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2/10 ニュースなスペイン語 Chapuza:雑な仕事

タイトルの「Chapuza」はスペインのニュースにはよく出てくる語のひとつで、小欄のタイトルとしては去年の11月20日以来2度目。 

その時は、数日前の記事でも触れた通称「ハイはハイだけ法(ley de solo sí es sí)」を取り上げた。

暴行加害者らの減刑ラッシュが頻繁するような法理論だったから、まぁ、chapuzaと評されても仕方ない。

で、今回の chapuza も中々のものだ。

カンタブリア州とアストゥリアス州の両州を走る近郊列車(tren de cercanías)と中距離列車(tren de media distancia)が、なんと、トンネルの幅に合わず(no caben en los túneles)、通過できないことが判明したのだ。

結果、新型の列車の導入が数年、遅れることになった。

そのため、工場では列車の製造プロセス全てを止め、より良い解決方法を模索し始めた(se paró todo el proceso de inicio de su fabricación y empezó la búsqueda de la mejor solución posible)という。

こうした事態にカンタブリア・アストゥリアスの両州のトップは怒り(indignación)を口にした。

昨日の記事にも登場したカンタブリア州知事ミゲル・アンヘル・レビージャ(Miguel Ángel Revilla)は管轄省庁である国土交通省(Ministerio de Transporte)は、このミス(error)をもっと早期に知っていたんじゃないか( podría haberse enterado antes)、そして、それを今まで黙っていた( y haberlo "tenido callado" hasta ahora)のではないか、と不信感マックス。

それもそのはずで、このプロジェクトが承認されたのが2019年のことだから、4年もの間、誰も設計ミスに気づかないとはお粗末。

よしんば、誰かがこの事実を知ったとして、今日まで何の手も打たなかったとしたら、それも大問題。

しかも、現行のインフラ側(トンネル)も多数の地点で幅の基準を満たしていない(la infraestructura actual incumple en numerosos puntos)という。

何から何までchapuzaのオンパレード。

アストゥリアス州知事のアドリアン・バルボン(Adrián Barbón)も「私は本件について、はらわたが煮えくりかえる思いだ(está que trina también con ese tema)」と述べ、「心底不快(profundo malestar)」と付け加えた。

レビージャは「我々が望むのは、いつ列車が納入されるかについての返答だ(Esperamos una respuesta, una respuesta que tiene que ser cuándo vamos a tener esos trenes)」と述べ、「担当者は結果に対して相応の責任を負う(que los responsables paguen las consecuencias)」よう求めた。

「(トンネルに)入らない電車(Trenes que no caben)」という表現と出会うとは思ってもみなかった……。

写真は「トンネルに入ることのできる電車」

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230203/indignacion-cantabria-asturias-nuevos-trenes-medidas-tuneles/2420906.shtml