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勝手に始める、日本の『自分で「始めた」女たち』

0.はじめに


『自分で「始めた」女たち』
グレース・ボニー 著、月谷真紀 訳、海と月社、2019年
原題は“IN THE COMPANY OF WOMEN” 2016


『自分で「始めた」女たち』という本があります。100人以上の女性のクリエイターやメーカー、起業家など、自分で何かを始めた女性たちが写真とともに紹介されている本で、本国アメリカはもとより、日本でも息長く人気の本です。

そこにはリアルなビジネスの始め方、続けるためのアドバイス、落ち込んだ時の対処法、そしてあなたの成功とは?など、さまざまな質問に、それぞれの女性たちが答えています。
 
私はその本を読んで、大いに励まされたひとりです。同時に、大いにフラストレーションを持ちました。こんな「日本の本」を読みたい!キラキラしたシンデレラみたいな成功ストーリーや、まぶしい女性起業家じゃなくて、もっと地道で、誰もがどこか参考になるところがある実用書みたいな本を。

SNSでこれでもかと流れてくる美しい起業ストーリーにちょっと疲れて、画面に見る日本の女性起業家には距離を感じ(その実情は泥臭い努力なのだと思うけど)、そうキラキラできないわが身にどんどん自信を無くして。
 
じゃあ本当はどうなのか。私は日本の起業した女性に、自分の足で会いに行きたいと思いました。『自分で「始めた」女たち』の本のように。
自分の目で見て、自分の耳で聞いた話を、自分の心と頭と腑で受け止め、自分の手で書いたのが、この勝手版・ワタシ版の、日本の「自分で始めた女たち」です。
 
自分の回り、まずは香川県の「始めた女性」たちからインタビューしています。職業もクリエイターにとどまらず、年齢もジェンダーもエリアもこだわりません。
でも「日本」と「(生物学的に)女性」ということにはこだわります。だってこの2つが組み合わさるからこそ生まれる軋轢や苦悩、バカヤローと言いたい気持ち、そして面白さもあると思うから。
 
基本的には本に倣った質問をしていますが、ワタシ版ではお金や他者比較という項目も入れました。こんなこと実生活では誰も詳しく話してくれない。でも実際は悩むところですよね。成功とは何かについても必ず聞いています。納得して生きるということはどういうことか、その人ならではの答えが出てくるのではないかと思ったから。
 
1か月に2回インタビューし、12月から毎月2人ずつ載せていきます。長い場合は2回に分けて。ここでは日本語版ですが、英語版もつくります(現在英訳中。でき次第この場所でお知らせします)。
 

インタビューする私の自己紹介をさせてください。


企業に所属するコピーライター・クリエイティブディレクターだった私。40歳で会社をやめ、ビジネススクールを経由して、個人事業主として起業したのが2016年、43歳。以来、いろいろありました。
 
まず起業して困ったのは「自分への値付け」。安すぎた?と思うこともあれば、「高い」と言われて悩むことも。動いたのにお支払いいただけなかったこともあります。たぶん売り物として「メニュー」になかったから、私も十分に「売れ」なかった。
他人をあまり気にしないほうだと思うけど、山あり谷ありの仕事の「谷」の時期では、気にしたほうがいいのかなと弱気になることも。でも他人様を見ると余計に落ち込みます。
仕事をいろいろと引き受けていると「何をしているか分からない人」とディスられ、「ときめかない」仕事を断って全くやることがなくなった時期も経験しています。
仕事をお願いしたい相手には新たにやってきた敵のように思われることもあったし、顧客はいつまでも顧客でいるとは限りません。
 
ビジネススクールで学ぶ「ファイブフォース分析」というのがあるのですが、自社を考え、競合を考え、自社の代替脅威を考え、サプライサイドやデマンドサイドを考えると、なんだか自分には当てはまらないことも多いなと思ったりして・・・。それにどんどん気持ちがネガティブになっていく。
不幸な気持ちになるために起業したんだっけ?
 
私は私の答えを探したいと思いました。
誰かが用意してくれたフレームじゃなくて。
 
なので自分で、始めた女のひとりとして、始めた女たちに会いに行きます。読んでくださった人の今日役立つヒントがあるように話を聞いていきます。自分の言葉でしゃべってくれる人を選んで、その人の真実を聞いていきます。タイトルが問題なら変えます(お知らせください)。
 
「あのね、この本つくりたいと思っている人、出版業界にいっぱいいるの。」と、ある人気の写真家が教えてくれました。ですよね。でも・・・関係ないか。私は私で聞きたいのです。「だから、やったらいいと思う。」とその方は続けました。
 
基本的にはインタビュー記事ですが、ときどき読んでくださった方の反応や感想も載せたいと思います。なので感想をお待ちしています。
 
では始めますよ。
日本の女たちの本音の「始まり」が、誰かの「始まり」のきっかけになると信じています。

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