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【自己紹介①】差別されてみたくて中国へ。

こんにちは、中国山下Pです。

引き続き日本の方へ向けて自己紹介しておきます。色んな会でお話をさせていただくときは以下のスライドを使っています。

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ざっくりとはこんな感じです。以下、数回に分けていつもよく聞かれる質問を中心に書いていきます。

①なんで中国行ったの?

いくつか理由はあるんですが、一番は人種差別されることに興味があったからです。相当なドMかよ!とツッコミなくなると思いますが、正直まあまあのMですw

僕はシングルマザーの家庭で育ちましたが、幸いいじめなどに遭うこともなく、気楽に生きてきました。本当に素敵な母親と周囲の環境に恵まれて感謝しています。しかし、芸術大学で表現に関わることになってからは、普通に生きてきたことがコンプレックスになっていきました。

読む人が読んだら失礼極まりないかもしれません。しかし幼少に不幸な体験をしたり、何かしら社会的なハンディキャップがあるような方が紡ぐ作品は、当事者にしか発信できない強いメッセージ性が伴っており、僕に大きな嫉妬を抱かせました。良くも悪くも勝手にその生き様がバックグラウンドとして機能して、社会の誰かを痛烈に打ちつけるのです。

例えばハーフの方だったり在日外国人の方は、その出生が原因でいじめに遭ったりしていますが、日本社会において少数であるため、彼ら彼女らにしか見えていない視線がある。外国人じゃなくても、社会において特異な存在な方であればあるほど、その当事者が語る言葉に力が宿るし、一挙手一投足に注目が集まる。今や表現と人格が密接な関係を形成している場合がほとんどです。

色々な芸術家や芸術のルーツを調べていくうちに、一つの仮の法則を見つけました。それは一部の芸術家は「変化を求めて作品を生み出している」ということ。現状の環境からの変化や脱却を目指しているからこそ何かを作りたくなるーーー程度は全然違いますが、日々の辛い労働がワークソングを産み、ジャズやロックのルーツになっていったように、外圧が強ければ生まれる表現が強いものになっていくという仮説です。

つまりそれは、現状変化が必要でもない現代に生まれ落ちた「乾かない世代」にとって、非常に欠けているピースであり、僕はそのピースを当時「世界最大の反日思想が根付く中国」に求めたのでした。

そこに行けば、「日本人」という自分がコントロールできない原因でいじめに遭うことができる。そうすることで虐げられる人たちの気持ちが少しは分かるかもしれない、世の中の理不尽に絶望しつつも何か新しいものを産み出せるかもしれない。そんな普通の人が抱かない真逆の感情を持って中国に渡ったのが2012年。尖閣諸島の関係でデモが起こり、日中関係が最悪のタイミングでした。

中国で、確かに僕は色んな口撃に遭いましたし、肩身の狭い思いもしました。対象が大きすぎて、跳ね返そうというより現状を変えられない無力感と虚無感が襲ってきました。「あ、これ無理ゲーだ」と。それでもそんな中ここまで頑張れたのは、中国人社会に中国語も話せないまま無防備で突入してアホなことをやった僕を、応援してアンチから守り遠ざけてくれた若い中国人のファンたちの存在があったからでした。

なんにせよみんな優しかったんですよ。日本で聞いてた情報とまるで違うくらいに僕のことを守ってくれたんです。僕の代わりにアンチとコメント欄で喧嘩してくれて、DMで「俺たちはお前のこと好きだから中国のこと嫌いにならないでね」というメッセージが山のように来たのです。このデキるモテ男の使う二段テクに僕はすっかり感謝して感動して涙して、僕の窮地を救ってくれた彼らのために何かしたいと思うようになりました。

その後みんなの疑問に答える形で、僕の知っている日本の情報をSNSや動画で発信するようになったのが2013年でした。ただ単純に僕なりのお礼がしたい、その気持ちだけで作り始めました。そこから先のクリエイティブのお話はまた別の機会に。

それでもどこかで本来の仮説である「不幸」という外圧を求めていた僕は、自主制作のネットドラマを撮影している際、出演していただいた日本で育ったテイ龍進(リュウシン)さんというハーフの役者さんに、先述の「外圧に比例して表現の強度が上がる論」をぶつけてみることにしました。テイさんも小さい頃は日本でいじめに遭って、嫌な思いをしていたとのことでてっきり同意を得られるかと思ったのですが、返ってきた言葉に僕はまた驚きを隠せませんでした。

テイさんの言葉はまさに僕の中で一生の金言となりうる言葉となりました。最後にその言葉を紹介して第一弾の自己紹介を終わりにしたいと思います。


「山下くん、反骨精神は“怒り”のエネルギーだから伝染に限界があるんだよ。本当に世の中に必要なのは“感謝”から生まれるエネルギーの循環だよ。感謝はシェアしたくなる。だから山下くんも中国でこんなに有名になれたんじゃないかな。」





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テイ龍進さん:http://www.decadeinc.com/ryushin-tei/

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