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1/10 ニュースなスペイン語 Mascarillas:マスク

4日の小欄でも触れたが、今、スペインではコロナ(Covid)、インフルエンザ(gripe)、肺炎(bronquiolitis)の3つの感染症が大流行している。

中でも肺炎を引き起こすとされるRSウィルス(virus respiratorios)のクラスター(repunte)が発生したことを受け、厚生省(Ministerio de Sanidad)はスペイン国内の医療機関(centros sanitarios)でマスクの着用を義務化(uso obligatorio de la mascarilla)することを決め、各自治州(comunidades autónomas)に通達した。

ここまでは、まぁ、通常の流れ。

ところが、この通達を素直に受け入れたのは、いち早く名乗りを上げたバレンシア州を筆頭に、わずか、6自治州のみ。

このように各自治州が、中央政府の方針を平然と受け入れないことも、実は、スペインでは、ままあること。

厚生大臣(ministra de Sanidad)のモニカ・ガルシア(Mónica García)はマスク着用の義務化について、「効果的だし、常識の範囲内(efectiva y de sentido común)」との見解を示した。

さらに、科学的なエビデンス(evidencia científica)にも基づいているし、国民からの理解も得られている(es bien recibida por la población)とした上で、 次のように、チクリと一言。

市民の健康を利用してかくれんぼをしたい人は、どうぞ、あちらにお相手がいるので。そもそも、今回の措置を、ご自分からはやらなかったのに、中央政府が、しかも、遅まきながらやりはじめたなどと言っている自治州は信用できない(El que quiera jugar al escondite con la salud de sus ciudadanos allá él. Una comunidad que dice que llegamos tarde a una medida que no quiere poner no tiene mucha credibilidad)。

ガルシアは、マスク着用の義務化を決めた自治州に対しては、早速、法的な支援(cobertura legal)を行うと表明。

一方、義務化を受け入れない、例えば、カンタブリア州は感染状況はこうした措置を講じる程は危機的でない(la situación no es tan alarmante)と主張してみたり、マドリード州はあくまでも、マスク着用は勧告(recomendable)・自主(voluntario)レベルとゴネてみたり・・・。

まぁ、言い訳はいろいろ。

感染症対策では皆が足並みをそろえて、拡散と防止に協力するのが肝要と思うのは、まぁ、小生が日本人だからか。

スペインでは「分で判断して、める」ことこそが自治州のアイデンティティと考えているからだろうか、一丸とならなきゃいけない時に、こうした不協和音がよく聞こえる。

スペイン(か、もしくは、もう少し広くとらえて、欧米)の流行は、これまでも1~2ヶ月くらいすると、日本にもやってくることが多かったので、日本での肺炎爆発も警戒しておこう。

写真は厚生大臣のモニカ・ガルシア。

なお、本文中のガルシアの発言、

El que quiera jugar al escondite con la salud de sus ciudadanos allá él.

を、

Quien quiera jugar al escondite, suerte(かくれんぼをしたい人は、どうぞ、幸運をお祈りします)

としているメディアもある。

まぁ、言わんとすることは同じなんだけど、文の形が随分と違うので……。

あとで、動画を確認しておかなくちゃ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240109/sanidad-reunion-ccaa-mascarilla-repunte-virus-respiratorios/2470568.shtml