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8/14 ニュースなスペイン語 Tirar la toalla:タオルを投げる

ボクシングで、セコンドが選手の戦闘意欲が喪失した、もしくは、これ以上試合を続行すれば生命に危険が及ぶと判断したとき、タオルをリングに投げ入れる場面は見たことがある人も多いだろう。

今日のキーワード、「tirar」は「投げる」、「la toalla」は「タオル」なので、文字通りの意味だが、転じて、「戦いを放棄する・諦める」という意味になる。

さて、1週間程前の記事に、次のような文脈で「tirar la toalla」が使われていた。

国民党はタオルを投げない。同党は(党首のアルベルト・ヌニェス)フェイホが首相になるべきだと主張。なぜなら、171の支持票を得ているため(El PP no tira la toalla e insiste en que Feijóo debe ir a la investidura porque supera los 171 apoyos)。

久々に首相戦のお話。

スペイン政府の長を目指し、小さなつばぜり合い(やら騙し合いやら)があちらこちらで起きていて、それら全ては追えないので、取りあえず、大きな政党の大きな声を、押さえておこう。

国民党を取り巻く環境は、7月27日の小欄で紹介した時より、幾分か(いや、かなり)、好転した(まぁ、政治家たちの言っていることを額面通り信じれば、の話だけど)。

現在、国民党による支持票が137。そしてボックス(Vox)から33票、ナバラ住民連合(UPN)から1票の支持票を確約している。ここにカナリア連合(Coalición Canaria)からの1票が加われば、172票を得ることになり、フェイホの首相就任にあと少しのところ(つまり、過半数である176票)まで来ている。

国民党の幹事長(secretaria general)であるクカ・ガマラ(Cuca Gamarra)は「あと4〜5人の議員からの支持票が必要(nos faltarían cuatro o cinco diputados)」と述べているが、誰か具体的な人物を獲得するための計画があるのかと問われた際(preguntada por el plan del PP para obtener los diputados)、「憲法に基づき、広く支持のための同意(acuerdos amplios y constitucionales)」を取り付けるとだけだと述べるに留まっている(se limita)。

7月27日から大きく潮目が変わったのは、先週の日曜日に、ボックスが「国民党に支持票を無料で明け渡す(daría sus votos 'gratis' al PP)」と表明したことが大きい。

小欄でこんな大きい記事を見逃していたのは残念だが、こんなことをボックスが言っていたか…。

「無料」というのは、もちろん、見返りを要求しない「無償の支持」のこと(まぁ、タダホドタカイモノはないけどね…)

8月17日に国会元首(Jefe del Estado)たる国王フェリペ6世(Felipe VI)は国会からの推薦を受け、首相の職を託す(「指名する(encomienda)」)ことになる。

この時までに、フェイホが首相を引き受けるための可能性(disponibilidad)について、調整が続く。

いやはや、世間は休暇ムードだが、渦中の議員らはまだ、休めそうにない。

写真は国民党党首フェイホ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230809/pp-no-tira-toalla-insiste-feijoo-debe-ser-investido-presidente/2453727.shtml