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未来の独居老人

現在の勤務先は、地元で数十年経営している注文住宅メーカー。本日は去年から手掛けてきた新築物件の引渡しでした。
ディズニーシーですらエリアオープンを延期せざるを得ないほど、建築資材の供給などが遅れている。地元で数十億程度の売上で動いている工務店ももちろん例外ではない。酷いところでは契約から引き渡しまで1年お待たせしたお客様もいて、それでも辛抱強くお待ちいただけて感謝しかありません。

地元で長く経営しているので、建てた物件が注文者から違う人の手に渡ってしまったり、更地になっていたり、建物の所有者が亡くなられて相続の手続きをする為の司法書士先生をご紹介したり、ということはよくあります。
でも一番ショックだったのは、今年の春に引き渡したばかりのオーナーさんがなくなってしまったのを知ったことです。

オーナーさんは70代と記憶しています。ご長男で、相続された土地と建物にずっとお住まいでした。独身でお子様もいらっしゃらないので、それまで住んでいた土地を売って、お姉さまの嫁ぎ先のご近所に土地を買い、平屋の家を建てられました。
以前の住処の売却、建物の解体、新しい土地で建物や外構の工事、完成後の登記まですべて手掛けました。コロナ禍で浴室の設備の供給が遅れたと記憶しています。すべてをやり終えて、引き渡したのが2022年4月初旬のことでした。

それから半年後。その物件を手掛けた設計士さんが退職されるため、ご挨拶に伺いたいと連絡をするが、つながらない。心配になってオーナーのお姉さまの方へご連絡するとお姉さまご主人から亡くなったと聞かされたということです。

お姉さまのご家族の方でも、数日ずっと電気が消えているからおかしいなと思って警察を呼んで中に入ったところ、死後数日経っていたようです。

お隣に住んでいても自分の死亡に気が付いてもらえない、閉鎖的な世の中。子どもが独立しても週1回は連絡しておこう。うざがるかもしれないが。


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