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11/3 ニュースなスペイン語 Lardero:ラルデロ

ラルデロ―――。ラ・リオハ州(La Rioja)にある人口8000人ほどの村である。

この村で、先週の木曜日、痛ましい事件が起きた。8歳の少年アレックス(Alex)が村の公園で誘拐され、殺害されたのだ。

フランシスコ・ハビエル・アルメイダ(54)が容疑者として逮捕された(detenido)。

アルメイダは、実は、今回の犯行が初犯ではない。

1998年に不動産会社(agencia de inmobiliaria)に務める女性を暴行した(violó)上、殺害した(asesinó)罪で服役しており、今回は仮出所(libertad condicional)中の犯行だったのだ。

当然、警察や裁判所の対応が気になるところだが、アルメイダはいたって生真面目(escrupuloso)だったという。

昨年4月8日に裁判所から仮出所を言い渡されてから、16回に渡る当局の保護監察(intervenciones de seguimiento)を受けていた。そのうち、今年になって行われた監察は11回だったという。

住居変更(cambio de domicilio)、就職の報告(incorporción al trabajo)、就労時間の拡張(ampliar el horario laboral)などの連絡を本人からしてきたり、監察官が自宅に訪問すること(visita de los funcionarios)なども素直に受け入れていたという。

加えて、2ヶ月おきの監察(control bimensual)、労働契約のコピー(copia de contrato)や公共料金の領収書(justificante de pago de responsabilidad civil)の提出も行っていた。

なのに、事件は起きてしまった…。

当局の対応の問題点や事件の詳細は今後、明らかになるだろう。

しかし、まず、すべきは8歳で無念にもこの世を去ったアレックスの冥福を祈ることだ。アーメン。

写真は誘拐現場とされる公園の滑り台に手向けられた花やメッセージ。親子が絶えず訪れ、黙とう(guardar silencio)をしている場面もあった。メッセージは「アレックス、大好きだよ。」ではじまり、「ラルデロには雨は降らない。降ってるのは私たちの涙」で終わっている。