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10/28 ニュースなスペイン語 Luz:電気代

今、スペインの電気料金(factura/precio de la luz)が記録的な高騰状態にある。

今年の1月初旬に爆弾低気圧(borrasca)フィロメナ(Filomena)が大寒波をもたらし、各地で豪雪に見舞われたころから、電気代の高騰が始まった。以降乱高下を続けながら、7月21日には国内の1時間当たりの電気使用量(メガワットアワー(=MWh))が平均で100ユーロ(約13,170円)を越え、9月30日には200ユーロ(約26,350円)を越えた。10月7日には288ユーロ(約37,940円)にまで達したが、10月28日現在、205ユーロ(27,000円)となった。

政府もこうした状況を前に手をこまねいているわけではない。

7月末に、電気料金にかかる「付加価値税(IVA(=消費税))」の税率を、年末までの間、21%から10%への引き下げ(rebaja)を承認した。

さらに9月には、電気にかかる特別税(el impuesto especial de la electricidad)も5.1%から0.5%に引き下げた。

現在は次のように曜日と時間帯(tramos/franjas)によって、電気料金が異なっている:

◆安値時間(hora valle(=「谷の時間」の意味):平日は0~8時/土日祝日は終日。1時間当たり0.083ユーロ(約10.9円)~0.1439ユーロ(約18.5円)/キロワット
◆並値時間(hora llano(=平野の時間)の意味):8~10時/14~18時/22時~0時。1時間当たり0.1235ユーロ(約16.3円)~0.1809ユーロ(約23.8円)/キロワット
◆高値時間(hora punta(=「頂上の時間」の意味):10~14時/18~22時。1時間当たり0.1773ユーロ(約23.4円)~0.2759ユーロ(約36.4円)/キロワット

ちなみに、スペインでは民間企業が電気を販売している。上の価格はRepsol社など4社の見積もりを参考にした。

これまでは、安値時間と高値時間の差は、1時間あたりの平均で0.13ユーロ(約17円)くらいだったから、少しでも電気代を抑えたいなら、週末に洗濯機(lavadora)や食器洗い(lavavajillas)を動かす国民が多かった。

しかし、これからは、時間帯での価格の差があまり、無くなり、並値時間に集約するらしい。だから、これまでのような「節約作戦」が難しくなる。

これからは、次の日の電気代とどの時間帯が安くなるかの予想を、電気会社のホームページで確認することになるみたいだ(el precio de la electricidad del próximo día es consultarlo la noche anterior en la página web de Red Eléctrica)

写真は本文とは関係のない家電(electrodoméstico)のイメージ画像。なお、左側のラベルは「エネルギー効率ラベル(Etiqueta de eficiencia enérgica)」。一番上の緑(verde)の商品はエネルギー効率が最も良いが、その分、価格も高い。インタビューに答えていた主婦は、5年以内に故障したら、もとは取れない(no compensa)、と笑っていた。