見出し画像

8/27 ニュースなスペイン語 Vendimia:ブドウの収穫

Vendimiaはラテン語の「vindemia(=vinea(ブドウ)+demere(切る))」から派生した単語で、ブドウの収穫にだけ使う。

今、スペイン全土でブドウの収穫時期を早める方針を決めた農家が増えている。例年と比べ、1週間ほど、早まるという。

原因は熱波(ola de calor)による高温(altas temperaturas)と雨不足(falta;escasez de lluvia)だ。

高温によって、ブドウの成熟(maduración)が進み続ける。このプロセスを止められるのは、唯一、雨しかないらしい。

しかも、干ばつ(sequía)によって、地面が枯れると、木は水分(agua)をブドウの実から取る。そうすると、房はブヨブヨ(fofo)になり、栄養分(nutrientes)が失われる。

今のところ、ブドウは「良好(está bien)」らしいが、このまま、雨不足が続けば、例年より20%ほど収穫量(producción)が減りそうだ。

ワインの本場、ラ・リオハ州(La Rioja)でも状況は変わらない。リオハ州では通常、ブドウの収穫は9月末、場合によっては、11月にずれ込むこともあるようだが、今年は10日ほど例年より早めるという。

あるブドウ農家(viticultor)は

ブドウは人間と同じで、27度を超えると、しんどくなるんですよ(Los viñedos son como las personas, a partir de los 27 grados, ya empiezan a sufrir)

と話す。

高温と水不足に加えて、ブドウ農家を悩ませているのが強い陽の光(intenso sol)と熱帯夜(noche tropical)だ。

厳しい日光に曝されると、ブドウの皮に軽い「火傷(quemadura)」が生じる。

また、熱帯夜では、ブドウの木が休むことができない(las cepas no han podido descansar)という。

こうした状況が続くと、実も小さくなり、結果、生産量にも影響が出かねない。

気温がイベリア半島内でも高いアンダルシア州のブドウ農家では、7月末にはすでに、ブドウの収穫を始めたという。17世紀からの記録(registro)が残っているなかで、これ程までに早い収穫はないという。

ワイン好きの小生としては品質が心配になるが、あるブドウ農家の言葉にハッとした。

収穫時期が変わったところでブドウの質や量に全く影響はありません。それにこうした「問題とされていること」が、実は、毎年、違った条件のワインを楽しむための魅力でもあるんですよ(Estos cambios no suponen ningún problema de cara a la calidad de la uva ni a la cantidad y que estas "problemáticas" también son "un aliciente para disfrutar cada año de un vino con unas condiciones diferentes")。

自然と向き合う人々は強い。ブドウの収穫時期がちょっと早まったくらいであたふたする小生のなんと小さいことよ……。

写真は収穫間際のブドウ(ただし、年代は不明)。

ブドウの収穫を表わす語には、vendimiaの他にも、もちろん、「recogiga;cosecha;recolección(=「収穫」)de(=「の」) uva(=「ブドウ」)」という表現もある。

ちなみに、語源となったラテン語「vindemia」と今の形「vendimia」を見比べると、eとiが入れ替わってるのが分かる。

こういう現象を専門的には母音交替(metatesis)という。

日本語の「さんざか」が「さざんか(山茶花)」になったり、「あらたし」が「あたらし(新し)」になったりするケースは、母音ではないけど、音が交替する現象。

いま、「ふんいき(雰囲気)」を「ふいんき」という人が増えてるが、これも、交替現象。ちなみに、小生のスマホでは「ふいんき」と入れると「雰囲気」が予測変換で出てくる。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220826/sequia-adelanta-vendimia-desde-alava-hasta-jerez-uva-mas-pequena-produccion-tambien/2398445.shtml