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4/27 ニュースなスペイン語 Cuatro hipótesis:4つの仮説

25日の小欄(https://note.com/jidequin/n/ne09d8baebf89)で紹介したが、ペドロ・サンチェス首相(Pedro Sánchez)が国民(ciudadanía)に宛て発表した書簡(misiva;carta)で、自らの進退を「熟考する(reflexionar)」ために公務を見合わせる(cancelar su agenda)と表明した。

詳細は25日の小欄に譲るが、この決断の背景には、サンチェスの妻、ベゴーニャ・ゴメス(Begoña Gómez)が、例のコルド案件(caso Koldo)に関わっていたのではないかとの疑惑について、裁判所が捜査のための法的手続きを開始したことがある。

当然のことながら、マスコミ各社は一斉に、サンチェス政権の今後について、報じ始めた。

さてさて、タイトルにあげた「4つ」の代わりに「3つ」としている記事もあれば、「仮説」ではなく「可能性(posibilidad)」とか「選択肢(opción)」という表現をしている記事もあるが、まぁ、おおよそ、3~4のシナリオが予想されるようだ。

シナリオ1
サンチェスが辞任はするが、現在の内閣は解散しない(que opte por dimitir pero sin disolver las cortes)というのが最初の可能性。

もし、サンチェスが首相の職を辞す場合、現在、副首相トップ(vicepresidenta)で、財務大臣(ministra de Hacienda)のマリア・ヘスス・モンテロ(María Jesús Montero)が、次期の首相が選出されるまでの間、臨時(en funciones)首相を務めることになる。

シナリオ2
次のシナリオは内閣を解散し、総選挙を招集(convocar elecciones)というもの。

しかし、25日の小欄でも触れたが、前回選挙が招集されてから1年経たないと、次の選挙は招集できないと憲法で規定されているので、総選挙は、最短で5月29日に招集されることになる。

この第2のシナリオが選択された場合、サンチェスが再びスペイン社会労働党の候補者となるのか(Sánchez quisiera ser el candidato del PSOE)、それとも、 別の新たなリーダーとなる後継者を選出するのか(tener que buscar un nuevo líder y candidato)のふたつの道が開かれることになる(se abrirían dos caminos)。

シナリオ3
サンチェスが内閣から新任決議を得る(Sánchez opte por plantear una cuestión de confianza)というのが第3のシナリオだ。

つまり、国会議員らに、まだ自分は内閣の信任を得るにふさわしい首相かどうかを問う(preguntar si el presidente todavía goza de la confianza de la Cámara)ということ。

この場合、多数決(mayoría simple)で信任が決まり、首相続行が承認されるので、反対票より賛成票が上回っていれば良い(Necesitaría más síes que noes)。

首相選出(investidura)の時のように、賛成数が過半数(mayoría absoluta)を上回る必要はない。

シナリオ4
そして、第4のシナリオは、熟考の結果、首相の続投を決め、現執行部を率いる決断をする(Que su reflexión le lleve a seguir como presidente del Gobierno y continuar al frente del Ejecutivo)というものだ。

サンチェスは週明け月曜日に元々予定されていた自らの証人喚問(comparencia)で、出処進退について、熟考した結果を明らかにする。

写真はサンチェス。

以下は素人の勝手な憶測……。

コルド案件、カタルーニャ州の選挙(5月12日に控えている州選挙のことで、3月29日の小欄(https://note.com/jidequin/n/n389968881569)でも触れている)、恩赦法(ley de amnistía)など、政府が主導すべき事項が盛り沢山なので、相当の政治空白を引き起こす可能性のあるシナリオ2は避けるのでないか。

かと言って、政治的潔癖症のサンチェスが、グレーな妻について何の落とし前もつけず首相に居座り続けるシナリオ4も、ちょっと考えにくい。

となると、残るはシナリオ1か3となるが、シナリオ3は、上で述べたように、賛成票が反対票を上回れば良いし、形の上では審判を得たことになるので、一応、審判を経た格好にはなるが、いささか、易きに流れ過ぎか・・・。

一方、シナリオ1で首相に返り咲くには、党内外の調整や、国会内での過半数を取り付けるためにいろいろ奔走しなければならないものの、一応、国民には頑張ってるアピールもできるし、党内や政府にはサンチェスの続投(continuidad)を望む声があるので、ミソギとしては、意外と有効かも。

ということで、小生はシナリオ1で!

出典
https://www.lasexta.com/noticias/nacional/cuatro-hipotesis-decision-posible-futuro-carta-sanchez_20240425662a5992c0b95c00018cb34f.html