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4/11 ニュースなスペイン語 24 mujeres:24人の女性たち

聖週間(Semana Santa)が始まった。今年は4月10日が、いわゆる、「枝の主日(Domingo de Ramos(「枝の日曜日」が原義))」で、16日まで、各地でいろいろな宗教行事が行われる。キリストが復活を遂げるまでの期間なので、信者にとっては特別な1週間だ。

ローマ法王(Papa)がロシアによるウクライナ侵攻について、「休戦(tregua)」を求めたのもうなずける。

さて、タイトルの「24人の女性たち」はグラン・カナリア諸島(Gran Canaria)在住だ。下は18歳から、上は68歳までの元気印女性たち。この度、彼女たちだけで、聖週間のパレードの「神輿(trono)」を担ぐことになった。これは、スペイン国内でも珍しい試みだという。

女性の神輿担ぎ(costaleras)は、当然、いる。16歳から担ぎ始めた、現在、22歳の女性もいるし、御年70歳の超ベテラン(veterana)もいる。

神輿の総重量は、なんと、800キロ。24人で担げば、一人当たり約33キロ。担げない重さじゃないとは言え、決して、楽な仕事ではない。

女性たちの多くは、美容師(peluquera)だったり、タクシー運転手(taxista)だったり。はたまた、教師(maestra)やスーパーの従業員(empleada)もいる。皆、仕事が終わると、練習(ensayo)にやってきて、2ヶ月間耐え抜いた。

お神輿はあたしらの血管にまで染み込んで、誰も取ることなんか出来やしないよ(Se te mete en vena y no hay quien te lo saque)

神輿担ぎとしての魂はガッシリと彼女たちの心に根をおろしているのだろう。

2年間、コロナの影響で、神輿を担げなかった。亡くなった自分の親族を想って担ぐ人もいる(cargar por…)。

ある女性の神輿担ぎは言う。

(女性だけのお神輿は、近いうちに)珍しいことじゃなくなるよ。それにね、だってね、あたしら女ってのは男なんかよりよっぽど完璧なんだから(deja de ser extraordinario y además somos más cumplidoras que los hombres)

と笑う。

キリスト復活直前の木曜日、聖木曜日(Jueves Santo)の夕刻、彼女たちの神輿が動き出す。

写真は練習中の女性たち。以下のサイトから動画に飛ぶ。小足でゆっくりと歩を進める練習風景は、なかなかの見ものだ。カナリア半島独特の話しっぷりも気持ちが良い(本文中の日本語はそんな子気味の良さを反映させたもの)。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220408/24-mujeres-cargan-cristo-buena-muerte-gran-canaria/2329461.shtml