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ケネス・ブラナーのポアロを見た

ベネチアの亡霊は映画館で、オリエント急行殺人事件とナイル殺人事件をAmazonプライムで。

どの作品も哀しくて、美しかった。
そして、海外旅行へ行きたくなる。

ポアロの名前もオリエント急行殺人事件というタイトルも知ってはいたが触れたことはなかったので、どの作品のストーリーも楽しめた。

以下、ネタバレありの感想。


オリエント急行殺人事件

一番有名であろうタイトル。
イギリスで起きた事件解決のために乗り込んだオリエント急行。脱線事故を起こした深夜、一つの死体が発見され、雪の中に閉ざされた列車の中でポアロは事件解決に動き出す。調べていく中で、被害者と乗客たちに少しずつ関連が見え始めるのだが。

各人から毎回場所を変えて話を聞くシーンも、ラストの最後の晩餐のようなシーンもとても美しかった。
真実はとても悲しいものだった。
「罪悪感は」と語ったセリフと、未来の話をしたセリフが印象的。見てよかった。

ナイル殺人事件

エジプトのピラミッドの前で紅茶を楽しんでいたポアロが、旧友ブークと再開したことをきっかけにとある富豪の新婚旅行の旅に同伴することに。
新郎の元婚約者にして新婦の友人が追いかけて来ては度々現れる中、ある朝富豪の新婦が亡くなっていた。元婚約者はトラブルが原因で監視付きの中眠っていたというアリバイが。

ポアロが髭を生やしている理由や、度々語りかけている写真の女性についてなど彼の背景も少しずつ明かされながらの今作。
優雅な船の旅を一緒にしているようで相変わらず画作りが美しかった。
悲しい結末で、船を降りる時のセリフがすべてを物語っていた。

ベネチアの亡霊

ベネチアで隠遁生活を送っていたポアロだが、ハロウィンの夜に行われる降霊会に誘われてその霊媒師が本物かどうか見極める場に立ち会うことに。

次々とトラブルが起こる中、それが人の手によるものなのかこの古い屋敷に住み着いた幽霊により起こされたものなのかが段々と曖昧になっていく様は、これまでと違うホラーだった。嵐により陸の孤島となった屋敷の陰鬱な雰囲気は、映画館で見てよかった。

この作品もやはり悲しい結末で、ホラーを感じた随所の種明かしもぞっとするものだった。そして、そもそもこの降霊会に誘ってきた女性作家とのやり取りも悲しくて、ナイル殺人事件に登場した旧友ブークの存在が際立つ。
Amazonプライムに来たらもう一度見直したい。


少しずつポアロという人物を紐解くように明かしながらシリーズを重ねていて、ポワロに触れてこなかった私にはそれらが一つひとつ新鮮で面白かった。
次のシリーズ作品も出るのなら、また映画館で見たい。

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