。なんでこんなにも私の前に現れるのだろうか。

もしかして、私自身が害虫認定されたのではないか。

だから、頻繁に私の前に現れるのではないか。

私今、居候に乗っ取られそう。

弱肉強食の世界、必要なのは力のみ。この戦い、受けてたとうと思う。

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